(第3回目)銀河学校2000
開催期間:2000年3月27日-29日
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- 実習タイトル: 「散開星団のHR図作成」
- 解 説: 比較的多くの恒星が集まった集団を散開星団と呼びます(球状星団はまた別の特徴を持った天体なので間違えないこと)。散開星団は若い星の集団であると言われており、撮像観測のデータを元にHR図の作成を行ない、恒星進化の理論と比較することによって、その年齢を考察することができます。
若い恒星はカラーが青いため、近赤外線による観測よりも、可視光による観測を行なうほうがより有益なデータを取得することになります。
- 実 習: 実習では「105cmシュミット望遠鏡+可視光2K-CCDカメラ」を用いてNGC2281、NGC2420、NGC2682の可視光Bバンド(波長4200オングストローム)とVバンド(波長5500オングストローム)の撮像観測を行ないました。NGC2281はぎょしゃ座、NGC2420は双子座、NGC2682は蟹座に存在する散開星団です。
(図1:105cmシュミット望遠鏡+可視光2K-CCDカメラで
観測された散開星団NGC2682。色は疑似カラー。)
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実習ではさらに可視光撮像イメージのデータを元にして、それぞれの散開星団に属する恒星の等級とカラーが測定され、HR図が作成されました(図2参照)。
(図2:散開星団NGC2281とNGC2682のHR図。縦軸が等級、横軸がカラーを示します。)
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NGC2281とNGC2682に属する恒星のそれぞれ全てが、ほぼ同時に誕生したと仮定し(この仮定は様々な研究によってかなり妥当なものとされています)、このHR図と恒星の進化理論を比較することによって、散開星団NGC2281の年齢は3.5億年、NGC2682の年齢は63億年と計算されます。
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2001/12/28 05:57 revised by Nishiura, S.