アブストラクトO - F 型星までの距離11,000 を超す O - F 型星、うち 7565 個は O, B 星、の UBV, MK, β データから減光と距離を求めた。 1020 個に対しては二つの独立な手法、 Mv (MK) と Mv(β) による距離を定めた。二つの距離指標の差の平均は 0.01 mag 以下であった。 減光マップ 天の川の写真を手掛かりに、|b| < 7°.6 を 325 区域に分けた。この 区域内では星の表面密度、減光は一様と看做せる。Av - D 図を作り調べた。 それらから D < 3 kpc までの減光マップを作った。 |
1.イントロダクションこれまでの減光マップ銀河系の減光分布にはこれまで、 Neckel 1967 や Fitzgerald 1968 が用いられてきた。これらの研究では 5000 個程度の星が使われてきたが、 多くの箇所でサンプルが不足していた。 新しい減光マップ 過去 10 年間でデータの集積により、使用可能な星の数が 11,000 を超すよ うになった。その結果大幅な改善が可能となったので、今回新しい減光マップを 報告する。 |
O, B, A 星データ O, B, A 星データは入手できる限り集めた。より晩期の星が観測可能なほど 明るかった場合、それは大抵近傍で測定できるほどの減光は示さない。従って F 型星データの収集は完全ではない。加えて、セファイドと星団の減光も Neckel 1967 から採った。Blanco et al 1970、Mermilliod 1976 の光電測光カタログは CDSから得られ、非常に有用であった。 O, B 星データは他の目的にも有用である。そこで、距離、減光の決定には データが不足でも加えておいた。座標の 50 % は CSI = Catalogue of Stellar Identification または SAO カタログから採った。残りは表1の文献から集めた。 MK タイプ、UBV データ、β 値なども表1の文献から採った。 サンプル星の分布 銀経 5° 区間ごとのサンプル数の変化は、星全体と |b| < 7°.6 に分けて図1に示す。図2には V 等級分布を示す。表2にはスペクトル型毎の サンプル星数を示す。表2にはそれらの数を載せた。 カタログ 全体として、カタログには 11,072 星が含まれる。内 7565 は O, B 星で ある。近い将来カタログは CDS から採れるようにする。 ![]() 図1.サンプルの銀経分布。影線は |b| < 7°.6 の星。 ![]() 図2.サンプルの V 分布。 |
![]() 表1.参考文献一覧 ![]() 表2.スペクトル型毎の星数。 |
MK システムの絶対等級較正 MK システムの絶対等級較正は Schmidt-Kaler 1965 に基づいている。 1660 南天 OB 星カタログ (Klare, Szidl 1966) から、輝線が無く、β 指数が得られており、MK タイプ既知の 419 星を選び、Mv(β) 較正 曲線(Neckel. Klare 1976)を得た。その間に、MK タイプが分かった星の数 が Garrison et al 1977 により 1090 個増加した。そこで以前使用した 精度が低いミシガンカタログ(Houk et al 1975) データは棄て、Mv(β) 較正を繰り返した。 Mv(β) 較正 Hβ 輝線のある星を捨てると 630 星が残った。較正式は Mv(MK) = Mv(β) + kDU-B ここに、DU-B は (U-B)/(B-V) 二色図上、対応する MK タイプ の赤化直線と観測点の垂直距離である。最少二乗フィットから得た k は、 k = -4.90 ±0.57 であった。図3には Mv(β) に対する解を示す。 ( 何のことか分からないので以下略) |
![]() 図3.補正を受けた Mv と β の関係。 |
4.減光値と距離Av = R{(B-V) - (B-V)o}, R=3.1に用いる (B-V)o は MK タイプが分かっていれば、直接与えられる。さらに、 (B-V)o は UBV と β データからも独立に求められる。 距離指標は、次の式から得られる。 V - Mv - Av = 5 log D - 5 5.減光解析の方法区分けサンプル星を全て天空上にプロットし、 (Av, D) を書きこんだ。図7がその 一部である。それを基に、|b| < 7.6 帯を 325 区画に分けた。各区画内で 星表面密度は一様で、減光値が全体の傾向から大きくずれないようにした。この 要請の結果、区画の形が不規則になってしまう場合がある。 |
図8= Av(1 kpc) 図8には 1 kpc までの減光をマップした。l = 302 にはコールサックが目立つ。 l = [210, 250] は減光が最低である。一方、 l = 350, 0, 150 では高い。 図9a=ダスト分布 Av(D) が信頼できる区画を用いて、ダスト分布を計算できる。図9a に D < 3 kpc のダスト分布図を示す。これを見ると D = 1 kpc にまで及ぶ大きな ダスト複合体が見える。それらの間は殆どダストが見えない。 図9b = 雲に命名 図9b には雲に名前を付けた。表4a にはそれらの雲に関与する区分番号が 載っている。 近傍のダスト雲複合体 遠方のダスト雲に比べ、近くのダスト雲の位置や細かい特徴は信頼度が高い。 また、近傍複合体の間の空間がダストなしであることは多くの Av - D 図で 明らかである。 D > 1 kpc のダスト雲 遠方のダスト雲には見落としがあるだろう。図9a で。aV < 1 mag/kpc の (l, D) を決めるには、銀経 l 、距離 D に対し最低一つ aV < 1 mag/kpc の区域が存在し、"and no other field with higher aV" (ココの意味不明)これは、新しいデータが同じ l だが、現在データ が不足している他の b で他のダスト雲の存在を明らかにする可能性を否定していない。 D < 1 kpc の雲の方が大きい! 図9a の驚くべき結果は、D < 1 kpc の雲の方が D > 1 kpc の雲より大きい 事である。これはおそらく、近距離では情報の密度が高いためであろう。例えば、雲 H, I, J, N, O, P, Q, R は互いに繋がっていて、太陽近傍の A や B のような大きな 複合体を作っている可能性が高い。 Neckel 1966 との比較 Neckel 1966 と比較するとより細かい点が分解されてきた。 濃い雲 l = 80 では Cyg OB2 アソシエイションに伴う雲が > 10 mag の吸収を生み出す。 区域6には 11 mag/kpc のダスト雲がある。図8の雲 H は多分 M 17 に付随している。 雲 H は区域 241(11/-1), 245(13/-3), 252(18/0) で検出されている。それは M 17 がいる 246(16/-1) に近い。しかし、通常は濃い雲に付随する星は暗くなり過ぎるので 我々の仕事に引っ掛からない。このために、星形成領域に付随する濃い分子雲が 我々のデータに現れることはそうない。この理由で、図8のダスト雲が渦状腕の 構造を表さないのは当然である。 ![]() 図表4b.ダストのない領域に関与する区分番号。 |
![]() 図表4a.図9bに示した雲に関与する区分番号。 |
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