ヒッパルコス RGB 星のモデルフィット ヒッパルコスサンプルの中から近傍 RGB 星を選び、その赤外超過とマスロスを調べた。 54 個の RGB 星の SED を DUSTY でフィットした。中心星は MARCS 大気モデルで合わせた。 第1ステップでは有効温度に基づいて最適 MARCS モデルを選んだ。第2ステップでは 最適のダスト光学的深さを DUSTY のフィットから決めた。 マスロス 54 個の RGB 星の内 23 星はかなりの量の赤外超過を示した。最も明るい L = 1860 Lo 星はマスロスを行っている最中であった。一方 L < 262 Lo の 5 星は どれもマスロスを示さなかった。265 Lo < L < 1500 Lo にある 48 星中 22 星は マスロスを行っている。間歇的なマスロス仮説を支持する結果である。 |
マスロス率 600 Lo より暗い星でマスロスが見つかったのはこれが初めてである。Vexp = 10 km/s, ガス/ダスト = 0.005 を仮定してマスロス率を見積もった。全天体に 1.1 Mo を 仮定しての結果は、 log(dM/dt) = (1.4±0.4)log L + (-13.2±1.2) log(dM/dt) = (0.9±0.3)log (L*R/M) + (-13.4±1.3) 球状星団の明るい星にも同じ操作を施した。その結果 SED フィットから出した マスロスと彩層活動度から導いたマスロス率の間によい一致が見られた。この彩層 輝線からのマスロス率を組み合わせると、 log(dM/dt) = (1.0±0.3)log L + (-12.0±0.9) log(dM/dt) = (0.6±0.2)log (L*R/M) + (-11.9±0.9) となる。メタル依存性は見られなかった。 NGC 6791 でのテスト この式を NGC 6791 で最近得られたマスロス率と比べた。スケーリングファクタ10が 必要だった。 |
ヒッパルコスから視差誤差 15 % 以下、(V-I) 誤差 0.15 以下の 44177 星を 選んで、図1に変光星の割合を図示した。 Av は Groenewegen 2008 の方法を用い、 log Teff = 3.65 - 0.035(V-I)o (Koen,Laney 2000) log R = 2.97 - log(π) - 0.2(Vo + 0.356(V-I)o) を使った。 RGB 選択 RGB 選択には、 (V-I) > 1.5 Mv < +1.0 100 Lo < L < 2000 Lo Av < 0.1 さらに、UBVJHK データがあり、 IRAS CiRR3 flag < 25 MJy/sr 以上の条件で 54 星 = 15 K-星 + 39 M-星が残った。 |
![]() 図1.ヒッパルコスから視差誤差 15 % 以下、(V-I) 誤差 0.15 以下の 44177 星の 変光星の割合。RGB はほぼ 100 % が変光星。 |
5.1.マスロス |
![]() 図5.DUSTY で density type = 3 のフィットで求めたマスロス率。 |
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