銀河系中心核星団の観測を報告する。中心 pc は 2 ダースの明るく高ヘリウムの 青色超巨星/ウォルフライエ星 Te=20,000 - 30,000 K, Mzams = 100 mo からの 放射エネルギーで励起されている。これら大質量星形成の原因は 7 百万年から 3 百万年前にかけて起きた小規模な星形成バーストによる。このシナリオでは 銀河系中心は現在、主系列後の短期間の星風期にある。 | さらに、1億年前に別の星形成があった証拠がある。また最近形成された星がガス 流と共に中心核へと移動してきた証拠もある。 Sgr A* から 1″ - 12″ にある 35 個の早期型、晩期型星の視線速度分散は 154±1 km/s である。これは 力学中心から 0.14 pc 内の質量として 3 × 106 Mo を与える。 |
1.イントロAF star銀河中心パーセクが興味を引くのは (1)中心BHがあるだろう。それは Sgr A* 位置でないか? (2)中心パーセクのエネルギー源 である。Forrest et al 1987, Allen,Hyland,Hillier 1990 はSgr A* の 西 10″ にある AF star が非常に巾の広い He I/H I 輝線を有することを 見出した。 Krabbe et al. 1991 は 1 ダースほどの He I 輝線星の集団を発見した。 |
2.観測装置(1)画像分光器 3D/MPIA2.2m (2)CGS4/UKIRT (3)Fabry-Perot FAST/William Herschel Telescope |
He I 輝線星星団 狭帯画像は Krabbe et al 1991 で見つかった 2.06 μm He I 輝線星のうち IRS 11 を除く全てで輝線を再確認した。 この星団には少なくとも 14 多分その他に 20 星が属している。 大質量の若い星 IRS 21 と IRS 3 は非常に赤いラインのない K バンドスペクトルを持ち、強い 10 μm 天体である。その上 IRS 21 は 2 μm で 17 % の偏光を示す。これらはダストに埋もれた 若い早期型星であろう。 IRS 1W と IRS 9 もやはり高温の若い星で、ミニスパイラルと 関係がある。中心パーセクのガス密度が低く星形成が起こりにくいことを考えると、 若い大質量星は外側で生まれ、軌道ガス流と共に現在中心パーセク領域に運ばれている 途中ではないか? 晩期型星 IRS 7, IRS 10E, IRS 12N, IRS 14NE 3D スペクトル中の CO 吸収帯は ≤ 10 個の晩期型巨星の証拠を提供する。 それらは、 MK = [-7.8, -4.2] の範囲にある。K = 10.9 - 14 である。 K < 12 の星の 1/3 は CO 吸収, 1/3 は 輝線、そして残りの 1/3 はラインがないか弱い。 Sellgren et al 1990 は CO バンドヘッド強度が銀河中心に向かって低下することを発見し、 Eckart et al 1995 はそれは 晩期型星の大気が星の衝突により破壊されたためではなく、 明るい若い星が中心付近に集中するからとした。我々の結果はそれを支持する。 |
![]() 表2.He I 星の大気パラメタ― 4 - 8 百万年前の小さな星形成バースト Krabbe, Sternberg, Genzel 1994 は中心核星団を Z= 2Zo の仮定で解析した。 よくフィットするモデルは, 7±1 Myr 前に開始し、タイムスケール (3-4) Myr で減衰する星形成により、103.5 個の星が作られたとする。このモデルは 晩期型ウォルフライエ星か他の青色超巨星(He I 輝線星) 30 個、15 OB 星、 2- 4 KM 超巨星を予言する。超新星率は 2.5 × 10-5 で Sgr A East が 超巨星残骸であることと合う。星形成効率を 10 % とすると、質量流入率として 4 × 10-2 Mo/yr が必要で、現在の 4-20 倍である。 1 億年前のバースト Haller, Rieke 1989 は中間光度晩期型星は 1 億年前のバーストで作られた中質量 AGB 星であるとした。 |
![]() 表3.新しい速度分散と質量決定法 |
![]() 図3.Sgr A* からの距離と、その内側の質量との関係。青丸=今回の早期型星速度分散。黒三角 =今回の晩期型星速度分散。赤四角=恒星速度データ(文献)。赤三角=ガス速度。(文献) 破線=等温星団モデル。コア半径 0.5pc 以内の質量 3×105Mo 仮定。 青実線=中心 3×106Mo +等温星団。 |