埋もれた星の発見 カメレオン I 内にあり、前駆主系列星とされていなかった IRAS 天体 28 個の JHKL 測光を行った。非常に強い赤化を受けている背景星を 探す試みは不成功に終わった。しかし、新たに4つの若い埋もれた星が 見つかった。その内の一つは降着期にあるらしい。 |
T-アソシエイション 可視光で確認された T-アソシエイションの近赤外観測も行った。 カメレオン I で IRAS 点源として検出された若い天体の数は 36 となった。 驚くべきことにこれは可視 T Tau 星の僅か 57 % に過ぎない。IRAS は 近傍暗黒雲でさえも若い星の完全なサーベイを成し遂げていない。 |
カメレオン I 暗黒雲 カメレオン I 暗黒雲は &alpha: = 11h05m, δ = -77° (1950) D = 140 pc にある。b = 15° で銀河面から離れていてフィールド星の 密度は低い。 |
2.1.観測天体の選択Optical Box論文 I では T-アソシエイションメンバー(T-星)56個と フィールド星(F-星)54 個のカタログを示した。探査領域は 1950 epoch で、 α = [10h47m, 11h30m]. δ = [-77°50', -74°50'] 注意しておくが、 T-カタログは可視 T Tau 星と前駆主系列星のほぼ全てを 網羅しているが、F-カタログは過去の報告例を集めただけで完全ではない。 IRAS 天体 Optical Box 内に IRAS 天体が 77 個あった。そこから以下を削除した。 (1)12 μm で検出無し。 (2)既知 T-星 (3)11072-7727 (IR星雲に付随), 11143-7556 (銀河) その結果、35 個に減った。それらの内、F(12) > 0.5 Jy の全てを含む 28天体の位置を図1に示す。 2.2.測光観測![]() 表1.近赤外測光の結果。 |
![]() 表2.IRAS フラックス。 ![]() 表3.IRAS フラックス。 |
3.1. (J-H) - (H-K) 二色図![]() 図2.表1から作った NIR 二色図。黒丸= IRAS 天体。白丸=非 IRAS 天体。 巨星(III) と矮星(V) の固有経路は Bessell, Brett (1988) より。 |
3.2. IRAS 二色図![]() 図3.丸=IRAS 天体(表2)と バツ=T-星(表3)。四角枠= T Tau 星の区域。 |
4.1.若い星の同定Lada のクラス分類Lada 1988 や Wilking, Lada, Young 1989b は 2 - 25 μm での SED 勾配により若い天体の分類を行った。 クラス I の SED は単一温度黒体よりもずっと巾が広く、中間赤外で 正の勾配を持つ。これは冷たい星周ダストからの強い赤外超過を示す。 クラス I 天体は可視で見えることは稀であり、おそらく降着期にある。 クラス II は中間赤外で SED 勾配が負である。通常は可視の T Tau 星。 クラス III 天体の SED は単一温度黒体に近い。これらは ZAMS や post-T Tau 星である。クラス III 天体は SED だけからは通常のフィールド星と区別 出来ない。 ![]() 図4.若い星候補の SED. データは表4. |
![]() 図5.ミラを含むフィールド星の SED. |
新しく4つの若い星を発見 新しく4つの若い星を発見した。その内の 11057-7706 は降着期にある クラス I であろう。他はクラス II (T Tau) である。 既知の 8 T Tau 星のIRAS 同定 これらは PSC には載っていなかった。 YSO 総数 これで、YSO の総数は 36 となった。可視で見える T Tau が 56 個あるのに IRAS PSC にはその内 32 個 (57 %)しか載っていない。 |
Taurus-Origa でも同様 Taurus-Origa でも可視 T Tau 星の 60 % くらいしか PSC には 載っていないことが報告されている。したがって、IRAS 探査は近傍 暗黒雲でさえも YSO の完全なリスト作りは出来ていない。 深い NIR 探査が重要 |