現存のスペクトル及び測光データを全て用いて、全天の星間減光をマップした。 色超過分布を (l, b, r) の関数としてモデル化した。 | このモデルは色超過が得られない高銀緯に有用である。 |
![]() 表1.MK-分類のある星の数 (26,052 星) INCA データベース INCA データベースは 215,000 星を含む。Hipparcos Input Catalogue の準備 の際に、SIMBAD からの分光データも全て取り込まれた。最終的には 77,000 星 が MK スペクトル分類を、 94,000 星に HD スペクトル分類が与えられた。 |
![]() 表2.HD-分類のある星の数 (16,569 星) MK 分類のある星を使った。 最終サンプルからは変光星、10" 以内の連星を除いた。INCA データベースの 星は V = 13 よりは明るい。MK 分類のある星が星間減光モデルを作るのに使われた。 |
![]() 図1a.l = [180, 190], b = [-5, 5] の Av-D 関係。ビン=500 pc. Av と r の導出 各星毎に減光を以下の式で求めた: AV = R EB-V EB-V = (B-V)ph - (B-V)0 R = 3.30 + 0.28(B-V)0 + 0.04 EB-V r = 10(V - Mv + 5 -Av)/5 Mv, (B-V)0, R 式は Schmidt-Kaler 1982 から採った。 区分分け 天空は Lucke (1978) の近傍赤化分布図にしたがって、199 の細胞に分割された。 Neckel, Klare (1980) の図は Av は第一近似として二次式で表されることを示す。各細胞で Av は 次の式で表されるとする。 Av = α r + β r2 (r < ro) ここに ro = 吸収層境界までの距離である。ro の第1近似は ro = 0.2 kpc/sin b |
![]() 図1b.l = [20, 40], b = [15, 30] の Av-D 関係。ビン= 100 pc. ro の先は? 中間ー高銀緯では ro の先吸収は一定である。低銀緯 |b| < 15° ではその先線形の伸びを加算する。 Av = Av(ro) + γ (r-ro) rdec と rlarg 上の図1を眺めると Av は r = rdec で放物線の頂点に達する。 その先 Av は下降するがそれは近似式の人工効果である。また、一方 Av は その方向で観測されるされる最大値、その時の距離 r を rlarg とする、を超えてはいけない。その上、この最大減光値は文献に見られる結果 と比較されるべきである。我々は以下の値を採用する: Amax = 0.1 (60° ≤ |b| ≤ 90°) Amax = 1.2 (45° ≤ |b| ≤ 60°) Amax = 3.0 (45° ≤ |b|) Amax に対応する距離 rmax は図1には現れない。 なぜならそれは図1a では 9 kpc であり、図1b では到達しない値だからである。 |
Av 誤差 各星に対し、Av の誤差を以下の式で与える: errAv = { 0.152 + [σAv/Av)Av(r)]2}1/2 ここに、0.15 mag は最初の3つの公式から Av を導く際の不定性の仮定値で ある。相対誤差 σAv/Av の全天平均は約 35 % である。 r ≤ 200 pc で Av 大きめ 全天の一般的な減光パターンを求めたため、減光物質の細かい不規則性は 無視されている。r ≤ 200 pc では Av を少し大きめに表す傾向がある。 図2に de Geus et al 1989 による Walraven 測光からの結果を比較したが、 それを見ても分かる。 Neckel, Klare 1980 Av < 0.5 では Neckel, Klare (1980) との一致は非常に良い。Av 大の所では物質分布の細かい不規則性が効いてくる。 |
![]() 図2.我々の Av と de Geus et al 1989 の Av の ケンタウルス-狼座上部 領域での比較 |
![]() 表3.MK-スペクトル型の与えられた星について(B-V) への補正と (B-V) の不定性。 |
δB-V 表1、2にある各星に対し、前節で与えられる Av を用いて (B-V) を計算 した。それを (B-V)red と名付ける。 δB-V = (B-V)red - (B-V)ph の 分布を, スペクトル型、光度クラス別に計算した。表3と4には EB-V の4区分における 〈δ〉 を示す。 〈δ〉 は ゼロに近いと期待されるが、一般には EB-V と共に増加して行く。 ( δB-V = (B-V)red - (B-V)0 じゃな いのか? ) B−V スペクトル型から Mv, (B-V)o が分かる星の V が与えられたとする。逐次近似 のスタートとして Av = 0 を仮定する。そこから Av(r) を決め、 (B-V) = (B-V)o + E(B-V) - δB-V を得る。 ( 何をしているか理解できない ) ![]() 表4.HD-スペクトル型の与えられた星について(B-V) への補正と (B-V) の不定性。 |
![]() 図3a.MK スペクトル型星に対する Δ(B-V) = (B-V)NDAC - (B-V)INCA とスペクトル型の分布。 カラー比較 上に述べたモデルは内部無矛盾であるが、INCA チームが予想した (B-V)INCA と NDAC 整約チームの予備観測から求められた カラーを比較することは有意味である。 Δ(B-V) 図3に Δ(B-V) = (B-V)NDAC - (B-V)INCA の分布を示す。 |
![]() 図3b.HD スペクトル型星に対する Δ(B-V) = (B-V)NDAC - (B-V)INCA とスペクトル型の分布。 ![]() 図4.a: (B-V)NDAC と計算した (B-V) との差の分布。 b: (B-V)NDAC と非一様天体の (B-V) との差の分布。 |
![]() 図5.減光モデルから r = r0 で計算した E(B-V) と Burnstein, Heiles の銀河カウントと HI 観測から出した E(B-V) との比較。|b| = [15, 45] |
![]() 図6.b > 60 におけるモデル E(B-V) とHI からの E(B-V) の比較。 |
研究の主目的はヒッパルコスに使用する星で光電測光値の無いものにカラー を与えることである。 | そのために作成した3次元減光マップはより一般的な応用が可能である。 ただしその精度は 40 % である。 |