11 OH/IR 星を VLA で観測した。10 星の Vr は大きく、腕の接点付近にある と考えられる。分解できた 6 星は OH シェルの角半径と位相遅れ直径とから幾 何学距離が導き出せる。 | これらの幾何学距離と運動学距離を比較して、銀河中心距離 Ro = 9.2± 1.2 kpc が得られた。OH シェルの形はかなり対称的である。完全な球対称からの ずれは 20 % 以下で、シェルの厚みは大きくとも半径の 20 % である。OH 密度は r-2 かもう少し急に落ちる。 |
VLA サンプル選択 1982年2月28日−3月1日にニューメキシコの VLA を A-配置で使い、 11 個の OH/IR 星を観測した。 サンプル選択規準は (a)銀河回転の接点付近にある。運動距離の不定性の問題を避ける。 (b)位置が正確。 (c)Dwingeloo でモニターされている。 6/11 星の Ve < 15 km/s、5/11 星の Ve > 15 km/s である。チェックのため 以前に Baud 1981 の観測がある OH26.5+0.6 も観測した。12星のマップを図1−12 に示す。 Dwingeloo 観測 VLA 観測の直後に Dwingeloo 観測を行った。これはもっと大きな 60 OH/IR 星 モニター Herman et al. (1985) の一部として行われた。 |
![]() 表1.VLA 観測時の位相。OH 極大をゼロとする。第2,3,4列= VLA. 第5,6,7列=Dwingeloo. |
L-, H-成分ピーク位置 球対称シェルではメーザーの最強ピークは前面と背面の狭いコーン=星位置 から来る。(Teid et al 1977) 表2には H-, L-成分の平均位置を載せた。両者は 0.13" 以内で一致するが、 OH26.5+0.6 と OH32.8-0.3 はそうでない。 ピークは点源状か? L-, H- 両成分のピークプロファイルは理論的ビームプロファイルと 10 % の 違いしかない。これが有意かどうかまだ不明である。 |
![]() 表2.OH メーザー中心位置 |
![]() 図12.様々な V に対するシェルのチャンネルマップの漫画。 |
![]() 図13.ある方位角 &theta, での断面図の例。番号は図12のマップ番号。 |
チャンネルマップの解析 Reid et al 1977 に従い、 a(V,θ) = Rs(θ)[1-(V/Ve)2]1/2 (1) ここに、a(V,θ) = 視線速度 V で視た時のシェルの角半径、Ve = 膨張 速度、θ = 位置角、Rs(θ) = 位置角 θ 方向でのシェル半径 である。図12を見よ。我々は θ = 20, 40, ..., 360 に対し、a(V,θ) を放射 極大角半径として測定する。V が Ve 近くでは断面上の二つのピークが融合し てしまう (図13)。例えば、図5 OH26.5+0.6 での (a), (b) と (i), (j) を見よ。 単一鏡での観測から Ve と中心速度が分かるので、ある θ に対して式 (1)をフィットして Rs(θ) を決めることが出来る。図15にこうして 求めた Rs(θ) を示す。表3a には Rs = 〈Rs(θ)〉 を 示す。 シェル角半径の決定 図14にフィットの様子を示す。シェルが分解したのは6天体であり、それら の Rs(θ) を図15に示した。その平均値は表3a に載せた。 |
![]() 表3b.未分解の天体 |
![]() 図14.θ = 0 に対する a(V,θ) の例。バー=デコンボルブ後の ピーク FWHM を表し、シェル厚みの定性的な印象を与える。破線= Rs 一定 (ベストフィット±標準偏差) |
![]() 図15.OH シェル半径の方位角による変化。実線=平均。バー=標準偏差。 このモデルの適切度とシェル厚みが分かる。 |
ピークの非対称とチャンネルマップの非対称との間に相関があることを 解析しているが難しいので飛ばす。 | 最終目標の銀河中心距離の導出も飛ばす。不思議なのは銀河回転曲線 Θ(D) が明示されていないことである。 |