2 ミクロン銀河面サーベイを用いて、銀河面 l = [15, 35] 2 ミクロン表面 輝度マップ上のピークの性質を調べた。低減光の穴ではピークを説明するのに 不十分であった。 l = 33 のピークは l = 21, 27 のピークと異なる光度関数 を有する。後者はほぼ確実に非常に明るい大質量の若い星から成ると言える。 それらがバーの近い方の先端に付随する星形成領域であるという説明が もっともらしい。 | バーを含む簡単なモデルを提案する。それは l = [-40, -10], [10, 40] の 2 .2 ミクロン表面輝度分布をよく説明できる。このモデルのバーの 方位角は 75°, で主軸半径は 3.7 - 4 kpc, 3 kpc リングには殆ど 明るい星は含まれない、盾座腕の星種族の巾は 300 pc である。 |
![]() 図1a.DIREB 2.2-, 12-μm b = [-1, 1] 平均フラックス分布。l =[10,40] 赤外マップのピークの意味は? 図1を見ると、 l = 33, 27, 21, -22 に赤外マップの角が見える。その原因としては、 (1)渦状腕の様な構造が銀河面奥深く埋もれている。 (2)低減光の窓 Kent et al 1991 モデル Kent, Dame, Fazio 1991 はスペースラボ2からの観測に基づいて、ピークの研究を行った。彼らの モデルは指数型円盤に半径 3.7 kpc 広がり(巾?) 0.7 kpc のリングが 乗っている。ピークはリング前面の低減光窓として解釈された。ただし、 このモデルは |l| > 10 でのみ適用可能で、負銀経でピークが対象に 分布していないので、軸対称リングを怪しいものにしている。 |
![]() 図1.DIREB 2.2-, 12-μm b = [-1, 1] 平均フラックス分布。l =[-10,-40] バーバルジ 最近銀河が棒渦状銀河 Sbc ではないかという証拠が集まっている。 ドボークルー 1964 がガスの非円運動を説明するのに、銀河は棒銀河では ないかと言ったのが初めであろう。最近ではバルジの星が非軸対称分布 しているという研究が多い。しかし、銀河面から遠く離れたところを見て いるのでこれ等の研究はバルジに対するバーの影響を観察しており、 実際のバーの星は見ていない可能性が強い。 ( "バー"は円盤の構造で棒バルジとは 別物という認識か?これは天文の常識?) |
TMGS はカナリー島 1.5 m 望遠鏡を使い、限界等級 K = +10 で
255 平方度を探査した。50 万天体が検出された。
観測は赤経沿いに行われた。
( K = 10 でどこまで到達しているか?) | COBE は 41′ 分解能の全天表面輝度マップを与えた。 図1には COBE を載せた。 |
![]() 図2.l = 21 と 31 での K = +8 までの1平方度当たり累積星計数 l = 21 と 31 のカットの形 図2にはl = 21 と 31 での K = +8 までの1平方度当たり累積星計数 を示す。Hammersley et al 1994a では l = 31 の星分布を |b| = [5, 15] の指数関数円盤+盾座とサジタリウスの二つの腕が中央の峰と分けた。 円盤部の形は l = 21 と l = 31 とで同一である。一方腕は、 l = 21 の方が近く、しかし、視線は急な角度で横切っている。それらが分布の 違いを与える。実際、図3に示すように、分布の形だけで二つの腕は 分離される。 二つのカットの差=スパイク(角) 大きな差は l = 21 の方では b = 0 に角があることである。この 角は銀河面から 1° 以内にしかない。図4には K = +4, +5, +6 までの 累積星計数を l = 21 と 31 に対して示した。スパイクの存在は K = +4 までの明るい計数、そこでは円盤や腕はノイズに埋もれているのに、にさえ 現れている。しかし、この角に対応する構造はパロマ―チャートには見えない。 これは V-K が 12 mag 以上を意味し、局所構造ではあり得ない。 l = 21 の角は大きいが、それでも l = 27 に比べるとずっと小さい。 図5にそれらを比べた。しかし、どうもこの角は l = 33 では消えているらしい。 |
![]() 図3.l = 21 での K = +8 までの1平方度当たり累積星計数。様々な成分を 示す。形は近似。 ![]() 図5.l = 21, 27 での K = +6 までの1平方度当たり累積星計数。l = 27 分布は l = 21 スキャンより回数が少ないのでノイズが高い。 |
4.1.減光だけで角を作れるか?これは難しい理由がある。略。4.2.角は腕の表れか?これも難しい。 |
4.3.角は 3 kpc リングに付随するか?難しい。4.4.角はバーに関係するか?? |
5.1.渦状腕5.2.3 kpc リング3 kpc リングに含まれる星の数が少ないことは良く知られている。しかし、 CO そして ダストは多い。リングの視線に対する接線は l = 24 (Cohen et al 1980)である。従ってリング半径は 3.25 kpc となる。実際の所、 視線がダスト帯を大きな角で横切る所では大きな分子雲に依る減光のデコボコ が目立つ。それが 2.4 μm マップに現れる不規則な窪みの原因である。 |
5.3.バー我々はバーのはしにあるはずの星形成領域にしか興味がなく、 内側バーは考察から外す。バーは銀河中心を通り、明るい星の一様な 帯である星形成域は銀河中心距離一定と仮定する。(距離一定の意味不明。 l = 正と負の二つの星形成域が等距離にあるという意味?) 我々は星形成領域を l = [15, 28] と固定する。 負銀経がわの対応星形成領域の位置はバーの方位角が 決まれば計算できる。この星形成域は巾 400 pc で腕の 10 倍明るいとする。 |
6.1.バーの位置角位置角への制限バーの星形成域、つまりバーの先端が l = 28 まで伸びていて、かつ バーは盾座腕の内側に入るという要求だけから、バーの位置角に 35 - 90 という制限が付く。もし位置角が 35 より小さいと星形成域、そしてつまり バーが腕を突き破る。 図6では、位置角を 40 - 90 の間で変えた時、のバーとリングのフラックス の様子を示す。位置角の範囲を狭める二つの指標がある。 (1)星形成域の位置 モデルを調べると、位置角が小さくなると、 l < 0 側のピークは 狭くなり、かつ銀河中心に近づいていく。早川ら 1981 のマップを見ると、 ピーク位置は l = [-25, -15] の範囲にある。図6と較べると、 位置角 90 は問題外で、しかし、 70 以下もピーク位置が l > -15 となるので困難に見える。 (2)リングが星形成域をカットするところ ( 色々書いてるが恣意的な気がするので 略) 6.2.内側渦状腕l = 33, 31 ピーク図1a には、 l = 33 に 2 ミクロンピーク、 l = 31 に 12 ミクロンピーク がある。l = 31 ピークは CO 盾座腕接線と一致する。l = 33 ピークは星の 連なりから予想される接線位置である。さらに l = 33 での光度関数は星形成 領域である l = 27, 21 でのそれと異なることが既に分かっている。l = 33 ピークは星形成領域ではない。 l = [22, 26] ピーク l = [22, 26] には 12 ミクロンの幅広のピークがある。これは 3 kpc 腕 の位置に合致する。 l = -22 ピーク l = -22 のピークは明らかにバーの反対側の端での星形成である。 しかし、12 ミクロンでは l = -27 に強いピークが、 l = [-20, -24] に 幅広のピークが見える。これは正銀経 l = [22, 33] のピークの殆ど 鏡像であるが、 2° - 3° 銀河系中心に寄っている。 |
l = -27, -29 ピーク もし l = -27 の強い 12 ミクロンピークがダスト腕に由来するなら、 l = -29 あたりに 2 ミクロンピークがあるはずである。実際 l = -28 と -30 にダブルピークがある。これは真のピークを -29 に持つ構造 の真ん中がダスト雲で割れているのだろう。この雲は 12 ミクロンで 明らかに現れている。 負銀経側での腕の接線 DIRBE マップは l = 33 と l = -29 に星の接線が見えることを明らかに した。しかし、もしもバーの方位角が 75 度で、腕はバー末端から出発するなら、 l < 0 の渦状腕で銀河系中心の向こう側へ回り込む奴は、純粋に 見込み角効果で、 l = -25 あたりから出発するはずで、 l = 29 には 何もないはずである。何らかの説明が必要である。 接線方向の説明 (1) 渦状腕の出発点はバーより前方にある。負銀経ではバーの方位角は 105° であるが、例えば腕の出発点がそれより 30° 以上前方と する。 (2)盾座腕は実は渦状腕でなく長軸半径 4.2 kpc の楕円である。 ここでは第1の説を取るが以下の説明は第2の説にも適用可能である。 盾座の幅広副構造 図1a では盾座腕は l = 33 でピークとなるが、 l = 36 では消滅する。 ガウシャンフィットは腕の FWHM = 400 pc を与える。しかし、前論文に 述べたように、 l = 37 でも弱い盾座腕成分がある。したがって、腕は 二重で巾 1000 pc の弱い腕があるらしい。 サジタリウス腕は 2 ミクロンで見えない これは、 Kent et al. 1991 の図6にも述べられているが、サジタリウス腕は存在すべき l = 51 に見当たらない。同様に DIRBE 2.2 ミクロンマップでも、 l = -29, +32 の接線ははっきり見えるが、他の接線は見えない。 これは腕の輝度が銀河中心距離が大きくなると急速に低下する という、棒渦状銀河で良く見られる現象の一例かも知れない。 |
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6.3.単純モデルと表面輝度マップとの比較![]() 図7.点線=バー位置角 75° のモデルフラックス。実線= DIRBE 観測。 比較のためモデルは少し下げた。 |
![]() 図8.点線=バー位置角 75° の改訂モデルフラックス。実線= DIRBE 観測。 |
表1にピークとへこみの一覧を示す。提案したモデルは 2 ミクロンと 12 ミクロンのフラックス間の逆相関を上手く説明した。ただし、この 論文で新しく導入したのは、バーに付随する星形成領域だけである。 おそらく、 Kent et al. 1991 との主な違いは、我々は 2 ミクロンピークを星の構造に結び付け、へこみ は見る際の幾何学効果と減光のどちらかに関連付け、全てを減光の せいにしなかったことであろう。 |
![]() 図9.銀河面上の配置図。太陽は (0, -8) にある。 |