銀河学校2015は2015/3/24-27の4日間にわたって開催され、全国の高校生35名が参加しました。
高校生たちは3つの班に分かれ、 「星団から探る星の性質」、「銀河の形は生まれか育ちか?」、 「どんな星が超新星爆発を起こすのか?」というテーマに挑戦しました。 シュミット望遠鏡を用いた観測と天文学の本格的な研究を行い、それぞれの班が優れた結果を出すことができました。 3泊4日のハードなスケジュールをこなしながら、高校生同士やスタッフ・TAとの交流を深めていました。 各班のテーマはこちらこちらをご覧ください。 |
銀河学校2015スナップショット |
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夜空を見上げると、明るい星も暗い星も、赤い星も青い星も、とさまざまな星があることがわかります。これらの星の特徴には、何か決まりごとがあるのでしょうか。
ところで、私たちがみている星の明るさは、星の本当の明るさなのでしょうか。同じ明るさに見える星でも、遠くて明るい星も、近くて暗い星もあるはずです。これらの星を、同じ明るさの星として考えてはいけない気がしてきませんか。星までの距離がわかると、星の本当の明るさが求められそうなのですが、実は星までの距離は簡単に求めることができません。そのため、星の本当の明るさを求めることは大変難しいことなのです。そこで、星団という星の集団に注目します。星団の星であれば、距離はほぼ同じと考えることができるので、見かけの明るさが、本当の明るさと比例していて、星の性質を調べる際に都合がいいのです。
この班では、星団を観測し、その中の星の明るさと色を調べ、星の特徴に隠された法則を探ります。また、星団の中に、奇妙な星が見つかったら、その性質も探ってみましょう。
数千億個の星の集団を銀河と呼びます。銀河には丸い形をしたもの、渦を巻いているように見えるものなど、さまざまな形(形態といいます)をしています。なぜ、銀河の見た目には個性があるのでしょうか。彼らは始めから丸かったのでしょうか。渦を巻いていたのでしょうか。それとも成長とともにその形を変えていったのでしょうか。
この班では、銀河が見せる「形態」の多様性の起源を、銀河の大集団である「銀河団」を通して探ります。銀河団という一つの家族のメンバーである銀河たち・・・彼らの見た目は生まれつき?それとも育ってきた環境で変わる?
星の最期の大爆発である超新星爆発は、普通の銀河では100年に一度程度の頻度でしか起きませんが、一部の銀河ではこれまでに複数の超新星爆発が観測されています。その一つであるM61(NGC 4303)をHalpha輝線で観測します。この銀河は、過去100年に7つもの超新星爆発が記録されている非常に珍しい銀河です。そこから得られる、星の生成率と超新星の爆発頻度を比べることにより、どのような星が超新星爆発を起こすのかを探ります。
『銀河学校2015』は、「子どもゆめ基金」の助成と、「NPOサイエンスステーション」の協力を受けて開催されました。