First Estimates of the Fundamental Parameters of Three LMC Clusters


Piatti, Claria, Parisi, Ahumada
2011 PASP 123, 519 - 530




 アブストラクト 

 LMC 星団の形成史と化学進化を観測するプログラムの一環として、 CTIO 0.9 m + CCD により、LMC 周辺部に位置する未研究の3星団 NGC 2161, SL 874, KMHK 1719 のワシントンシステム C, T1 測光を行った。 13.6' x 13.6' 画像中に 9611 星が測光された。パドヴァ等時線をフィットし、 δT1 と巨星枝位置から年齢とメタル量を導いた。  他の方法で決めた年齢、メタル量も良い一致を示した。3星団の年齢は 1 Gyr で [Fe/H] = -0.7 dex であった。文献にあるデータと今回の3星団の結果を 合わせると 1 Gyr より高齢の星団数は 45 個となった。それらから星団年齢 分布ヒストグラムを作った。 t = 2 と 14 Gyr の星形成期が見つかった。 この星団年齢分布を過去の研究から解析的に求まった星形成率と比較した。

 2.観測とデータ整約 






表1.観測ログ




表2.L 110 フィールドの CCD C, T1 データ。




表3.L 112 フィールドの CCD C, T1 データ。




表4.NGC 2161 フィールドの CCD C, T1 データ。




表5.SL 874 フィールドの CCD C, T1 データ。




表6.KMHK 1719 フィールドの CCD C, T1 データ。


図1.SL 784 フィールドの上=等級、下=カラーのエラー。  

図2.今回の測光と Piatti et al 2007 測光との比較。上= L 110, 下= L 112.


 4.色等級図の解析 


図3.SL 874 フィールドの星全ての (C, C-T1) CMD.

図4.(a): NGC 2161 領域ファインディングチャート。上が北。点の大きさは T1 光度 に比例する。(b): 星団領域の CMD. (c): 星団周辺の等面積 CMD. (d): 統計的にフィールド星除去後の星団 CMD.  



図5.(a): SL 874 領域ファインディングチャート。上が北。点の大きさは T1 光度 に比例する。(b): 星団領域の CMD. (c): 星団周辺の等面積 CMD. (d): 統計的にフィールド星除去後の星団 CMD.

図6.(a): KMHM 1719 領域ファインディングチャート。上が北。点の大きさは T1 光度 に比例する。(b): 星団領域の CMD. (c): 星団周辺の等面積 CMD. (d): 統計的にフィールド星除去後の星団 CMD.  



図7.3星団の星密度輪郭.水平線=バックグランドレベル。

表7.星団サイズ  





表8.LMC 3星団の基本パラメタ―

 5.解析と議論 


図8.フィールド星除去後の星団 (T1, C-T1) CMDs.等時線= Girardi et al 2002. オーバーシュート入り。実線=フィット年齢。破線=エラーの範囲。 左上:NGC 2161. log t = 8.90, 9.10, 9.20. Z = 0.008. 右上: SL 874. log t = 9.00, 9.10, 9.20. Z = 0.008. 下: KMHK 1719. log t = 9.00, 9.10, 9.20. Z = 0.008.  

図9.星団の上部 RGB 星の [MT1, (C-T1)o] 図。 実線= Geisler, Sarajedini (1999) のモデル等時線。  



図10.1 Gyr 以上の年齢の LMC 星団の年齢分布。  

図11.上:LMC 星団年齢分布と de Grijs, Anders 2006 モデルとの比較。 下:Harris, Zaritsky 2009 図11との比較。