銀河学校2014

銀河学校2014は2014/3/25-28の4日間にわたって開催され、全国の高校生36名が参加しました。
高校生たちは3つの班に分かれ、 「小惑星の大きさ分布を求める」、「星雲の色や構造、距離を求める」、 「光にこめられたもう1つのメッセージ」というテーマに挑戦しました。 シュミット望遠鏡を用いた観測と天文学の本格的な研究を行い、それぞれの班が優れた結果を出すことができました。 3泊4日のハードなスケジュールをこなしながら、高校生同士やスタッフ・TAとの交流を深めていました。  各班のテーマはこちらこちらをご覧ください。
 

 


銀河学校2014スナップショット

各班のテーマ

A班: 小惑星の大きさ分布を求める

地球や木星のような惑星は、太陽系ができる過程で微惑星と呼ばれる小さな天体が集積してできたと考えられています。しかし、火星と木星の間には多数の小惑星と呼ばれる小さな天体があり、こうした天体は木星の強い重力の影響で集積することができなかった太陽系初期の小さな天体の成れの果てで、小惑星は太陽系ができた時の情報をそのまま持っていると考えられています。 この班では、地球から見て太陽と反対方向の夜空にシュミット望遠鏡を向け、自分たちで小惑星を探します。さらに、見つかった小惑星の大きさを観測から求め、小惑星の大きさごとに見つかる小惑星の数がどのように変化するのかを調べます。小惑星の大きさ分布を調べることは、惑星がどのように形成されたのか、惑星の元になった微惑星がどのような性質を持っていたのかを知る手掛りになります。

B班: 星雲の色や構造、距離を求める

望遠鏡をつかって空をみると、雲のように明るくかがやく星雲を見つけることができます。オリオン大星雲、バラ星雲、北アメリカ星雲といった名前を、どこかで見聞きしたことはありませんか。写真を見ると、まさにバラや北アメリカ大陸のような形をしていて、大変興味を持つことでしょう。そして、これら星雲の写真をいくつか見ていくと気づくことがあります。多くの星雲が赤い光でかがやいていませんか。どうしてなのでしょう。この光は星雲自身が出しているのでしょうか、それとも何かに照らされて光っているのでしょうか。また、オリオン大星雲までの距離は1500光年、バラ星雲までの距離は5000光年と知られていますが、これはどのようにして測られたのでしょう。そして、星雲の中に地球があったとしたら、そこからはどのような夜空が見えるのでしょうか。 この班では、星雲を観測し、色や構造を探ります。そして、星雲までの距離や実際の大きさも求めてみましょう。

C班: 光にこめられたもう1つのメッセージ

偏光(へんこう)という現象があります。光は「横波」の性質を持ちますが、その波の揺れが特定の方向に偏(かたよ)る現象を偏光と呼びます。自然界の光の大部分は偏光していません。しかし、ある特殊な環境から発せられる光は強い偏光をおこします。この班では天体光の偏光を計測する観測装置を製作します。そして、その装置を105cmシュミット望遠鏡に取り付けて様々な種類の天体(星形成領域、惑星状星雲、超新星残骸、渦巻き銀河など)を観測します。観測される偏光の情報はその光を発する「物」の正体を探る強力なツールとなるでしょう。


『銀河学校2014』は、「NPOサイエンスステーション」が共催しました。


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