主な MIR, FIR サーベイ = IRAS, MSX, AKARI, WISE, GLIMPSE, Hi-Gal 中から OH/IRs 1500 星、メタノールメーザーが検出され YSOs 500 星を同定した。MIR 測光のみでは AGBs と YSOs を解きほごすことは不可能で、FIR 測光が不可欠である。 | GLIMPSE 領域の過去の研究は AGB 星の割合を大分低く見積もっていたことを明らかに する。GLIMPSE で「固有カラーが赤い」天体の 70 % は YSOs ではなく、AGBs である。 |
サーベイの位置精度 銀河系中には約 2000 の OH/IR 星が知られている。それらは双耳型の OH メーザーで特徴付けられ、その間隔は星周層の膨張速度を直接表す。OH/IR 星 は色々な手法で観測され、その位置精度は、単一鏡電波観測で 2' - 30', IRAS カラー選択で 10" - 90", 干渉計サーベイは 1" - 6" である。したがって、 検出されたそれらを最近の赤外サーベイ天体と同定させることは、特に銀河面 のように込み合った領域では難しい課題である。 |
OH/IRs の同定 初めに、MIR IRAS 天体を、 空間分解能、フラックスの統一性、星像の融合を考慮して、AKARI, WISE 天体 と同定した。その後、そのプログラムを全 IRAS 天体に適用して、SIMBAD で の同定を向上させるのに使った。ラインの速度プロファイルの適合性を手掛か りに、OH 観測は相互間で検証した。最終的に、 1500 OH/IR 星の MSX, AKARI, WISE, GLIMPSE, MIPSGAL 同定 Gutermuth, Heyer (2015) が行われた。 YSOs の同定 YSOs は OH メーザーを発するものもあるが、メタノールメーザーを出すも のが多い。約 500 の YSOs が MSX, AKARI, WISE, GLIMPSE, MIPSGAL で同定 された。 |
図1= MIR/FIR CCDs 図1に OH/IRs と YSOs の MIR/FIR CCDs を示す。図の第一印象は YSOs が OH/IRs より 赤いというものである。しかし、それは FIR を MIR と組み合わせたからである。Spitzer, や WISE データだけでは OH/IRs は YSOs と同じくらいに赤いのである。 |
過去の研究の誤り FIR 測光カタログが欠如していたため、過去には MIR データのみで選別を 行わなければならなかった。例えば、 Robitaille et al. (2008) は GLIMPSE と MIPSGAL から 16,500 個の固有カラーが赤い天体を選び出した。 彼らの選択基準は m(4.5) - m(8)-m(24) CMD に基づいていた。彼らはサンプル は 11,000 YSOs と 7000 AGBs を含むとした。MIR/FIR データを用いるとそれと 正反対の結論= 11300 AGBs, 4100 未定、 2100 YSOs が得られる。 |
MIR データのみでは、厚い星周ダスト層に埋もれた AGB 星を YSO 天体から 区別することは不可能である。両者の分離には FIR 観測が不可欠である。YSOs は通常 SFRs の中にあるから、赤外画像を調べることも有用である。 | 我々は MIR/FIR CCDs の上で OH/IRs と YSOs とを区別できた。 Robitaille et al. (2008) が選んだ固有カラーが赤い GLIMPSE 天体は 70 % が AGBs である。 |