The Spatial Distribution of the Interstellar Extinction


Neckel, Klare
1980 AAS 42, 251 - 281

 アブストラクト

 O - F 型星までの距離 
 11,000 を超す O - F 型星、うち 7565 個は O, B 星、の UBV, MK, β データから減光と距離を求めた。 1020 個に対しては二つの独立な手法、 Mv (MK) と Mv(β) による距離を定めた。二つの距離指標の差の平均は 0.01 mag 以下であった。

 減光マップ 
 天の川の写真を手掛かりに、|b| < 7°.6 を 325 区域に分けた。この 区域内では星の表面密度、減光は一様と看做せる。Av - D 図を作り調べた。 それらから D < 3 kpc までの減光マップを作った。

 1.イントロダクション 

 これまでの減光マップ 
 銀河系の減光分布にはこれまで、 Neckel 1967 や   Fitzgerald 1968 が用いられてきた。これらの研究では 5000 個程度の星が使われてきたが、 多くの箇所でサンプルが不足していた。

 新しい減光マップ 
 過去 10 年間でデータの集積により、使用可能な星の数が 11,000 を超すよ うになった。その結果大幅な改善が可能となったので、今回新しい減光マップを 報告する。

 2.UBV, MK, β データ 

 O, B, A 星データ 

 O, B, A 星データは入手できる限り集めた。より晩期の星が観測可能なほど 明るかった場合、それは大抵近傍で測定できるほどの減光は示さない。従って F 型星データの収集は完全ではない。加えて、セファイドと星団の減光も Neckel 1967 から採った。Blanco et al 1970、Mermilliod 1976 の光電測光カタログは CDSから得られ、非常に有用であった。
 O, B 星データは他の目的にも有用である。そこで、距離、減光の決定には データが不足でも加えておいた。座標の 50 % は CSI = Catalogue of Stellar Identification または SAO カタログから採った。残りは表1の文献から集めた。 MK タイプ、UBV データ、β 値なども表1の文献から採った。

 サンプル星の分布 

 銀経 5° 区間ごとのサンプル数の変化は、星全体と |b| < 7°.6 に分けて図1に示す。図2には V 等級分布を示す。表2にはスペクトル型毎の サンプル星数を示す。表2にはそれらの数を載せた。

カタログ 

 全体として、カタログには 11,072 星が含まれる。内 7565 は O, B 星で ある。近い将来カタログは CDS から採れるようにする。


図1.サンプルの銀経分布。影線は |b| < 7°.6 の星。


図2.サンプルの V 分布。

表1.参考文献一覧


表2.スペクトル型毎の星数。


 3.絶対等級 

 MK システムの絶対等級較正 

 MK システムの絶対等級較正は Schmidt-Kaler 1965 に基づいている。 1660 南天 OB 星カタログ (Klare, Szidl 1966) から、輝線が無く、β 指数が得られており、MK タイプ既知の 419 星を選び、Mv(β) 較正 曲線(Neckel. Klare 1976)を得た。その間に、MK タイプが分かった星の数 が Garrison et al 1977 により 1090 個増加した。そこで以前使用した 精度が低いミシガンカタログ(Houk et al 1975) データは棄て、Mv(β) 較正を繰り返した。

 Mv(β) 較正 

 Hβ 輝線のある星を捨てると 630 星が残った。較正式は

     Mv(MK) = Mv(β) + kDU-B

ここに、DU-B は (U-B)/(B-V) 二色図上、対応する MK タイプ の赤化直線と観測点の垂直距離である。最少二乗フィットから得た k は、
     k = -4.90 ±0.57
であった。図3には Mv(β) に対する解を示す。
( 何のことか分からないので以下略)

図3.補正を受けた Mv と β の関係。  





図7.フィールド1のマップ。点= O - F 星。三角=銀河星団。×=δ Cep 星。 数字= (Av, 距離kpc)



 4.減光値と距離 

 Av = R{(B-V) - (B-V)o}, R=3.1
に用いる (B-V)o は MK タイプが分かっていれば、直接与えられる。さらに、 (B-V)o は UBV と β データからも独立に求められる。 距離指標は、次の式から得られる。
     V - Mv - Av = 5 log D - 5

 5.減光解析の方法 

 区分け 

 サンプル星を全て天空上にプロットし、 (Av, D) を書きこんだ。図7がその 一部である。それを基に、|b| < 7.6 帯を 325 区画に分けた。各区画内で 星表面密度は一様で、減光値が全体の傾向から大きくずれないようにした。この 要請の結果、区画の形が不規則になってしまう場合がある。











図8.Av(D=1kpc). 点:Av < 0.5 mag. 格子:0.5 < Av < 1.2 横線:1.2 < Av < 1.9  斜線:1.9 < Av < 2.6 網: 2.6 < Av < 3.3  黒:3.3 < Av




図9a.D < 3 kpc のダスト分布。aV = Av/kpc として、 斜線: aV < 1 mag/kpc. 点:1mag/kpc < aV < 2 mag/kpc. 網: 2mag/kpc < aV < 3 mag/kpc. 黒: 3mag/kpc < aV




図9b.9a に現れたダスト雲の名前。

 6.ダストの銀河面分布 

 図8= Av(1 kpc) 

 図8には 1 kpc までの減光をマップした。l = 302 にはコールサックが目立つ。 l = [210, 250] は減光が最低である。一方、 l = 350, 0, 150 では高い。

 図9a=ダスト分布 

 Av(D) が信頼できる区画を用いて、ダスト分布を計算できる。図9a に D < 3 kpc のダスト分布図を示す。これを見ると D = 1 kpc にまで及ぶ大きな ダスト複合体が見える。それらの間は殆どダストが見えない。

 図9b = 雲に命名 

 図9b には雲に名前を付けた。表4a にはそれらの雲に関与する区分番号が 載っている。  近傍のダスト雲複合体 

 遠方のダスト雲に比べ、近くのダスト雲の位置や細かい特徴は信頼度が高い。 また、近傍複合体の間の空間がダストなしであることは多くの Av - D 図で 明らかである。

 D > 1 kpc のダスト雲 

 遠方のダスト雲には見落としがあるだろう。図9a で。aV < 1 mag/kpc の (l, D) を決めるには、銀経 l 、距離 D に対し最低一つ aV < 1 mag/kpc の区域が存在し、"and no other field with higher aV" (ココの意味不明)これは、新しいデータが同じ l だが、現在データ が不足している他の b で他のダスト雲の存在を明らかにする可能性を否定していない。

 D < 1 kpc の雲の方が大きい! 

 図9a の驚くべき結果は、D < 1 kpc の雲の方が D > 1 kpc の雲より大きい 事である。これはおそらく、近距離では情報の密度が高いためであろう。例えば、雲 H, I, J, N, O, P, Q, R は互いに繋がっていて、太陽近傍の A や B のような大きな 複合体を作っている可能性が高い。

Neckel 1966 との比較 

 Neckel 1966 と比較するとより細かい点が分解されてきた。

 濃い雲 

 l = 80 では Cyg OB2 アソシエイションに伴う雲が > 10 mag の吸収を生み出す。 区域6には 11 mag/kpc のダスト雲がある。図8の雲 H は多分 M 17 に付随している。 雲 H は区域 241(11/-1), 245(13/-3), 252(18/0) で検出されている。それは M 17 がいる 246(16/-1) に近い。しかし、通常は濃い雲に付随する星は暗くなり過ぎるので 我々の仕事に引っ掛からない。このために、星形成領域に付随する濃い分子雲が 我々のデータに現れることはそうない。この理由で、図8のダスト雲が渦状腕の 構造を表さないのは当然である。


図表4b.ダストのない領域に関与する区分番号。



図表4a.図9bに示した雲に関与する区分番号。







 図5 区分割り付け 











 図6 区分毎の Av - D 図 































 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.


( )


Schlegel et al. 1998 先頭へ