新しい VLA 1.4 GHz 銀河面カタログ、l = [340, 120], b = [-0.8, 0.8], l = [350, 40], b = [-1.8, 1.8], l = [100, 105], b = [-2.5, 2.5], を MSX6C カタログとマッチさせた。これは Zoonenmatkermani et al が最初に 出版したカタログをデータを再解析した結果である。 | その結果新しいカタログでは 1.4 GHz 源の数が3倍になった。新しい 1.4 GHz カタログと MSX6C カタログの比較から 556 マッチが得られた。その大部分は 「赤」MSX 天体である。スケール高は 24' - 28', 8.5 kpc で 60 - 70 pc で ある。銀緯分布は l > 40° で平らになり、マッチ数は急落する。 |
元々のサーベイデータを再解析した。新しいデータは White et al 2005 で発表予定である。再解析の結果、電波源の数は 1992 から 7051 へと 増加した。90 % 検出限界は前の 25 mJy から 10 mJy に下がった。 その結果、ionization-bounded で光学的に薄い星雲を持つ B0 星なら 銀河系の向こう側の端でも F1.4 GHz = 30 mJy で検知可能と分 かった。しかし、星雲が光学的に厚くなると O-型星でさえも検出が困難 となる。 |
![]() 表1.早期型星の理論的な赤外および電波強度 |
マッチ基準 α と β α : r < 12" β: r < 25" 表2に基準によるマッチ数の違いを示す。 表3にはマッチの信頼度を示す。 表4にマッチの信頼度が高い電波源を示す。 |
![]() 表2.マッチング基準と結果 |
![]() 図1.左=MSX6C - 1.4 GHz マッチ天体の赤外二色図。 右= 観測領域内の MSX6C 天体全部の赤外二色図。 「赤」と「青」の種族 Lumsde et al. (2002) は MSX5C カタログの解析で、MSX 天体を「赤」と「青」の二つに分けた。 「赤」天体には HIIRs, PNe, 電波放射を伴わないメタノールメーザー、 YSOが含まれる。それらは深くチリ雲に沈んでいて、光球の光を直接見る ことは出来ない。「青」種族は主に進化した星である。 HIIRs と PNe 図1の左に MSX6C-1.4GHz マッチ天体の赤外二色図を示す。 比較のために右側には同じ領域内の MSX 天体全部の二色図を示す。 マッチングが赤天体のみを残したことは明らかである。銀河からの電波の 主天体が HIIRs と PNe なので、マッチング天体が両者から成ることは 確実である。しかし、両者を赤外カラーで分離することは難しい。 若い CHIIR と古い HIIRs, PNe 図2は、黒丸=低銀緯天体、白丸=高銀緯天体、に分けた MSX6C-1.4GHz マッチ天体の赤外二色図で、図2左の描き直しである。へえ生きんカラーが 高銀緯ではF14/F12 = 1.87, 低銀緯では F14/F12 = 1.38 と異なる。 これは、それぞれのバンド内にある [NeII]12.8μm と [NeIII]15.6μm 禁制線の強度比の違いを表すと考えられる。 |
![]() 図2.l = [350, 40] MSX6C-1.4GHz マッチ天体の赤外二色図。 黒丸=低銀緯天体。白丸=高銀緯天体。 F14/F12 は相対電離度に比例する。 高い F14/F12 は高い相対電離度を意味する。また、低銀緯ではこの比の 散らばりが σ = 3 % で高銀緯での 8 % より小さい。これは種族の違い を反映しているのでないか?最も若い天体=CHIIRs はダスト繭の中に包まれ ていて、銀河面にへばりつき、中間赤外カラー間の関係がキッチリ決まって いる。高銀緯天体はおそらく種族が混合していて、古い HIIRs や PNe が 混ざっている。それらは電離ガスの一部が直接見えていて、色々な輝線が バンド放射に寄与している。それら輝線間の相対強度の散らばりが二色図 上の散らばりを生み出している。この推測は Simbad などでも確認できる。 |
![]() 図4.MSX6C-1.4GHz マッチ天体の銀経分布。白棒:|b| = [0, 0.4]. 黒棒:|b| = [0.4, 0.8]. 高銀緯マッチ(黒棒)は銀経分布は平坦。 低銀緯マッチ(白棒)は l = 40° で急落し、 l = 80° 以降 は消失する。 |
![]() 表5.銀緯分布の銀経による変化。 図3と図4には MSX6C-1.4GHz マッチ天体 556 個の分布を示す。 図3では、MSX6C-1.4GHz マッチ天体の銀緯分布を銀経帯別に示す。 マッチ天体の銀緯分布 FWHM = 24' - 28' で狭い。しかしそれは 5 GHz マッチの 16' よりは大きい。おそらく 1.4 GHz の感度が 低いため、近い B 型星の割合が増えたためであろう。表5には 緯度分布の経度による変化を数字で示す。 図4は低銀緯と高銀緯に分けて銀経分布を示す。低銀緯ではマッチ天体 が l = 40° で急落する。それは図5にも明らかに見える。 |
![]() 図6.1.4 GHz 天体のサイズ分布。白棒=全電波源。黒棒= MSX6C-1.4GHz マッチ天体。 |
![]() 図7.電波源サイズと |b| の関係。 |
(1)MSX6C-1.4GHz マッチ天体は銀河面に貼りついている。サンプルが 主に種族 I であることを意味する。 (2)MSX6C-1.4GHz マッチ天体の数は l = 40° で急落する。 |
(3)MSX6C-1.4GHz マッチングにより「青」種族は省かれる。しかし、 マッチ天体を HIIRs と PNe に分けることは出来ない。 |