A Population of Accreted SMC Stars in the LMC


Olsen, Zaritsky, Blum, Boyer, Gordon
2011 ApJ 737, 29 - 37




 アブストラクト 

 LMC の大質量赤色巨星,酸素過多と炭素過多 AGB 星、その他の巨星 約 5900 個の視線速度の解析を行った。LMC 平均速度を補正し、 AGB 星の非対称ドリ フトを考慮して、我々は使用した追跡子星全てと HI データと整合する回転曲 線を導いた。それは、 Ro = 2.4±0.1 kpc より先では回転速度 v0 = 87±5 km/s で、運動学的なノード線の位置角 = 142°±5° である。フィットから外れた星を調べた結果、376 星 (> 5 %) の視線速度は LMC 円盤と逆回転を示す。  これら運動が特異な星は、LMC 円盤と近い面内を逆方向に回転しているか、 LMC 円盤と回転の向きは同じだがその回転面の角度が LMC 円盤と 54° ±2° を成すかのどちらかである。それらの運動は明らかに2本の 既知 HI 腕と結びついている。それらは以前に LMC 円盤から引き上げられた と解釈された。LMC フィールド星 1000 個の CAT ラインからメタル量を測った。 内 30 個は視線速度が特異な星である。普通の LMC フィールド星のメタル量は メディアン [Fe/H] = -0.56±0.02、散布度 0.5 dex である。特異速度 星ではメディアン [Fe/H] = -1.25±0.13、散布度 0.7 dex である。 このメタル量の違いは特異速度星が SMC から来たことを示唆する。この解釈 に伴うモデルはそれらの星に随伴する HI 腕もまた SMC から LMC へと降着 してきたというものである。


 1.イントロダクション 

 2.観測 

 観測装置 

 観測主要部は 2007 年 11 月 20 - 26 日に CTIO 4m ブランコ望遠鏡 HIDRA -CTIO マルチファイバー分光器で行われた。HIDRA は 400 mm シュミットカメラ と SITe 2Kx4K CCD を装着し、 KPGLF 回折格子 と OG515 オーダーブロック フィルターで R = 7000, λ 6850 -9140 A, Δv = 2 - 3 km/s 分解能のスペクトルを得た。

 観測星の選択 

 観測星は SAGE サーベイと マゼラン雲測光サーベイ (Zaritsky et al 2004), 2MASS を組み合わせて選んだ。そこから、Blum et al 2006 の SAGE 天体分類 規準を使用し、上述データベースを以前に確定した赤色超巨星 (Massey, Olsen 2003),炭素星 (Hardy et al 2001) の位置と合わせて、赤色超巨星、約 5 Mo の巨星、酸素過多 AGB 星、炭素星、極端 AGB 星を同定した。これ等の星を 選んだ理由は、(1)それらの年齢が広い範囲に亘っていることと、(2)豊富 な吸収線が速度測定を正確にする、からである。さらに、 LMC 明るい主系列星 558 個を加えた。しかし、それらの大部分が銀河系の星であることが判明した。

 HYDRA 

 HYDRA 観測では1回に 95 天体 + 30 スカイをファイバーでセットし、観測を 62 回行った。図1に (J-3.6, 3.6) CMDを示す。全部で 4734 星のスペクトル を得た。そこには 558 前景主系列星は含まない。4567/4734 = 96 % の速度は LMC と合致した。

図1.黒点=SAGE が観測した LMC 天体。色丸=スペクトルを観測した星。 黄色=赤色超巨星。シアン=巨星。緑=酸素過多 AGB 星。赤=炭素星。 黒=極端 AGB 星。色分け基準は Blum et al. 2006 による。四角枠= 我々がその中から分類星の代表を任意に選んだ領域。  



図2.(a)行: LMC炭素星。(b)行: 酸素過多 AGB 星。(c)行: 赤色 超巨星。(d)行: 5 Mo 巨星。左列:黒線=LMC 星のスペクトル、灰色は大気吸収。 赤=クロスコリレイション用の速度基準星スペクトル。基準星名を横に示す。 中列:Ca II 8662 を中心にした拡大スペクトル。右列:相対速度に対する コリレイション関数。上図は全領域に対する関数。下図は拡大図。

 3.データ整約と解析 

 視線速度決定エラー 

 視線速度決定には参照星スペクトルとのクロスコリレーション Tonry, Davis 1979 を取って行った。FXCOR/IRAF により与えられる r 値から導かれるエラー を測定エラーとした。 r > 5 すなわち, エラー< 5 k,/s を採用した。 エラー平均は 2.2 km/s である。

 スペクトル型のズレ 

 対象星に M-型スペクトルを持つ星が多いが、 それらに使用した参照星は中間 K-型星なので、系統誤差の心配がある。 スペクトルの見かけは特に TiO に関して大きく異なるが、それでも共通する 吸収線は多い。特に CAT ラインは重要である。炭素星、酸素過多 AGB 星、 赤色巨星、 5 Mo 巨星に対するフィットの様子を図2に示す。図の炭素星は R-型らしいが、参照星 BN Mon は N-型である。 7100, 8400 A の TiO バンド から酸素過多 AGB 星は中期 M-型であるが、参照星は K4III である。
赤色 超巨星の TiO 強度からこれは 晩期 K 型超巨星と考えられ、参照星は K5III である。最後に 5 Mo 巨星は中期 K 型で、参照星も同じであった。 図に見えるように相関強度は鋭いピークを示す。その上、求まった速度差分 シフトした Ca II 8662 ラインは参照星とぴったり重なった。したがって、 参照星とのスペクトル差は著しい誤差を生み出さないと考える。

 過去の研究との比較 

 最後のチェックとして、過去の研究と重複する星の速度を較べた。 Massey, Olsen 2003 と重なる 19 赤色超巨星に対しては vhel - vhel,MO = 3.9±1.2 km/s であった。 Prevot et al 1985 の CORAVEL 観測との差は vhel - vhel,Prevot = 0.6±0.5 km/s であった。 Hardy et al 2001 との 91 星では vhel - vhel,Hardy = -2.4±0.4 km/s であった。 このように平均速度の差が小さいことから我々の測定に系統誤差は小さいと 考えた。



図3.赤色巨星にフィットした LMC 回転曲線。左:丸=赤色超巨星の視線速度、 と灰色= Kim et al 1998 の HI ガス視線速度を面内回転速度に脱投影した。 緑線=我々の決めた赤色超巨星回転曲線。色分け多角形=Staveley-Smith et al 2003 による異なる運動特性を持つ成分で、赤=平坦回転、紫=腕S、黄=腕E、 緑=そのE2伸長、青=腕B.右:天空上の HI と赤色超巨星。色分けは 左に倣う。

 LMC 空間速度の分離 

 運動の解析に、Hydra/CTIO 観測の 赤色超巨星、巨星、AGB 星 4567 個、 Kunkel et al 1997, Hardy et al 2001 観測の 857 炭素星、Massey, Olsen 2003 と Prevot et al 2003 の 481 赤色超巨星を足して合計 5900 個の 視線速度データを用いた。解析方法は van der Marel et al 2002 に従った。 LMC 星の視線速度には LMC 全体の空間速度と内部運動が合わさっている。 我々は LMC の力学中心を LMC 円盤の遠方までの構造から決めた (van der Marel, Cioni 2001) 幾何学中心と同じに見なし、(α, δ) = (5h27m36s, -69°52'12") とする。円盤の傾斜角も van der Marel,Cioni 2001 を採用して i = 34.7° とする。LMC 回転曲線を中心からの距離 R に 比例し、 R = Ro で v(Ro) = v0 となり、その先は v(R) = v0 = 一定と仮定する。これは Piatek et al 2008 と同じ仮定 である。
運動に対して以下の仮定を置く。
(i) 星は円盤上を円運動する。
(ii) 回転曲線は赤色超巨星から決める。

 エラー計算 

 エラーは 10,000 回のモンテカルロ計算から求めた。モンテカルロ サンプルはデータ星から重複を許して引き出し、それに対してパラメタ―を 決め直し、その分散を求めた。
 回転曲線 

 図3左には 738 赤色超巨星視線速度から求めた回転曲線を示す。結果は、 vsys = 263±2 km/s, di/dt = -184°±81° /Gyr, θ = 142°±5°, v0 = 87±5 km/s, Ro = 2.4±0.1 kpc である。Olsen, Massey 2007 に従い、 この図を作る前に、 vsys と di/dt の寄与分を引いた。次に、 その残差は面内の円運動によると仮定した。比較のため、 Kim et al. (1998) Staveley-Smith et al. (2003) の HI 速度に赤色超巨星と同じ処理を施して示した。面傾斜のノード付近の 星に対しては、脱投影効果の補正が非常に大きな値になる。図の見え方が 悪くなるので、左図からは脱投影補正ファクターが 5 以上の星を除いた。 図3右ではそのような星を含む部分の H I ガスを灰色で示した。

 平坦回転曲線から腕がずれる 

 Olsen, Massey 2007 と同様に、図3では H I ガスの多くが平坦回転曲線 を定義している。ただし、Olsen, Massey 2007 と対照的に、それよりずっと 大きなサンプル星からは、 H I からの幾つかの顕著なズレを示す赤色超巨星 が殆どなく H I とほぼ一致する回転曲線が与えられた。また、 H I 腕 S, E, B, E2 に相当する速度特性とそれらの空間位置を得て、図3右に示し た。Olsen, Massey 2007 の結論を確認して、赤色超巨星は H I 腕に随伴して いないことが判った。





図4.今回の研究で使った星全ての運動。左:白線=赤色超巨星回転曲線。

 全サンプルの回転速度分布 

 図4左では我々の全サンプルに対して、脱投影した回転速度を示した。 それらは主に炭素星と酸素 AGB 星から成る。この回転速度を赤色超巨星だけ から決めた運動モデルと較べた。回転速度分布の上縁は平坦回転曲線に一致 するが、多くの星はそれより小さな回転速度を示す。中には逆向きの星もある。

 非対称ドリフト 

 図4右には赤色超巨星へのフィットからのズレを全サンプルに対してプロット した。ズレ分布のピークは vlos,full - vlos,RSG = -4.2 km/s であった。散布度は 26 km/s である。このズレは非対称ドリフト として説明できる。観測されたこの大きさは van der Marel et al 2002 によ るモデルで速度分散から期待される大きさと合致する。Olsen,Massey 2007 では H I, RSG, C 星からの回転曲線に矛盾があると考えたが、今回のずっと大きな サンプルでは非対称ドリフトで統一的に解釈できることが判った。

 アウトライヤー 

 Δvlos > 50 km/s をアウトライヤーとして 選び、図4左に赤点としてプロットした。同様に Δvlos < -50 km/s を青点で示した。驚くことに、これ等の星は E, E2, B 腕の位置に 存在する。Olsen, Massey 2007 ではこの速度領域にある炭素星を H I ガス と共に LMC から潮汐力で引き剥がされている星であるとした。実際その多くが H I ガスと同じ位置にある。

 図5=大きなズレ速度の星 

 図5には |Δvlos| > 50 km/s の位置を大きい点で示 した。点の色は LMC 全体速度と di/dt 効果を引いた後の視線速度を示す。 全体としての回転運動が明らかに見える。Calswell, Coulson 1986 が述べた ように北東側が我々に近い。従って、画面上で回転は時計回りである。 ズレの大きな星は、青い星が赤領域、赤い星が青領域に多く分布している。 これは星が円盤内にあるなら反時計回りに、そうでなく例えば南西側が我々に 近い面内で運動しているなら時計回りとなる。どちらの場合でも、 我々はこれらが LMC から潮汐力によって剥されたという解釈 (Olsen, Massey 2007) を維持するのは難しいと考える。 
(円盤と傾いた面内を時計回りなら引き剥がしモデル で良くはないか? )

図5.灰色= H I ガス。点の色= LMC 全体速度を引いた残差視線速度。円盤 回転は左下の青から右上の赤へと変わる色合いで示されている。大きな点は 逆回転を示す。

これら約 5 % の星は Graff et al 2000 が運動学的に異なるとした 7 % の星たちと同類かも知れない。 ただし、我々の星は Graff et al 2000 と違い視線速度ヒストグラム上で 目立った構造は示さない。



図6.左:SAGE CMD. 青丸=可視スペクトルありの LMC 星。緑丸=速度残差 が 50 km/s を越える星。これらのほぼ全ては AGB 星で LMC の通常の AGB 星 と目立つ差はない。ただし、これらの中には最も明るい炭素星、酸素星が 含まれない。右:黒点= SAGE 点源の分布。赤点=左図の多角枠内の AGB 星。 バーに集中している。青点=我々がスペクトルを観測した星。緑点=運動が おかしい星。我々がスペクトルを得た星は空間的に一様でないが、運動が変な 星は明らかにバーを避けている。普通の AGB 星がバーに多いことと逆である。

 反時計回り解 

 変な運動の星の幾何学配置を調べるため、我々はそれらの星が LMC ポテン シャル中を円運動していると仮定する。そして回転曲線は赤色巨星から得たのと 共通の vsys, v0, R0 を持つとと考える。 それらを固定して これら kinematically distinct populatio = KDP グループ に対し、二つの解が存在する。一つは反時計回り解で、
     (di/dt)KDP = 290°±50°/Gyr ,
     θKDP = 177°±7°,
     iKDP = 20°±3°
である。これは、KDP 星が円盤と 35° 捩じれ、視線方向に対し 15° 浅い傾斜角の面を意味する。粗い見方ではほぼ同じ面と言える。この解は Subramaniam, Prabhu 2005 が LMC コアに対して得た、同じ傾斜角を持ち ノード線方向が 40° 異なる二つの円盤というモデルに近い。

 時計回り解 

 もう一つの解は時計回り解で、
     (di/dt)KDP = 300°±50°/Gyr ,
     θKDP = 175°±7°,
     iKDP = -19°±2°
である。この場合、KDP 星の面は LMC 円盤に対し 55° 傾いている。 これは Kunkel et al 1997 の fragmental polar ring モデルと似る。

 KDP 星の性質 

 KDP 星のフィット線の周りの速度散布度はどちらのモデルでも 15 km/s で 生データの散布度 26 km/s より小さい。これは KDP 星が運動学的に冷たいこと を意味する。
 図6a (J-3.6, 3.6) 図に KDP 星をプロットした。これらの星が炭素過多、 酸素過多 AGB 星で、通常の LMC AGB 星と目立つ差はないが、ただ非常に 明るい AGB 星は欠いている。赤枠内の KDP 星から予想される赤枠より明るい 星の数は 10±3 であるが、実際には (J-8.0, 3.6) = (2.5, 7) 付近の 1星のみである。
 もっと大きな差は図6b に示す空間分布で、通常の LMC AGB 星は SAGE サーヴェイでは全体に広がり、特にバーに集中する。一方 KDP 星は明らかに バーを避けた分布を示す。これは KDP 星の起源が通常の AGB 星と異なる ことを意味する。

 メタル量決定法 

 メタル量の決定は炭素星でなくてピクセル S/N > 20 の通常 LMC 994 星 と KDP 30 星に対して行った。Cole te al 2004 に従い、Zaritsky et al 2004 の可視測光サーベイから V 等級と減光を求め、V-VHB と Ca II 指数との関係からメタル量を決めた。これも Cole et al 2004 に 従い VHB = 19.22 とした。かれらは球状星団を用いて較正を 行い、我々の AGB 星はそこで用いられた星より明るい。しかし、この関係式 をそのまま使用した。

 メタル量分布 

 994 通常 LMC 星に対してはピーク [Fe/H] = -0.45, メディアン -0.56, 散布度 0.5 dex であった。これは Cole et al 2004 がバーの星で求めた [Fe/H] のメディアン -0.4, 散布度 0.3 dex と良い一致である。
 KDP の 30 星に対しては [Fe/H] のメディアン -1.25±0.13, 散布度 0.7 dex であった。


 4.議論と結論 

 LMC KDP はどこで生まれたのか? 

 LMC KDP はどこで生まれたのか?星の運動学的特徴はこれらが H I 腕 E, B にもつれていることを示す。Staveley-Smith et al 2003 は腕 E が先行腕 に、腕 B がマゼランブリッジと SMC に結びつくことを示した。こうして、最 も単純な解答は KDP 星が SMC で生まれ、LMC に落ちてきたというものである。 しかし、どちらの腕も星形成活動と潮汐力との合成で流出したものと考えられ てきたことは問題である。

 流入説が好都合な理由 

(i) LMC の密度超過の説明。 
 H I マップは LMC の南東縁、 30 Dor 付近に密度超過 (Kim et al 1998) が あることを示す。福井その他 1999 は CO と巨大分子雲もその付近で多いことを 示した。その説明として、 de Boer et al 1998 は LMC が銀河系ハローの中を 進行する際にラムプレッシャーで集められたと考え、 Nidever et al 2008 は この密度超過が腕 E と腕 B にガスを供給すると考えた。落下モデルをとると 密度超過は SMC からの落下ガスが LMC 円盤と衝突した結果生じたことになる。 落下ガスが LMC 円盤の面内にある場合は反時計回りになり、横からぶつかる T-ボーン型衝突の時には KDP 星の軌道が LMC 円盤と大きな傾斜角を持つこ ととなる。

(ii) 30 Dor
 LMC のコンステレイション III 領域のガス量は 30 Dor と同じくらいある。 しかし、30 Dor はその数倍の星を生み出している。Dolphin, Hunter 1998 は その差を 30 Dor の初期密度が激しい衝突により高かったからと考えた。この 高密度は落下ガスで自然に説明できる。

 SMC と KDP のCAT アバンダンスは近い 

 CAT 測定による元素存在比の決定は KDP 星が SMC からかどうかの決め手となる。 De Propris et al 2010 は SMC 周辺部 RG の CAT 観測から [Fe/H] = -1.35 ±0.10、散布度 0.65 dex を得た。この値は我々が KDP 星で得た値に非常に 近い。

 SMC 周辺部の CMD には明るい AGB がない 

 図7には SAGE/SMC の (J-3.6, 3.6) CMD を様々な距離制限で示した。 これを見ると、特に SMC 周辺部の星が KDP 星と似ている。
( LMC 周辺のチェックが必要 )

図7.SAGE/SMC の (J-3.6, 3.6) CMD. 左上:全体。右上:r > 2°, 左下:r > 3°, 右下:r > 4°. r = SMC 光学中心からの投影距離。 赤点= LMC KDP 星を 0.4 mag 暗くした。r > 3, 4 CMD には非常に明るい AGB 星が見えないので LMC KDP と似ることに注意。


 (1) 回転曲線 

 RSG, HI, AGB 間で無矛盾な回転曲線を得た。

 (2) Kinematically Distinct Population (KDP) の発見 

 サンプル星の 5 % が運動学的に特異な種族を成す。

 (3) KDP の特徴 

 KDP は AGB 星からなるが非常に明るい AGB 星は含まない。また、バーを避ける分布 を示す。
 (4) KPD 運動の解釈 

 KDP の運動は、LMC 円盤に近い面上を反時計向きに回るか、円盤と大きな傾斜 角の軌道を時計回りに回転するかのどちらかである。

 (5) メタル量 

 KDP のメタル量は CAT 測定から得られ、LMC 平均より低く、 SMC と似る。

 (6) KDP の CMD 

 KDP の SAGE CMD は SMC 周辺部と似る。

 (7) KDP の 起源 

 以前 LMC からの流出で形成されたと考えられていた HI 腕は LMC に落下し ているらしい。この解釈は LMC 南西縁に見られる密度超過を説明し、 30 Dor 星形成に必要なガスの供給源も与える。