Las Campanas 6.5 m Baade Magellan 望遠鏡の FourStar NIR カメラを使い、 IC1613 ハローにある星を NIR で観測した。観測 CMD に見られる J-H, J-K カラーによる TRGB による右上がり勾配を補正するメタル量不変な T-バンド等級 を作った。 | IC 1613 の観測から決まったカラータームとマゼラン雲の観測との比較から 得たゼロ点等級を用い, IC 1613 の距離指数=24.32±0.03(statistical) ±0.05(systimatic) を得た。 |
決定法 TRGB 点を定めるため、Solbel filter ( Lee, Freedman, Madore (1993) Rizzi07), 光度関数のフィッティング (Mendez02, Conn11) などが用いられてきた。 メタル量効果 モデル(Salaris05)はソーラー以下でヘリウムフラッシュ光度に弱いメタル量 依存があることを示す。可視観測では、ラインブラッンケティング効果のため 高メタルになると暗くなる。一方可視で吸収された光は NIR に回るので、そこ では明るくなる。その結果、 I バンド等級はメタル量の影響が小さい(Lee93)。 この効果を図1に示す。 NIR でのTRGB I バンドの弱点は (a) 減光が大きい。 (b) NIR の方が明るい。 しかし、 NIR においてメタル量に広がりがある系における TRGB 等級の分布は 調べられていない。 |
![]() 図1.TRGB 位置のマンガ。 |
![]() 図3.S/N 変化。縦線は IC1613 のTRGB 等級。混み過ぎのため解析から外す。 ![]() 図4.IC 1613 10'.8x10',8 画角内の 23525 星 CMD. 破線= K21magの限界等級線。 |
CMD FourStar の画角は 10'.8x10'.8、0".158 でもともとセファイド検出を狙って 円盤を中心においているが、視野が大きいので円盤周辺部も十分測定可能である。 図3に S/N を示す。図4の CMD を見ると、上部 MS の存在が分かる。 (全然筋に見えない。カラー誤差大? SFH が出せると思うか? ) ハロー 丸の外=ハローの星で S/N > 10 の測光精度良好星の CMD を図5に示す。 ![]() 図5.IC 1613 ハローの S/N > 10 6070 星の CMD. 破線= K21magの限界等級線。 |
![]() 図6.ハローにある種族 II の星による H-(J-H) CMD. 実線= TRGB の位置と 勾配。両側の実線は ±0.1 mag. 丸付き点=±0.02 mag の星。. 基準線の自己無矛盾な決定 図6の基準線は以下のような自己整合的な方法で決められる。 (1)H-(J-K)図上眼視で TRGB 線の勾配とゼロ点を決める。 (2)この勾配とデータでTTRGB-(J-K) 面に移る。図7。 (3)T 等級光度関数を作る。ビン巾 0.01 mag. (4)境界検出ソフト(ここでは GLOESS)で、TRGB 等級とピーク巾を決定。 (5)勾配を変えて(2)ー(4)を繰り返す。 (6)最小巾を与える勾配を解とする。 最終解 こうして得られた最終解を図8に示す。 |
![]() 図7.修正 H - (J-H) CMD. ![]() 図8.修正 H による光度関数。TRGB 不連続の図示はあくまで 理解のためで、解析には用いられていない。 |
TRGB ライン 修正等級法によって得た TRGB ラインは以下の通りである。 J = 19.21 -0.85[(J-K) - 1.00] H = 18.40 -1.62[(J-K) - 1.00] K = 18.21 -1.85[(J-K) - 1.00] 二色図上では、 (J-H) = 0.77(J-K) + 0.04 |