Near-Infrared Spectral Classification of Symbiotic Stars


Schulte-Ladbeck
1988 AA 189, 97 - 108




 アブストラクト

 シンビオティック星16個と G, K, M-型星29個の写真赤外スペクトルを 提示する。スペクトル図を用いて、シンビオティック星の冷たい伴星を分類 した。 CN (7916+7941) バンドの等値巾は標準的な M0 - M3 巨星における 光度クラスの指標になることを示す。  観測したシンビオティック星中6個がこの範囲の温度に入る。それらの星に ここに述べた CN 基準を適用した。その結果晩期型伴星のうち4つが正常な 巨星であることが判った。しかし残り二つの伴星の性質は不確定である。 この結果を現在のシンビオティック星モデルと対照して議論した。


 2.方法 

 Keenan, Hynek 1945 の方法 

 I-N または IV-N 乾板上の 48 A/mm スペクトルを用いて、写真赤外 スペクトルの分類を研究した。彼らは TiO バンドの強度が温度低下と共に 増加し、青波長の結果と合致することを見出した。光度クラスは原子線の 相対比に基づいて決められた。

 Sharples 1956 の方法 

 Sharples 1956 は 8 A 分解能のスペクトルから、温度系列は TiO, VO バン ド を用いた。 CaII 三重線は M4 から M8 へ進むにつれ弱くなっていった。 彼は CN 7916, 7941, 7878, 7895, 8044, 8068 A が最も良い光度基準になる ことを発見した。しかし、 M4 より晩期になると CN ははっきりしなくなる。
Barbieri 1981 の方法 

  Barbieri et al. 1981 はレチコンスペクトルを用い、TiO バンド 7054, 7667 A が温度指標であること を見出した。彼らは CaII 三重線を光度指標に用いた。

Kenyon, Gallagher 1983 

 Kenyon, Gallagher 1983 は 2 - 4 μm スペクトルを調べ、CO の 2.3 μm 強度が M-型星の光度クラスを決めるのに良い指標を与えることを確認した。





表1.スペクトル標準星リスト

 3.観測と整約 

 4.結果 

 標準星の選択 

 標準星は Keenan 1942 と Morgan, Keenan 1973 のリストから選んだ。表1 を見ると選択性のスペクトル型と光度クラスの範囲が分かる。

 図1の並べ方 

 図1には特徴をよく示すように選んだ二つの波長域でのスペクトルを示す。 各光度クラス内では、温度が下がって行く順に並べてある。

 CN バンドが光度指標 

 M-型標準星を見ると、 CN バンド &lamda; 7916, 7941 が光度の良い 指標になっていることが判る。図3には (7916+7941) の等値巾 EW を温度 クラスに対してプロットした。

 TiO 8194

 TiO 8194 の存在は M5 より晩期型の証拠である。



表2.シンビオティック星のスペクトル分類結果










図1.スペクトル標準星のレチコンスペクトルのアトラス。各星に対し、 主なスペクトル特徴の波長を中心にした二つの波長域を示す。各光度 クラス毎に温度に沿ってスペクトルを並べた。

  

 図3:
CN バンド (7916+7941) の等値巾と温度の関係。 この CN バンドは M0 - M3 で、光度のよい指標である。M4 とそれより晩期 では、バンド強度が光度クラス I, III, V で同じくらいになる。


 シンビオティック星のスペクトル 




図2.シンビオティック星のスペクトル



表2.




表3.




表4.