Oxygen-Rich Late-Type Star Lightcurves in the 1 - 20 μm Range


Le Bertre
1993 AASup 97, 729 - 753




 アブストラクト 

 37 星の 1- 20 μm 測光モニターの結果を報告する。サンプルは、可視 ミラ 13 星、M-型超巨星 3 星、タイプ II OH/IR 星 20 星、未同定天体 1 星である。各天体は最低 13回、最高 42 回測光された。観測期間は最低 1250 日、最高 2150 日である。1 - 5 μm データにフーリエ解析を行い、 可視ミラ全て 13 星と OH/IR 9 星の計 22 星の変光周期 300 - 700 日が 得られた。この 22 星のサブサンプルでは OH/IR 星の周期が全て 470 日以上 であるという点を除くと、 可視ミラと OH/IR 星の間の変光の特性は同じである。  2 可視ミラ + 10 OH/IR = 12 星の周期は 800 - 1600 日で、これらの超 長周期星では変光の不規則性と変光曲線の繰り返しの悪さが見られた。 3 天体では周期が決まらなかった: VY CMa と IRSV 1540-5413 の変光は 小振幅で不規則、 OH/IR 344.93+0.01 では P > 2000 日が現在のデータ の外挿から推測されるのみである。振幅は波長と共に減少する。しかし、 M バンド振幅は L' バンドより大きい。シリケイト放射帯ピーク(9.7 μm) の振幅はその両側 8.4, 12.9 μm での振幅より大きい。OH/IR 星の 周期-光度関係を調べると少なくともその幾つかは、周期 500 日でさえ、 可視ミラの周期光度関係に従わないことが判った。
個々のデータはマイクロフィッシュで得られる。


 1.イントロダクション 

   





表1、表2.

 2.観測天体 

 2.1.一般的なコメント 

  

 


 2.2.個々の天体へのコメント 

  

 
  

 


 3.観測 

 変光観測の例 


図2.可視ミラ SY Scl の変光


図3.赤外ミラ IRC-20197 の変光

表3.観測記録  



図4.超巨星 IRC-30100 の変光


図6.OH/IR 342.01+0.25 の変光

図5.OH/IR 305.91-1.91 の変光


 変光のパラメタ― 



  


表5.超長周期変光のパラメタ―

 

表6.中間赤外観測記録


表7.中間赤外変光曲線のパラメタ―

 


 4.議論 


図7.波長による振幅の変化。白四角= IRC-30023 (τ10∼0.1). 黒四角=OH/IR 286.50+0.06(τ10∼1.0)  

図8.周期と K 振幅の関係。open star = 炭素星(論文I)  



図9.周期とカラー K-L' の関係。open star = 炭素星(論文I)  

図10.K振幅とカラー K-L' の関係。open star = 炭素星(論文I)  



図11.OH 膨張速度と周期の関係。黒四角=可視ミラ+ IRC-30100. 白四角= OH/IR 星。実線=Dickinson et al 1975 の関係。  

図12.OH/IR 星の輻射等級と周期の関係。実線= Whitelock 1991 の与えた可視ミラ関係式。  


 10 μm 放射帯の変光振幅 

 J - M 振幅  

 変光の振幅は J から L' に掛けて、波長と共に減少する。その後 M 振幅は L' 振幅より大きくなる。唯一の例外は OH 354.88-0.54 である。

 N2 振幅 

 M より長波長側では振幅はほぼ一定になる。しかし、注目すべきは、 N2 = シリケイト放射帯ピークでの振幅が N1, N3 = ピーク両側での それより大きいことである。

 光学的深さに関係ない 

 これは光学的深さに関係なく、例外なくそうで ある。ただし、シリケイト帯が検出されない S Col は例外。 IRC-30023 の τ10 = 0.1, OH/IR286.50+0.06 では、 τ10 = 1.0 である。極端な場合、OH/IR26.5+0.6 では τ10 = 9.0 であるが、そこでも N2 の振幅が N1, N3 より 大きい証拠がある。
 光学的に厚い星では予想と観測は一致 

 中心星が極小から極大へ向かう時には、光学的深さは低下すると予想され、 実際それは Le Bertre (1988) がモデル化で示したようにそうなっている。光学的に厚い、 τ10 ≥ 3.0, シェルでは極小期の大きな 光学的深さはより深い吸収帯を生み出す。これは、観測と一致する。 しかし、光学的に薄いケース、τ10 << l.0, では 極大期の大きな光学的深さはより強いシリケイト放射帯を生み出す。 これは N2 振幅が N1, N3 振幅より小さいことを意味し、観測と矛盾する。

 光学的に薄いケースは逆 

 光学的に薄いケースでは、薄い 10 μm 放射帯にあるダストの光学的 性質が変化し、極大期には 10 μm 放射率が 8, 12 μm より強くなる のではないか。また、ダストコアはマントルより高温で形成される可能性 もある。

  

 

 L' バンド変光曲線