B Stars and Spiral structure in the Larger Neighborhood of the Sun


Weaver
1953 AJ 58, 177 - 195




 アブストラクト

 早期 B-型星、O-アソシエイション、星間水素の空間分布が似ていることを示す。 Oort, van de Hulst, Muller による水素の分布を早期 B-型星と OB-星分布の 第1近似として、その銀経、視線速度分布から第2次近似分布を導いた。渦状 構造が明瞭に現れた。腕に沿って明るい星の分布が指摘された。  南天の早期型星は二つの構造に分かれる:局所星団と太陽から 1.2 kpc のところ に広がった構造である。"inner B stars" は南天で局所星団に属さない星で速度分散 が "outer B stars" の5倍以上ある。"outer B stars" は銀河中心距離が太陽より 大きい星のことである。


 1.イントロダクション 

 2.観測された渦状構造 

 現状 

 Baade 151, Baade, Mayall 1951 は銀河の腕に沿って種族 I 天体が存在 することを示した。 Morgan, Sharoless, Osterbrock 1952 M は HIIR を用いて二本の 渦状腕それに太陽付近の第3の腕の可能性を示した。 Oort, van de Hulst, Muller は 21 cm 観測から局所腕、外側腕を確認し、さらにその外側の腕を見出した。 腕の構造、特に局所腕の分岐は中性水素で示された。

 B-型星と渦状構造 

 非常に早期の B-型星と星間物質は相関が強い。星間水素ガスから示唆される 渦状構造は B-型星にも対応する構造を持つはずである。

 天体の比較 

 図1には黒点=水素ガスの塊りを示す。同じ腕に属する点は点線で結んだ。 実線=第2ピークまたはショルダー。 白丸=表1にあるタイプ IB2 星団。十字= HIIR. 四角=ηカリーナ複合体。数字は kpc である.

 O-アソシエイション 

 トランプラーの早期星団はしばしばアンバルツミアンの O-アソシエイションの 核を成している。O-アソシエイションに含まれる星団は二重丸で、二つの星団が 含まれる場合は楕円の中の丸で示される。

Mag.Range 5.5 - 7.5 7.6 - 9.0 9.1 - 11.0
95 - 100 128 - 133 3 22 17
100 - 105 133 - 138 12 46 22
105 - 110 138 - 143 4 18 3
110 - 115 143 - 148 0 6 3
115 - 120 148 - 153 4 5 1
120 - 125 153 - 158 0 2 2
125 - 130 158 - 163 0 0 0


 図1から分かるのは 

(1)早期型星団、O-アソシエイション、 HIIR は HI 密度極大付近に集中する。 それは ペルセウスとカシオペアアソシエイション、および局所腕に沿って 並ぶ O-アソシエイションに最もよく現れる。
 HI が星団より遠方に位置するのは星団と水素ガスの距離決定のスケールの差が 主な原因なのでリアルと考える必要はない。

(2)星で示される腕は細い。lI > 145, lII > 178, の複雑な腕構造の性質は今のところはっきり分からない。

(3)星団、アソシエイション、B-型星の分布は腕でさえむらが大きくマダラ状である。 明るい星の集団は数 100 pc で消えてしまう。これは地球から見ると、早期 B 型星の 集合は極めて明確な縁を持つことを意味する。その良い例は早期型星のペルセウス群 である。これはかなりはっきりした境界がある。
 Nassau, Morgan が |b| < 6 で見つけた OB 星の多くが lI = [100, 105], lII = [133, 138], 区間にある。ペルセウスアソシエイションは端で急に 消え、その縁は 5° 区間の一つに収まる。これはアソシエイション距離 1.9 kpc では、1.9 x 5/60 = 150 pc である。

  lI = [120, 140] での星欠乏 

 ペルセウスアソシエイションに近い lI = [120, 140], lII = [153, 173] で明るい星が無くなるのはリアルである。これは 星間吸収のためではない。McCuskey の LF 7 領域は lI = 133, lII = 166 であるが、そこで総減光 Av = 2.2 mag at 2 kpc である。 この値では m = 5.5 - 7.5, 7.6 - 9.0 での星数をそんなに下げられない。

本当に欠乏している 

 次の仮定を置く。
(i)  lI = [125, 130], lII = [158, 163] での 空間密度は、lI = [95, 110], lII = [128, 143] と同じ。
(ii) lI = [125, 130], lII = [158, 163] 区間は 近くの星間雲で 2 等さえぎられている。

表1.早期 B-型星団



すると、表から、lI = [125, 130], lII = [158, 163] 区間 では 7.6 - 9,0 等で約4個の星が期待できる。これは lI = [95, 110], lII = [128, 143] 区間 5.5 -7.5 等 にある星の 2/3 である。しかし、lI = [125, 130], lII = [158, 163] 区間の 7.6 - 9,0 等には星が一つもない。 従ってこの区間には本当に星が無いと看做せる。



図1.黒点=水素ガスの塊り。白丸=表1にあるタイプ IB2 星団。十字= HIIR. 二重丸=O-アソシエイション。四角=ηカリーナ複合体。数字は kpc.

図2.水素ガス渦状腕の模式図。数字は kpc.


 図1.黒点=水素ガスの塊り。白丸=表1にあるタイプ IB2 星団。十字= HIIR. 二重丸=O-アソシエイション。四角=ηカリーナ複合体。数字は kpc. 

 3.外側銀河系の渦状腕モデル 

 渦状腕=分布の第1近似 

  lI = [30, 250], lII = [63, 283] での Oort, van de Hulst, Muller の 21 cm 観測が行われた領域を外側銀河系と呼ぶことにする。図1から中性水素 の作る渦状構造は、早期 B-型星団、O-アソシエイション、HIIR の分布を表現する 第一次近似と看做すことができる。B-型星は基本的にはそれらの天体と同じように分布 すると考え、図1を B-型星分布の予備的モデルと看做す。

 渦状腕からのズレ 

 B-型星団、O-アソシエイション、放射星雲の全てが中性水素と同じ分布をする わけでない。図1に示されるように、ケフェウス I O-アソシエイション、それに一つの HIIR が局所腕と外側腕の中間に位置する。その距離 1.9 kpc は様々な方法で確認 され信用できる。したがってこれらを異常として例外視するか、モデルの改良点を 示す観測事実と考えるかは興味ある問題である。
 渦状腕の特性 

(i)図2に示される腕の巾は 400 pc ある。そして銀河面の両側 50 pc の高さに 達している。計算の簡単化のため断面は四角に仮定する。

(ii)O - B2 型星は腕の中を一様に分布している。

(iii)O - B2 型星の光度は van Rhijn の光度関数 を M = -2.5 で丸めて分布する。

(iv)星間吸収が全くないケースと 1.0 mag/kpc のケースとを考える。




図3.明るい(mV<6) B-型星の銀経分布。点線=星間減光なしの水素モデルからの予測。 実線=減光を入れた水素モデルの予測。


図4.ヒストグラム=暗い OB-星の銀経分布。実線=減光入りの水素モデルの予測。




表1の星団の位置。

 4.観測によるモデルのテスト 

 明るく見える早期 B-型星の分布 

 直接のチェックはデータ不足 

 早期 B-型星の空間位置をプロットすれば、モデルを直接チェックできる。 しかし、それには正確なスペクトル型、光度クラス、等級、カラーが必要で、 現在多数の B-型星ではそれが不十分である。それらは Morgan, Nassau 他が 進めている計画が完成した時に可能となるであろう。

 明るい星の銀経分布 

 |b| ≤ 20 で、明るい mv ≤ 6.0、≤B2-型星 の銀経分布を HD カタログから図3に描いた。同様のモデル分布を計算した結果も点線で示した。 減光を加えた結果が実線である。図のサンプル数は小さいので統計的な精度は あまりよくない。しかし、観測とモデルは全体としては合っている。つまり、 lI = [40, 80], lII = [73, 113]、と lI = [140, 210], lII = [173, 243] 区間では lI = [90, 140], lII = [123, 173] 区間より多数の 星が観測される。実際の分布はむらが大きいので、観測ヒストグラムはデコボコしている。 もう少し細かい比較を次に述べる。

 (i) シグナス方向 2kpc 

  lI = [40, 50], lII = [73, 83]、には非常に多数の 星が観測される。ここは有名なシグナスアソシエイションの中心方向である。 Nassau, MacRae は LF3 領域(lI = 42, lII = 75)での B0 - B5 星分布の研究でそれらの空間密度が異常に高いことを注意している。 この区間で観測数がモデルより高いことは、したがってある程度予測されていた。
 (ii) ケフェウス方向 1 kpc 

   lI = [70, 80], lII = [103, 113]、区間の観測星数 ピークは著しく早期型、その中には4つの O-型星を含む、の星の集団に起因する ことがわかる。それらの距離は 1 kpc で、平均銀緯は b = 6 である。星の集団は An 37 と NGC 7160 の Cep II O−アソシエイションに関連している。これらは前に 述べた局所腕内の早期型星のコブなのである。

(iii) ζ Persei 星団 0.3 kpc 

 lI = [120, 130], lII = [153, 163]、区間の観測星数 ピークは、膨張している早期型星からなる、近傍の ζ Persei 星団が原因である。 それは図1にも現れていて、局所腕上に小さな超過を作っている。それが明るい星 サンプル中に大きく現れているのは全く距離が近いために他ならない。これは実際には 非常に小さなアソシエイションである。

 (iv) ペルセウスー御者座 低密度区間 

 lI = [100, 150], lII = [133, 183]、区間の観測星の数は モデル予測より小さい。これは以前述べた、ペルセウスー御者座の明るく見える星の 低密度領域に対応する。

 (v) オリオン 

 lI = [170, 180], lII = [203, 213]、区間の観測星の数 の非常に高いピークは比較的近くのオリオンアソシエイションが原因である。この 早期星集団は局所腕の大きくて重要な恒星集団である。





図5.OB 星の表面分布。Nassau, Morgan による。軽い網枠は 14 - 18 星。 濃い網枠は 19 - 25 星。

 暗い OB-星 

 OB-星の表面分布  

 図5には Nassau, Morgan による OB 星の表面分布を見かけ等級で分けて示す。 図4には等級区画 7.6 - 9.0 の星をヒストグラムで示した。

 (i) lI = 30 つまり lII = 63 

 明るい星と暗い星のヒストグラムは、lI = 30 つまり lII = 63 から急に上がるという点では共通している。そこは視線が局所腕と交差し始める 角度である。図2を見よ。

 (ii) lI = 70 つまり lII = 103

 ここから先は比較的薄い局所腕を見通すようになるため、明るい星の数は減少する。 同時に、暗い星の数は増え始め、 lI = [100, 110], lII = [133, 143]、で極大に達する。 このピークにはペルセウスの二重星団が含まれている。
このように、lI = [70, 110], lII = [103, 143] 区間 では明るく見える星と暗く見える星とは相補的に振る舞う。

(iii) lI > 110 または lII > 143 

 lI > 110, lII > 143 で暗い OB-星の数は 逆落としに低下する。この区間において高光度星が異常に少ないことは 既に指摘されており、ヒストグラムでの減少は正に予期されていた。

 (iv) lI > 140 または lII > 173 

 lI > 140 または lII > 173 で暗い OB-星の数が 急増し、小さなピークを作るが、その後減少し、 lI > 210 または lII > 243 でゼロ近くにまで落ちる。ここでは 暗い星と明るい星の分布は同じ傾向を示す。


 モデルの検討 

 モデルの予想 

  M0 = -5, σ = 1.3 の光度関数を仮定し、減光付きのモデルの 分布を図4に示す。分布は lI = 30 - 40, lII = 63 - 73 区間 から始まる点はよく再現されている。また、 lI = 30 - 110, lII = 63 - 143 の全体的な傾向もよく再現されている。 しかし lI > 140, lII > 173 ではズレが大きい。

 (a) ズレの1:lI = [140, 160], lII = [173, 193] でのズレ 

 lI = [140, 160], lII = [173, 193] では観測された星の 数がモデルの予測よりずっと多い。図5を見ると分かるが、この区間では OB-星は b = [+2, +6] 域に存在する。密度の最高は、 lI = [155, 160], lII = [188, 193], b = [4, 6] である。 この領域出の OB-星の見かけ等級分布を調べると、以下の通りである。
等級  星の数 
7.0 - 7.5  2
7.5 - 8.0  0
8.0 - 8.5  2
8.5 - 9.0  7
9.0 - 9/5  6
この領域の減光は A'pg = 0.8 mag/kpc と仮定する。この領域には 7 等 より明るい OB 星はない。つまり、この方向には近傍 OB-星が存在しない。一方、 7 等より暗い星の分布が急に上昇したことは、かなりはっきりした縁を持つ星の集団 を意味する。Mv = -5 と仮定し、減光を上のように取ると、r = 2.5 kpc である。 なぜなら、m = -5 + 5 log 250 + 0.8*2.5 = -5 + 12 + 2 = 9 となる。 これらの星は外側腕に属するのであろう。 興味深いのは、
(1) HD カタログによると、これらの星は平均すると晩期 B 型である。
(2) 銀緯 = 5 で高い。
もしこれらが外側腕の延長ならば、 星の集団の中心は lI = 105, lII = 138, b = -3 (ペルセウス二重星団)から lI = 160, lII = 193, b = +5 へと変化し、星種族の 混成状態も変化したことになる。

c stars

 Bok, olmsted, Boutelle は lI = [160, 173] の HD カタログには c star スペクトル型 B9 - A0p が 8 個しかないと報告している。その内の最も遠方の3つは距離 2.6 kpc にあるとされた。これら 3 星は先に述べた星集団に属し、その境界付近にあるのであろう。

 (b) ずれの2:lI > 160

 lI > 160 では予測よりずっと少ない数の早期型星しか観測されない。 この領域の銀河系は星間吸収も弱く、なめらかである。Bok たちの研究によると、 lI = [160, 173], lII = [193, 206] には c star がほとんどない。 lI = 180, lII = 213, には B0 - B2 星が極度に少なかった。しかし、 晩期 B 型星の数は平常通りである。どちらの観測からも lI > 160, lII > 193 では恒星種族混成の変化が推定される。この変化が lI > 160, lII > 193 での OB 星欠乏を招いている。

 lI = [70, 110], lII = [103, 143] に多数の OB 星 

 この領域には多数の OB 星が見つかる。特に lI = [100, 110], lII = [133, 143] には暗い OB 星が多いが、 それらは外側腕に存在するペルセウスアソシエイションに起因する。興味ある疑問は、 l にして 40° 実距離で 2 kpc に及ぶ、明るい星のこの高密度を保持しているのは 外側腕なのだろうか?多くの考察から、lI = [70, 100], lII = [103, 133] の暗い OB 星の大部分は外側腕には属さないとされている。 これらは HI には現れない、より近くの早期 B 型星の集合である。



図6.リズレイ嬢によるケフェウス領域 r = 1 kpc での減光マップ。

 (a) ペルセウス、カシオペア O-アソシエイション 

 図1の星団の分布から、ペルセウス、カシオペア O-アソシエイションに伴う 構造は二重星団の両側数度で消えることがわかる。早期型星に富むという性質が 外側腕で 2 kpc に渡り維持される証拠はない。

 (b) 腕間空間の早期 B 型星 

 NGC 7380 と Cep I O-アソシエイションは局所腕と外側腕の中間に位置する。これは 腕間空間で早期 B 型星のある種の構造が存在することを示唆する。

 (c) カシオペアーケフェウス領域での OB-星 

 図5には、カシオペアーケフェウス領域での OB-星の表面分布が示されている。 その著しい特徴は、 m = [9.1, 11.0] の非常に暗い OB-星が二つの領域、 lI = [70, 75], lII = [103, 108]、b = [-2, 0] と lI = [65, 80], lII = [98, 113]、b = [-4, -2] で 高い密度を示すことである。これに匹敵するのは、ペルセウス二重星団とシグナス 雲の周囲だけである。明るい m = [5.5, 7.5] それに、暗い m = [7.6, 9] OB-星 には対応する集中は見られない。実際、明るいのと暗い OB 星の表面分布は 非常に暗い OB 星と全く異なる。lI が 85 から 105 へ、 lII が 118 から 138 へ変わる間に、暗い OB-星の密度頂点は b = +4 から b = -2 へと変わる。lI = 80, lII = 113 では 暗い OB 星は b = [-4, 0] に集中する。

ケフェウス座の透明領域と不透明領域 

 図6にはリズレイ嬢によるケフェウス領域 r = 1 kpc の減光マップを示す。 図5を図6と較べると、非常に暗い OB 星の集中は正に減光の低いところに 一致することが判る。そしてそこはハッブルが銀河の写真を撮ったところでも ある。McCuskey の LF 4 領域は lI = 70, lII = 103, b = -3 でやはりこの透明領域に当たる。彼は、Apg = 0.7 (r = 1 kpc), Apg = 1.6 (r =4 kpc) を見出した。リズレイ嬢の結果からは、 lI = [65, 80], lII = [98, 113]、b = [-6, +6] で透明領域を除き、 A'pg = 1.3/kpc を得る。

 外側腕と近い構造と 

 透明な領域と, lI = [65, 80], lII = [98, 113]、b = [-4, +6] で 透明な領域を除いた部分での OB 星の見かけ等級分布を表2に示した。 違いは驚くべきである。透明領域では 9.00 - 9.49 等で急増が見られる。 ある特定距離で高光度星のはっきりした構造が現れたことを意味している。 平均絶対等級を -5、見かけ等級 9.1 として、McCuskey 1951 が求めた減光 を適用すると、透明領域では OB 星構造までの距離は 3.9 kpc である。 一方、吸収の強い領域で減光はリズレイ嬢の値を使い、平均見かけ等級を 8.3 等とするとこの領域での OB 星平均距離は 1.7 kpc となる。透明領域で方向 での電波水素の外側腕までの距離は 3.5 kpc である。したがって、

(i) 透明領域で見つかる非常に暗い OB 星は外側腕に属する。

(ii) lI = [65, 80], lII = [98, 113] の多数の暗い OB 星はそれよりは近いところにある高光度星構造に属する。

表2.透明な領域と不透明な領域での見かけ等級の分布



 中間距離構造 

 図5で暗い星の表面分布を調べると、lI = [80, 95], lII = [113, 128] の暗い OB 星の大きな割合が中間距離にあること が分かる。しかし、lI = 95, lII = 128 近くでは中間 距離構造と外側腕を分離するためにはもっと距離分解能のよい方法が必要である。

 暗い OB 星の銀経分布から分かること 

(i) 暗い OB 星には局所腕の構造が見える。視線方向が局所腕に沿う lI = [30, 60], lII = [63, 93] では特に多数の星 が見えるはずである。例えば、lI = 60, lII = 93 の 視線が局所腕を横切る時には局所腕星は殆ど見えない。lI > 160, lII > 193 では、非常に光度の高い星のより低光度星に対する比率が 非常に低い。つまり、OB 星の数が予測より小さいのである。

(ii) lI = [110, 140], lII = [143, 173] では高光度星 の数が見かけ等級で明るい星も暗い星も少ない。

(iii) lI = [95, 110], lII = [128, 143] に暗い OB 星が多いのは外側腕上のペルセウスとカシオペアアソシエイション に属する星々のためである。

(iv)  lI = [70, 95], lII = [103, 128] の多数の暗い OB 星は局所腕と外側腕の中間に高光度星の集合が存在する ためである。これは大体 NGC 7380 内の星ではないかと思われる。






図7.シャプレイとキャノンによる B-型星の分布。

 5.内側銀河系における B-型星の構造 

 lI = [-110, 30], lII = [-77, 63] の B-型星 

(1) 明るい、また暗い B-型星が多数存在する。
(2) 早期 B-型星の存在する銀経区間がかなりはっきり区切られている。
(3) 明るい B-型星と暗い B-型星との銀緯分布は大きく異なる。

これらの特徴は実際の星の集合で起きたもので減光効果ではない。

 明るい B-型星 



 明るい B-型星の銀経分布 

 図3には明るい B-型星の銀経分布が示されている。その特徴は明るい B- 型星の存在が、 lI = [-90, -40], lII = [-57, -7] に集中していることである。 lI = [-40, 30], lII = [-7, +63] には明るい B- 型星はわずか 8 個しかない。 lI = [-90, -40], lII = [-57, -7] の明るい B-型星は比較的高銀緯でグールドベルトの星である。つまり、それらは 近傍のさそり座ーケンタウルス座星流星団のメンバーである。 図7a  には m ≤ 5.25 の明るい B-型星、図7b には m = [7.27, 8.25] の やや暗い B-型星の天球上の分布を示す。明るい B-型星にはグールドベルトが、 特に南天ではくっきりと見える。この面は銀河面に対し約 20° の傾きを 持つ。 Nassau, Morgan はそれを直径 500 pc の局所系("local system") と 呼び、太陽はその銀河回転の先頭側の縁近くに位置するとした。この局所星団 中には著しい密度揺らぎが存在する。その中で最も目立つのはさそり座ーケンタウルス 座星流の星集団である。


図8.南天の明るい B-型星天球上の分布。白丸=さそり座ーケンタウルス座 星流のメンバー。
 局所星団の B-型星分布に及ぼす影響 

 図8には明るい早期 B-型星の天球上分布を示す。図3の銀経分布はこれから作られた。 Blaauw がさそり座ーケンタウルス座星流のメンバーと同定した星は白丸で示した。 Blaauw によると星流は図9に示されるように、かなり稠密な集団で、局所腕とは独立 の構造を成す。これまで、局所星団が明るい B-型星の銀経分布に及ぼす影響は考慮されて いなかった。しかし、その影響が無視できないことは明らかである。






図9.さそり座ーケンタウルス座星流、太陽、局所腕の相互位置。星流位置は Blaauw による。目盛は 100 pc.


 銀河面上の早期 B-型星 

 表3は lI = [-110, 30], lII = [-77, +63] にある 明るい早期 B-型星で さそり座ーケンタウルス座星流に属さない星の等級分布を 示す。これらの星はほぼ銀河面にへばりついている。表3から、

(1)この銀経帯では早期 B-型星の空間密度は一般に低く、太陽からの距離と共に 下がって行き、m = 5 - 6 での 25 個に達する。

(2)ここになると広い B-型星の構造に出会う。




表3.明るい早期 B 型星の等級、スペクトル型分布。




表4.南天早期型星のスペクトル型と光度クラスの例
  B-型星の構造 

 m = 5 - 6 等の早期 B-型星はリック天文台の D.O.Mills が多数観測した。 それらを再調査して、スペクトル型を決め直した結果を表4に示す。 これらの結果から、それらの多くの光度が高く、超巨星であることが判った。 図10にそれらの高光度 B-型星の分布を示す。星団、アソシエイション、放射 星雲の位置も同時に示した。表4にある星の距離は Bok, Wijk が決めた減光と Keenan, Morgan の絶対等級から決めた。図からは m = 5 - 6 等の B-型星から なる、長く伸びた明らかな構造が認められる。そしてそれらは B-型星団、 O-アソシエイションと重なっている。

 明るい B-型星のまとめ 

 以上から得られる結論は以下の通り。

(1)南天に見られる多数の明るい B-型星は二つのグループに分かれる。
   (a) さそり座ーケンタウルス座星流=平らな円盤状の構造。明るい早期 型星、放射星雲、暗黒雲から成る。
   (b) 銀河面上の少数の星が lI = [-100, -40], lII = [-67, -7] ではっきりした集団を成している。それらは表3に示すように異常な等級とスペクトル型 を示す。

(2)上のカテゴリー (b) 星で 5 等より明るい星は非常に数が少なく、また、 それらは太陽と B-型星構造との間の空間に疎らに散らばっている。その 空間密度は太陽から離れるにつれ低下していく。

(3)m = 5 - 6 等の星は数が多い。それらは超巨星である。それらは皆ほぼ 等距離に位置し、長く伸びた B-型星構造を形成している。


図10.銀河面上での様々なタイプの天体の分布。白丸=タイプ IB2 より早期の 星団。二重丸、楕円内の丸二つ= O-アソシエイション。十字= HIIR。黒点= 表4の明るい超巨星。三角=表4の暗い B-型星。四角= ηカリーナ複合体。 目盛は 1 kpc.


 内側銀河系の暗い B-型星  




図11.内側銀河系の暗い(m = 7.0 - 8.99 mag) B-型星の銀経分布。 (Charlier 1926)


 暗い B-型星の存在区間 

 図11には m = 7.0 - 8.99 の暗い B-型星の銀経分布を示した。

(1)内側銀河系には非常に多数の暗い B-型星が存在する。

(2)これらの星の存在区間ははっきりした境界がある。

この境界の重要性に最初に気付いたのは Becker(1951) である。問題はこの境界 が実際に存在するのか、減光による見かけの現象かということである。境界の どちら側にも暗黒雲が存在する。 lI = 250, lII = -77 には Vela 闇黒雲、lI = 350, lII = +23 には Dark Rift がある。

 Vela 境界 

 Vela 境界は Bok, van Wijk 1952 によって調べられた。かれらは B8 - A2 星が この暗黒雲で減少しいていく割合よりずっと急激に早期 B-型星が減少していくこと から、早期 B-型星の境界は実在すると結論した。

 Scutum-Aquila 境界 

 Case LF 1 は lI = 12, lII = +45, b = +2,  Case LF 2 は lI = 33, lII = +66, b = +3, で McCuskey, Seyfert が調べた。彼らが見出した LF 1 の減光は r = 2 kpc で Apg = 1.7 mag、LF 2 では r = 2 kpc で Apg = 1.0 mag である。mpg < 12.5 の全ての星のスペクトルが撮られた。表5に 二つの領域での星計数を載せた。暗くなっていくと B8 - A0 星は順調に増えていくのに、 B0 - B2 ではそのような兆候が全くない。これは、この2領域では早期 B-型星が存在 しないことを物語る。
 Scutum-Aquila 境界が実際に存在することは Nassau-Morgan の OB-星からも ペルセウス O-アソシエイションの境界を決めたのと同じ議論で確認できる。

B-型星構造の位置 

 帆座から盾座にかけて伸びるこの内側銀河系 B-型星構造は前面縁が 1.2 kpc の距離に あり、早期型の数が非常に多い。この内部では非常に早期型の星の密度は高いに 違いない。注意しておくが、内側 B-型星構造近くの高い星密度が盾座境界で終わる 必然性はない。星の種族構成が急激に変化したのかも知れない。



表5.LF 1, LF 2 領域における星計数




表6.B-型星グループの平均距離

最近、M11 を核とする A-アソシエイションである(?)盾座スタークラウド lI = 354, lII = 27, b = -5 が Russell により研究された。雲の方向には早期 B-型星はなく、最も早期で数が多いのは B9 と A0 であった。 M11 は星団型 2B-A で、その中の最も早期型の星は B8 である。ラッセルは全てのスペクトル型、特に B8 - A6 タイプに対し、盾座スタークラウド方向に急激な星空間密度の低下を確認 した。深い極小が r = 200 - 500 pc にあり、1 kpc で太陽近傍と同程度に回復し、 r = 1 - 2 kpc では増加し続け、クラウドの最も高密度部で 3.5 倍に達する。

Oosterhoff の B-型星観測 

 Oosterhoff は内側銀河系の暗い B-型星の等級とカラーを観測した。 334 個の比較的暗い早期 B-型星の光電測光を行った。光度クラスは未定である。 したがって個々の星の測光距離は決められない。表6には代わりに彼の データを使って、銀経区間毎の平均距離を求めた。ただし、平均距離の計算には 彼の表にある個々の星の m - Mo 値を使用した。
( Oosterhoff の表4は Stebbins, Huffer, Whitford の表4にある Mo を拝借と書いてあるが、ADS にはない。)
図10にはその平均距離をプロットした。それらは星団、超巨星の位置と素晴らしい 一致を示している。これは、内側銀河系に B-型星の構造が存在する新たな証拠である。


 5.早期 B-型星の速度分布 

 銀河系微分回転 

 vr = Ro[ω(R) - ω0]sin(l-lo)   (1)
この式を展開して一次の項を取り出すと、
 vr = -2 A ΔR sin (l - lo)         (2)


 速度分散

 仮定: B-型星は分散 σ = 8 km/s とする。


巾 10 km/s のヒストグラムを作るので、

 vr,i = ..., -72.5, -67.5, ..., -2.5, +2.5, ...,


 渦状腕の視線速度分布モデル 

 図12a は早期 B-型星が減光なしの場合、m ≤ 8 mag の分布を描いたものである。 図2にある色々な渦状腕に対応する構造が見える。

 B-型星は図2の腕内に一様に分布し、A = 16 km/s/kpc, Ro = 9.2 kpc で式(2) から与えられる中心速度の周りに σ = 8 km/s の分散を持つと仮定されている。

(i)局所腕は lI = 35, lII = +68 区に現れる。 lI 35,45 (lII 68,78) 区には非常に多くの局所腕の星が見える。 この銀経方向では視線が腕の中を貫いている。上の式で ΔR が変化しないので、 vr は大きくならない。

(ii)外側腕は初め、 lI = 45, lII = 78 区の負速度側に 現れる。銀経が増加すると、速度はさらに負の側に移り、星分布の主要成分と なる。lI = 75, 85,..., lII = 108, 118, ... 区で は、視線が局所腕を通して外側腕を見るのだが、局所腕が近く、また密度が薄い ため星としては殆ど寄与しない。

(iii) lI = 145, lII = 178 区は反中心方向で、視線 速度はゼロとなる。

(iv)lI > 145, lII > 178 区では3つの速度 成分が見える。それが最もよく見えるのは、lI = 195, lII = 228 区で、外側腕、中間腕(middle arm)、局所腕が区別される。

図12.(a). 水素ガスモデルから予想される視線速度分布。減光はなし。 (b). 観測された視線速度。 (c).銀河円盤上一様に分布した星の視線速度。減光あり。


(v)lI > 210, lII > 243 = -117 区では 中性水素ガスのモデルがないため、速度分散モデルも作れない。

(vi) lI = [255, 355], lII = [288, 383] = [-72, 23] 区は内側銀河の速度分布が現れる。計算に局所腕の寄与は考慮していない。


一様分布円盤の速度分布モデル 

 図12c には比較を目的に早期 B-型星が円盤上一様に分布し、減光も一様で 1 mag/kpc であった場合の速度分布を示す。図12a と同じく、mpg < 8 の星は全て観測されると仮定する。

 観測された速度分布 

 図12b に非常に早期の B-型星の視線速度分布を示す。速度データは、 Moore, Popper , Neubauer, Pearce から得た。


 モデルと観測の比較 

 図12b と c の差は大きいので議論しても仕方がない。a と b の比較で目 につくのは、

(1)図12a を描く際の仮定 

 腕の速度構造をはっきり出すため、図12a では減光を無視した。減光の効果は、
 (i) 腕の中を視線が貫く方向では、減光の効果として "diminish the height of the distribution" (?)
 (ii) lI = [55, 85], lII = [88, 118] 区での 外側腕を大幅に弱くする。
 (iii) lI = [165, 205], lII = [198, 238] 区での 正の速度テイルを短くする。
 さらに、図12a を作る際には、腕に沿って密度分布を一様にした。しかし、 実際には腕内の密度分布は変動が大きい。
 図12b では、銀経区の間で観測の完全性が大幅に違う。南天のある区では 観測が完全なのは 5.6 等までであるが、北天のある区では 10 等まで完全である。

 A.外側銀河系 lI = [30, 250], lII = [63, 288] 区 

 観測速度分布には二つの特徴が現れている。
a: lI = 45, lII = 78 と lI = 175, lII = 208 に多数の星が集積して見える。
b: lI = [120, 150], lII = [153, 183] での早期 B-型星の欠乏。
中でも目立つのは lI = 105, lII = 138 の明るい ペルセウスアソシエイションである。渦状構造の証拠は、

(i) 局所腕は v,sub>r = 0 付近の集積として現れている。それは lI = [75, 175], lII = [108, 208] 区間で特にはっきり 見える。これは観測が多いためでもある。lI > 175, lII > 208 区間には早期 B-型星がほとんど見えない。これは 恒星種族の混成が変化したためであろう。同じことを Bok, Wright嬢も指摘して いた。

(ii) lI = [45, 105], lII = [78, 138] 区間には多数の 負速度星が分布する。分布の様子は水素電波線観測からの外側腕と一致する。 観測とモデルとの間の差異は次の二つである。

  (a)観測された星の速度はモデルよりも大きな不速度を有している。この 矛盾は計算に用いたオールト定数 A = 16 km/s/kpc が小さすぎたためである。 オールトは A = 20 km/s/kpc を推奨しており、この値を用いると、差は消滅する。

  (b)A = 20 km/s/kpc を使用した場合には局所腕と外側腕の速度間隔はより 広がるはずである。局所腕 lI = [65, 85], lII = [98, 118] 区間 でのモデル視線速度は観測のようには負速度方向に伸びたテールは持たない。また、 中間速度での密度極大も示さない。
その極端な例が lI = 85, lII = 118 で見られ、そこでは vr = [-50, +10] km/s で連続、極大 -35 km/s の速度分布が見られる。 このように広がった速度分布 は水素モデルからは予測できない。可能性としては、(1) 分布の揺らぎ、(2) 速度分散 8 km/s が小さすぎた、(3) 外側腕と局所腕の中間領域に早期 B-型星 が存在する。他区間の観測からは (2) はあり得なそうで、(3) が有望である。 このような早期 B-型星の集団は、暗い OB-星の集団、ケフェウスの星が少ない 区間と lI = [65, 85], lII = [98, 118] 区間 との間での見かけ等級の差からも推定される。(表2を見よ)

  lI = 45, lII = 78 の 3つの星 

 lI = 45, lII = 78 の3つの星が速度距離からは多分 外側腕に属しているということは、次の観測事実からも支持される。Baade 1934 は4つの暗いセファイド GL, QY, V343, V336 Cyg を発見した。Oort, Oosterhoff 1942 はそれらがシグナス領域で最も遠い天体であると述べた。そして、 Bok, Olmstead 1949 はそれらが、不透明な雲の中に空いた穴を通して見えていて、写真測光帯での減光は 夫々 2.0, 1.9, 2.5, 2.0 であることを見出した。一方、距離は 6.0, 8.3, 7.6, 15.8 kpc である。 lI = 45, lII = 78 で外側腕までの距離は 6 kpc である。 したがって、 GL Cyg は腕に属している。Joy によると、太陽運動を補正した GL Cyg の視線速度は -41 km/s, 図12a にある三つの星の平均速度は -43 km/s で 一致はよい。
( Simbad によると、QY, V343, V336 Cyg はタイプII セファイドである。したがって、これらの距離はずっと近い。)


 B.内側銀河系 lI = [250, 30], lII = [283, 63] 区  

 この区間では速度構造は殆ど観測されない。lI = [335, 345], lII = [8, 18] でかなり多数の観測速度が観察されるのみである。 観測例は少ないが、一つの事実だけは確かである。それは、

 ぼんやりだが、観測と予測が似ている

ことである。lI = [255, 325], lII = [-72, -2] 区間、では観測値は正よりは負であるが、これは予測通りである。そして、 lI > 325, lII > -2 では正となる。 注目したいのは、内側 B-型星の速度分散が外側腕と局所腕で観測された B-型星の速度分散よりもはるかに大きいことである。 同じ種類の星が銀河系の区域によってこのような違いを示す例は他にない。 表4にある m = 5 - 6 mag の明るい星で、かつ内側 B-型星構造に 属しているものの速度分散は 36 km/s であった。これは、外側腕、 局所腕でのそれと比べると約5倍である。

 内側 B-型星のこのように大きい速度分散のために、内部銀河系では 速度から空間配置情報を取り出すことは無理である。しかし、内側銀河 と外側銀河の速度則に大きな違いが生じていることは、それ自体で非常に 重要である。


 7.第2近似モデル 

 B-型星の分布の図示 

 銀経分布と視線速度分布に基づいて、B-型星の分布を図13に示す。 Oort, van de Hulst, Muller の観測による中性水素の中心は図1に黒点で示した。 早期 B-型星の構造は斜線で示された。情報が不十分で空間密度が得られない 場合、外郭だけ示した。図の運動距離を決めるのに決めた定数は、 A = 20 km/s/kpc, Ro = 9.4 kpc である。

 1.内側 B-型星構造 

 内側 B-型星構造に対しては前面のみを示した。厚みが不確かだからである。 多数の暗い早期 B-型星の存在は、これが外側腕よりも厚いことを示唆する。

 2.中間腕 

 lI > 160, lII > 193, における B-型星の数 は少なく、構造は複雑である。このため、中間腕と局所腕に関して確かなこと は述べられない。そこで、 Oort, van de Hulst, Muller の構造を示すこと にした。

 3.早期 B-型星が少ない区間 

 lI = [110, 145], lII = [143, 178], に 早期 B-型星が少ないことは、渦状腕の中断から示唆される。

 4.B-型星にあり、水素ガスにない構造 

 lI = [70, 100], lII = [103, 133], の外側腕と 局所腕に見られる早期 B-型星構造はすき間の大きな斜線で示した。これは 中性水素ガスには現れない構造である。

 5.さそり座ーケンタウルス座星流 

 さそり座ーケンタウルス座星流は小点で示した。

図13.早期 B-型星の第2近似分布モデル。黒点=中性水素。 斜線= B-型星集団。もし B-型星集中の信頼できる空間密度が得られず、 しかし集団があることは分かる場合、集合の外郭だけ示した。小さな点 =さそり座ーケンタウルス座星流。白丸=太陽。 内側 B-型星構造はその厚みが不明なため、前面だけを示した。距離 目盛は kpc.



まとめ 

 早期 B-型星の分布は Morgan, Osterbrock, Sharpless が HIIR で、 その後 Oort, van de Hulst, Muller により 21 cm H I ラインで 示された渦状構造を確認した。 明るい早期型星の空間密度が渦状腕に 沿って大きく変動することはその著しい特徴である。もう一つ注意すべきは 中性水素には示されない領域に明るい星の集合が存在することである。