アブストラクトスペクトル型 O - M, 光度クラス I - V 115 星の K-バンド (2 - 4 μm) スペクトル を示す。N-型、J-型炭素星のスペクトルも一つづつ示す。スペクトル分解能は 3000 である。 吸収線なしの星のスペクトルで割り算して、大気吸収線は除去してある。主な吸収線の同定も 付けた。1.イントロ広範囲スペクトルアトラスこれまで、Johnson, Mendez 1970 が 32 の A - M 型星を R = 550 で, Kleinmann,Hall 1986 は 標準星の K-バンドアトラスを F8 - M7、I-V で示した。 その後、赤外アレイと 共に、個別テーマのアトラスが出てきた。Hanson,Conti 1994, Conti et al 1995, 高温度星アトラス Hanson, Conti, Rieke 1996, Morris et al 1996 は O, B-型星の K-バンドスペクトルを、 Hanson et al 1996 は高温度星の K-バンドスペクトルによる分類を試みた。この分類法は 赤化の強い星形成域で有用である。Figer,McLean,Morris 1995 と Tamblyn et al 1996 は K-バンドスペクトルを銀河中心領域における高温度星の分類に用いた。 M 型矮星、YSOスペクトル Ali et al 1995 は R=1380 K-バンドスペクトルを用いて、 33 F3 - M6 矮星を分類した。彼らは 等値巾を測り、それらをモデルと比べて温度較正を ±350 k の精度で行った。 |
褐色矮星
探査を目的に Jones,Longmore,Jameson 1994, Davidge,Boeshaar 1993, Steele et al 1995 は
M-型矮星のスペクトルを撮った。Terndrup, Frogel, Whitford 1991 は銀河中心近くの M-巨星
の R=1000 0.45 - 2.45 μm SED を測定した。Greene,Meyer 1995 は ρ Oph YSO の
K-バンド R=500 スペクトルをとり、それが可視光分類との同定に使えることを示した。
炭素星、post-AGB 星 Tanaka et al 1990 は 1.5 - 2.5 μm R=2000 の低温度炭素星 33 個のスペクトルを 示した。彼らはスペクトル指数が炭素星の分類に使えると述べた。Lazaro et al 1994 は 15 N-型星の R500 J,H,K,L バンドスペクトルを示し、それらが分類に有利な点を挙げている。 Oudmaijet et al 1995 による post-AGB 星の K-バンドスペクトルは CO 1st オーバートン が輝線帯となることである。これは post-AGB マスロスによるとされた。 A-, B-型超巨星 Mcgregor,Hyland,Hillier 1988 は A-, B-型超巨星の 1-2.5 μm R500 スペクトルを撮り、 CO, Brγ, HeI, MgII, Na I 輝線を見出した。 広範囲スペクトルアトラス KH86 以降の広範囲スペクトルアトラスとしては、 Lancom,Rocca-Volmerange 1992 が スペクトル型 O - M, 光度クラス 矮星ー巨星の 1.4 - 2.5 μm R390 アトラスを示した。 しかし、分解能と S/N は KH86 より低い。 Meyer 1996 の仕事の拡張 Meyer 1996 は J, H バンドで O-M 型星、V-I のスペクトルアトラスを作成した。 彼らはもし K-バンドアトラスが同じ広がりで得られたら大変有用であろうと述べた。彼らが 使用した KPNO 4m FTS は閉鎖されるのでその前に K-スペクトルを撮る必要があった。 80 天体のスペクトルが撮られ、他の研究者による 39 スペクトルと合わされた。 |
図8.χ Cyg の変光位相による CO 2-0 バンドヘッド強度(上)
と連続光勾配(下)の変化。
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図9.超巨星、巨星、矮星の Brγ 等値巾の有効温度との関係。
K-バンドスペクトル
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