Small Magellanic Cloud: Hγ-Line Equivalent Widths and Luminosity Classes of the Brightest Blue Star Members


Azzopardi
1987 AAS 69, 421 - 438




 アブストラクト

  2000 個の対物プリズムスペクトルから、銀河系内の OB と 超巨星 O7 - F2 標準星、 SMC の 195 O9 - F8 星 の Hγ 線等値巾を得た。銀河系の星から、等値巾と MK 分類との相関を調べた。それを用いて、SMC の 青い星 172 個の 光度クラスを 与えた。

 1.イントロ 

 SMC の対物プリズム観測 
 SMC の距離と構造を決定することを目標に La Silla 40cm 対物プリズム アストログラフ観測が行われた。その第1段階は SMC の青く明るい星のスペクトル型 を決めることであった。

  Hγ 線等値巾 
 この論文では対物プリズムデータを全体として表示し、 Hγ 線等値巾を用いて 172 個の SMC 青色超巨星の光度クラスを 決める方法について述べる。その結果は SMC 星カタログとして、 Azzopardi, Vigneau 1982 に載せられた。この方法は、より高分解能で波長域も広いのスリットスペクトルほど MK-分類の信頼度は高くない。しかし、数が多いので将来の研究の足掛かりに有用である。


 2.光度クラスの決定法  

 2.1.観測法  

 観測には ESO 40 cm 対物プリズムアストログラフ (Frhrenbach 1966) は 121 A/mm, f = 4m を用いた。 λC = 4350 A, Δ λ = 250 A の干渉フィルターにより Hγ 線を選択した。視野は 3 平方度である。この装置で B = 14 mag まで Hγ 線観測が可能となった。

 2.2.観測データ  

 フィールド 23, 25 は SMC バー上に、フィールド 30 はウィングにある。 表1に使用された乾板のリストを載せる。

 2.3.適用される星種族  

 SMC 構造を調べるために、青色超巨星と OB 星が選ばれた。SMC の星に銀河系で 確立された MK 分類を適用するのは化学組成の違いを無視するという問題がある。 しかし、メタル量の違いの影響を評価できない。

表1.乾板リスト                             

 3.Hγ 等値巾の決定  

 スリット分光と比べると、対物プリズムによる分光はシーイングの影響が大きい。 で、シーイング 2 arcsec 以下のデータのみ使用。

 3.1.標準星  

 干渉フィルターありとなし 

 銀河系標準星 33 個の Hγ 等値巾を干渉フィルターありとなしとで観測し、 その相関を調べた。図1の結果は

   W(FS) = (0.98±0.01)W(US) + 0.51±0.27

であった。相関係数 r = 0.998 で系統誤差はない。

 ESO と OHP 

 観測が ESO, OHP の2か所で行われたのでその関係を調べた。結果は

   W(OHP) = (1.05±0.04)W(ESO) - 1.05±0.93

であった。サンプル数が少ないが系統誤差はないと看做せる。


図1.33 銀河系標準星の Hγ 等値巾の、WFS = 干渉フィルター使用 と WUS = 干渉フィルター不使用の比較。実線=線形フィット。破線=エラー 無しの関係。
 他著者との比較 

 他の著者による等値巾との比較を図2に示す。我々の結果は他とよく一致している。

 標準星の等値巾 

 銀河系内標準星の等値巾を表3に示した。




図2.銀河系標準星の Hγ 等値巾の、我々と他著者との比較。 (a)Kopylov, (b)Williams,(c)Petrie,(d)Sinnerstad, (e)Crampton, (f)Balona



表3.銀河系内標準星の等値巾





 3.2.SMC 星の等値巾 

 選択 

 視察からまず 304 星を選び、 3000 スペクトルを PDS で測定し、輝線星や 特異星を除くと、 195 星が残った。測定に用いる連続光のデンシティは 0.2 < D < 1.2 のみとする。D = 0.2 の基準から露出時間は 45m(B=12), 1h30m(B=13), 3h(B=13.6) 必要である。露出時間同士の測定結果の比較を 論じているが、影響ないという結論なので省略。

 195 SMC 星の等値巾 

 195 SMC 星の等値巾を表5に示す。スペクトル型は O9 - G0 である。

 他著者との比較 

 図4には Huchings 1966, Dubos 1982 の結果との比較を示す。一致は大変に良い。 それにも拘わらず、相関係数は標準星の場合ほど良くはない。これは主に SMC が 標準星より暗く S/N が悪いためと考えられる。Hutchings 1966 の結果は我々の値に比べ 系統的に大きい。

図4.(上)我々の等値巾と Hutchings 1966 との比較。 (下)我々の等値巾と Dubos 1982 との比較。実線=最少二乗フィット。 破線=エラーなし。




表5.SMC 星の等値巾







 4.MK 光度クラスの決定 

 MK スペクトル型と Hγ 線等値巾の関係 

 バルマー線の何本かと光度の間に強い関係があることはよく知られている。(Tully, Wolff 1984) 図5には 表3から採った MK スペクトル型と Hγ 線等値巾の関係 をプロットした。図からはスペクトル型と等値巾が分かれば、光度クラスが決められる ことが判る。しかし、同時に 19 個の星、つまり 18 % はフィットに従わないことも 示されている。それらの星のデータとフィット線との間隔は等値巾のエラーで説明する には大きすぎる。
 フィットから外れる理由 

(i) 近くの星の混入 

(ii) 連星効果 

(iii) 大気の異常 



図5.103標準星の Hγ 等値巾と MK-光度クラスの関係。白丸=関係にうまく 乗らない星。菱形= IaO またはクラス V。黒丸=Ia, III。三角=Iab, IV。四角= Ib。

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



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図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.

  

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 



図.


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