Tyoe II OH/IR Masers III. The Data Base


Jones, Hyland, Gatley
1983 ApJ 273, 660 - 668




 アブストラクト 

 銀河面電波サーベイで見つかった、電波で明るい, タイプ II OH/IR 星の 追加赤外観測を報告する。以前の赤外観測と合わせると、同定が確かな 57 天 体のデータが揃った。これは現時点では、タイプ II OH/IR 星の電波と赤外の 揃った最大のデータセットである。  このシリーズの第2論文で見つかった主要な傾向=(1)ΔV が大き い星はカラーが赤く、メーザー変換率は高い、(2)2ミクロンスペクトルが 2種類に分かれる、が確認され、広げられた。データベースの解析はシリーズ 4で述べる。


 1.イントロダクション 

 多くの研究が OH 電波源の赤外線同定を試みた。論文 II では IR 候補星の 統計的分析を行った。そこで見つかった幾つかの傾向に対し、晩期型星進化と の関連で粗い解釈が試みられた。  この論文では新しい観測結果をシリーズ II のデータと合わせ、確かと考え られる赤外同定のリストを作った。





表1.今回の新しく観測した星のリスト

 2.観測 




表2.新しい2ミクロンスペクトル

 観測結果 

 1981 年 5 月に OH/IR 星候補の測光が IRTF 3 m 望遠鏡で行われた。その 結果を表1に示す。第2,3列は赤外線星位置である。第4列は電波位置との 差である。シリーズ II Jones, Hyland, Caswell, Gatley (1982) では、「変に青い」とした候補天体が4つあった。今回 4.8 μm で再スキャンした結果、3星では全く違う場所に非常に赤い天体が 見つかった。それらを第8列に示した。



表3.1981 年 5 月の観測で同定できなかった電波源

 2ミクロン CVF スペクトル 

 2ミクロン CVF スペクトル λ/Δλ = 50 を得た星の リストを表2に示す。CO, H2O 指数を求める技法はシリーズ II に述べた。それらは表5に載せた。

 非同定 

 幾つかの電波源は同定できなかった。それらは表3に示す。


 3.確実な同定星の選択 

 採択基準 

 出来るだけ完全な高確度同定リストを用意するため、シリーズ I, II で採用 した採択基準を他の文献での同定にも適用した。CF = confusion factor は探索 領域内に予想されるフィールド星の数である。

 CF 

 CF > 0.1 は高確度同定と認めない。表4には CF の大きい結果を載せた。

表4.同定の確度が低い星

 


 表5.高確度同定星のリスト 





 4.データベース 

 表5には CF < 0.1 の同定を集めた。感度限界サーベイの結果のみを使用 したので IRC 天体は除いた。また、ダブルピークの間違いなくタイプ II である 電波源のみを含めた。第3、第4列には H2O, CO 指数を示す。


 5.統計解析 

 5.a. 光度と ΔV  


図1.Mbol - ΔV 関係。データは表5から。

  

 

  

 

  

 

図2.ΔV の3グループの Mbol ヒストグラム。

  

 

  

 

  

 



表6.2ミクロンスペクトルの分類

 5.b, スペクトルタイプ 




図3.高確度同定星の補正 CO 指数と補正 H2O 指数の関係



図4.2ミクロンスペクトルタイプ VM と SG (表6)の ΔV 分布




図5.2ミクロンスペクトルタイプ VM と SG (表6)の光度分布


 5.c,メーザー光度 


図6.総光度に対する電波光度の比率 Mbol - MOH と赤外カラー L-M との関係。  


 6.結論