銀河学校2017は2017/3/28-31の4日間にわたって開催され、全国の高校生37名が参加しました。
高校生たちは3つの班に分かれ、 「A. 明るい彗星には暗い未来!?」、「B. 銀河系(われわれの銀河)の姿を探れ!」、「C. 星のないところにガス?」というテーマに挑戦しました。 シュミット望遠鏡を用いた観測と天文学の本格的な研究を行い、それぞれの班が優れた結果を出すことができました。 3泊4日のハードなスケジュールをこなしながら、高校生同士やスタッフ・TAとの交流を深めていました。 各班のテーマはこちらこちらをご覧ください。 |
銀河学校2017スナップショット |
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夜空に尾をたなびかせて個性豊かな姿で私たちを楽しませてくれる彗星の本体(核)は、氷とちりでできた「汚れた雪だるま」のようなものと考えられています。普段は不格好な雪だるまたちですが、太陽に近づくと氷が融けてガスが放出されます。さらに、ガスに押されてちりも放出されます。このガスやちりが、尾となって観測されるのです。つまり、彗星は自分の身をけずりながら、あのような美しい姿を見せてくれます。では、彗星はいつまで彗星としての姿を保っていられるのでしょうか?いつかは、春の雪解けのように、なくなってしまうのでしょうか?これは、現在でも明らかになっていない謎です。この班では、木曽105cmシュミット望遠鏡の広い視野をいかして、長い尾をひく彗星の観測をします。肉眼で見えるような彗星はたまにしか現れませんが、望遠鏡を使えばさまざまな彗星の姿が見えてきます。その色や形から、彗星の正体や個性の違いを探ります。そして彗星はこの先どのようになっていくか、彗星の未来について考えていきましょう。
太陽、地球、その他の惑星などがふくまれるわれわれの太陽系は、2000億個ともいわれる夜空を構成する恒星とともに、「銀河系」という星のあつまりのなかに存在しています。そして、「銀河系」はアンドロメダ銀河やマゼラン星雲などと同じ銀河のひとつと考えられています。 それでは、「銀河系」に住んでいるわれわれにとって、「銀河系」は、どんな事柄についても最もよく調べられている銀河なのでしょうか。実はそうではありません。太陽や月が丸い形をしていることは太古の昔からわかっていました。しかしながら、地球が丸い形をしていることは、15世紀にコロンブスが航海した時代でもはっきりしていませんでした。これと同じく、われわれ人類は、未だかつて 「銀河系」を外側から見たことがありません。そのため、形や大きさ、構造について、よくわからないことが多いのです。 この班では、木曽105cmシュミット望遠鏡でとられた画像から「銀河系」の構造を調べます。多くの銀河には渦巻きの形が見られます。「銀河系」には、この様な渦巻き構造があるのでしょうか。研究の材料となるものは、自分たちで撮る星の写真です。ここから、どのような方法、考え方を使うと結果が得られるのでしょう。自分たちの頭で考えながら、一歩ずつ着実に、研究を進めていきましょう。
宇宙には様々な種類の銀河が存在しています。アンドロメダ銀河や回転花火銀河のような渦巻きを持った銀河もあれば、比較的丸い形をした銀河もあります。銀河を構成する星やガスは、銀河の中で同じように分布しているのでしょうか?実は、「ガスからの光が強く観測されるのに、そこには星からの光があまり観測されない」銀河が存在することが知られています。ガスはちりとともに星をつくる元になると考えられていますが、このガスからは星ができないでしょうか?C班では、いくつかの銀河を木曽105cmシュミット望遠鏡で観測し、星とガスの分布を調べてみましょう。そして、その分布が同じなのか、違うのか、どういう理由でそうなっているのか、をいっしょに考えていきましょう。
『銀河学校2017』は、「子どもゆめ基金」の助成と、「NPOサイエンスステーション」の協力を受けて開催されました。