Anomalous Extinction in the Planetary Nebula Abell 30


Greenstein
1981 ApJ 245, 124 - 130




 アブストラクト 

 Abell 30 の 1250 - 8000 A の中心星 SED はとても奇妙である。 もし 20 万度の中心星が吸収ピークが 2470 A 付近にあるダスト雲に 埋もれていると考えるならその奇妙さは理解される。ダスト雲は強い IR 源である。  内部赤化は E(B-V) = 0.30 で A(2470 A) = 2.5 mag に達する。 この減光はグラファイトでなく、炭素煙の実験室測定に合う。 強い P Cygni プロファイルから強い星風の存在が分かる。中心星は O 型准矮星で He-C 縮退 DO に接近中である。


 1.イントロダクション 

 Abel 30 

 Abell 30 は高励起惑星状星雲で最近二つの H-プアーなガスを数 arcsec へと放出した。以前の放出ガスに依る星雲は直径 120" の対称星雲を 形成している。 図1には multichannel spectro-photometer (MCSP) の中心に星を 置いて、 1973 年にアパーチャ 10", 1979 年にアパーチャ 8" で スペクトルを撮った。6年の間に星と内側星雲のスペクトルが変わらな かったと仮定すると、小さい方のアパーチャでは星を 0.1 mag 暗くし、 星雲輝線 [OIII], [NeV], [NII]+Hα ブレンドも弱くしているが、 OIV, CIV, HeII+CIV ブレンドは不変であった。つまり、それらは 大部分星から来ている。

 減光 

 Abell 30 の銀緯は +33° なので赤化の大部分は内部減光からくる。 我々はこの天体が C リッチ、H プアーのダスト雲に埋もれていることを 見出した。Abell 30 は赤外源である。赤外輻射は UV 光の吸収で生じる ので、減光量の目安を与える。我々は UV 減光則を調べたがそれは 大変奇妙なものであった。



図1.実線=1973年の Abell 30 10" アパーチャ分光測光. 破線= 1979 年 8" アパーチャ。星の輝線は同じ強度だが、星雲の輝線は 1979 年の狭いアパーチャの方では弱くなっている。4”離れた星の弱い 連続光が赤い方で効いているかも知れない。二つの内側星雲からの放射が 双方に現れている。0.1 mag の光度低下は実際のものか、アパーチャ効果か 不明である。 Oke AB 1969 スケールを採用。  


 2.連続スペクトル 


図2.MCSP+IUE スペクトル。左= Cohen et al の赤外データ。 目盛が違っているので注意。赤外での上限値は矢印で示されている。 [α] = log[F(mJy)].データ源の違いが 示してある。内側星雲は IUE の大きいアパーチャに含まれるので、 禁制線に寄与している。星の可視域許容線は輝線となっているが、 紫外 域では非常に強い CIV, NV, OV 線は P Cyg 型となる。 OV 線は非準安定状態から出るので同定は暫定的である。  

 SED の様子 

 図2には図1の MCSP データを IUE の UV, CB, CHOS の赤外データと合わ せた。SEDは可視から 2500 A まで平坦という異常な形を示す。 そこから急に上がって再び第2の平坦部になる。その上に強い P Cyg 放射と 深い吸収が乗っている。20,000 K BB が大雑把に連続光にフィットする。 ただし 2500 A での急上昇は合わない。
 SEDの第1印象は 1/λ > 4 では非熱輻射が支配的で その上に適当な温度の輝線と吸収線が被さっているというものだ。 しかし、星の OVI と HeII 輝線、UV CIV, NV の P Cyg プロファイルは もっと高温を要求する。

 星周吸収 

 同じ U VI を持つ Abell 78 の SED (Cohen et al 1977 の図1) と較べると、 内部赤化が大きいことは明らかである。 Sitko, Savage (1980) が HD 45677 の星周ダストシェルの吸収で議論したように、アパーチャに 天体が含まれている場合は散乱光は視線に入って来るので減光に含まれない、 Abell 30 の場合はより複雑だが、小さく広がった星雲スペクトルに連続光が 弱いことからアルベドは弱そうである。赤外観測を積分すると、 赤外フラックスは紫外可視の10倍の大きさとなる。

図3.一点鎖線= Abell 30 の平滑化 SED. 通常の星間減光 (Savage,Mathis 1979) を様々な E(B-V) で脱赤化した結果を示す。 どれも尤もらしい形を与えない。 λ-1 = 4 の 窪みは消えない。2200 A コブによる過補正は SED に逆のコブを 生み出す。高温極限での αν ∝ ν2 を参考に示す。単破線=意味が良く分からなかった。

 星間減光曲線を用いた補正 

 星間減光曲線を用いた補正を行って、観測された紫外フラックスを赤外 フラックスの大きさにまで回復するには E(B-V) = 0.2 - 0.3 必要である。 しかしそうすると λ-1 > 8 で勾配が急になり過ぎる。 じっさい、 E(B-V) > 0,2 では図3から分かるように、 ν2 を越えてしまう。従って、内部赤化は異常な形をしているということである。


 3.紫外吸収曲線 

 Abell 30 の観測 SED [αν] を BB に補正することを 考える。    y = [αν] - log(Bν(T)) + const. を のゼロ点は分からない。 T5 = 1 と 2 に対しての結果を図4に示す。
( const. をどう決めているのか 良く分からない。私見では赤外フラックスを吸収量と等しくなるように するが。)

図4.破線=星間減光曲線 Aλ/E(B-V)。 R = Av/E(B-V) = 3.2 (Savage, Mathis 1979). 黒丸= BB(100,000K)星 SED からの吸収, 白丸=BB(200,000K)星 SED からの吸収 を E(B-V) となるよう規格化。UV コブが 2200 A から 2470 A へ移動して いる。実線=炭素煙の測定。  


表1.星からのフラックスと Abell 30 の内部吸収。E(B-V) = 1 に規格化。


 4.グラファイト減光の理論 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 


 5.星雲と星の物理パラメタ― 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 


 6.他の説明があるか?