A Catalog of Young Stellar Groups and Clusters within 1 kpc of the Sun


Porras, Christopher, Allen, Francesco, Megeath, Myers
2003 ApJ 126, 1916 - 1924




 アブストラクト

 1 kpc 以内にある若い(≤ a few Myr)恒星群、星団の近赤外サーベイのカタログを 提示する。69 論文から 143 サーベイを見つけ出した。それらは 73 領域をカバーして いる。各領域内の星数は中間値で 28, 平均値で 100 である。 星群内のメンバー数に基づく大雑把な分類から、星の 80 % は メンバー数 100 以上の星団に属している。 カタログされた領域の銀河面上での分布から、 270° > l > 60° で星群が欠けている。これは太陽が局所腕と サジタリウス腕の間に位置することからきている。

 1.イントロ 

 星は群れて生まれると言う考えは一般化しつつある。しかし、星形成域で 観測される星集団は密度一つを取っても様々である。より詳しい比較研究の ために 1 kpc 以内の埋もれた星団のサンプルを集めた。このカタログは最 近の(1)15 kpc までをカバーする近赤外星団(Bica, Dutra, Barby 2003) (2)2 kpc 以内 35 星以上の星団 (Lada,Lada 2003) を補足する。



 2.複数星形成が進行している領域  

 2.1.カタログの目論見  

 
 使用サーベイの資格は、
(1)J, H, K(2.2μm), またはK'(2.1μm)、Ks(2.2μm)を含む。
(2)星形成領域を中心にしている。
(3)最低 5 個の星を含む。
(4)近赤外源を目的に計画された
(5)最近 10 年以内に実施された。
(6)出版済み。
これらから 143 カタログが選ばれた。

 2.2.カタログの建設  

 星形成領域名を ADS に入れて赤外観測のデータを調べた。さらに SIMBAD により 領域座標付近の登録天体を調べた。最後にこの予備的カタログを 41 名の専門家 に送り、付加データの提供を求めた。さらに最近 2MASS カタログから新しいデータ が加えられた。

 2.3.カタログの記述  

 表1 
 表1は星形成域の近赤外サーベイのリストである。サーベイ間には 重複があるので、表2には星団のリストを載せた。 表1の第1列と第2列はサーベイ、星団同定番号を載せた。これは表2 にも含まれ、対応を楽にしている。表1の第3、4列はサーベイの中心位置、 第5,6列は arcmin で示したサーベイの大きさ、第7列には領域名、 8−10列目はJ,H,Kバンドでの完全度限界、最後の第11列はレファレンス を載せる。

 表2 
 表2には第1,2列は表1と同じ。第3列は星団または領域名、第4,5列は サーベイの中心赤経赤緯、第6列は距離、第7列はメンバー数、最後の3列は 位置、距離、星数を採用した論文を載せた。



 3.議論 

 3.1.分類 

 サーベイにある星の数をそのまま採用した。30個より多かった ら星団、少ない時はグループと呼ぶ事にする。100個より多い のは大きな星団と呼ぶ。31−100個は小さい星団である。

 3.2.統計 

 表2の領域に属する星数は 7202 個である。内 80 % は 17 個の 大きな星団に属する。また、半数は 345 以上のメンバーを持つ5個の 星団に属する。これは Lada et al 1991 などが述べている星の大多数は

 3.3.空間分布 

 図2には銀河面に投影された位置分布が示されている。小丸=5−30星。 中丸=31−100星。大丸=100以上である。
 270° < l < 60° に星団が欠けているのが目立つ。これは 局所腕とサジタリウス腕の腕間領域に太陽が位置する結果である。 Dame et al. 1987 によるとサジタリウス腕は第4象限 1700 pc を走っている。

図1.(上)分類された領域の数。(下)カテゴリーに属する星の数



図2.若い星団の銀河面上の分布。円の大きさは星数を表わす。主な 分子雲もラベルを付けた。



表1.1 kpc 内の若い星団、グループに対する近赤外サーベイ







表2.1 kpc 内の若い星団、グループ