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東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画 |
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TAO望遠鏡6.5m主鏡表面研磨開始!TAO6.5m望遠鏡では、空からの光が最初に入射する「主鏡」が6.5mもの大きさになります。 2013年に国から認められた建設予算をもとに、TAO6.5m望遠鏡に使用する鏡の仕様の検討をさらに進めた結果、主鏡には、チリ共和国ラス・カンパナス天文台マゼラン望遠鏡等の複数の大型望遠鏡で使われている、アリゾナ大学スチュワート天文台ミラーラボ製の軽量ハニカム鏡を採用することに決めました。直径6.5m、厚さ0.71m(最も薄い中心部でも0.39m)もの大きさにも関わらず、中をくり抜いた蜂の巣構造をしているため、約9トンと軽く、その比重(0.4g/cc)は水よりも軽くなります。例えば、薄いメニスカス鏡を採用しているすばる望遠鏡(直径8.3m、厚さ0.2m、重量22.8トン、比重2g/cc)と比較すると約1/5の比重になります。 アリゾナ大学スチュワート天文台ミラーラボの持つ高度な鏡面研磨、鏡面精度測定、主鏡支持の技術により、TAO6.5m望遠鏡の建設されるチャナントール山頂での良好な観測環境を劣化させることなく、世界随一の観測が行えると期待しています。 アリゾナ大学スチュワート天文台ミラーラボ
アリゾナ大学スチュワート天文台ミラーラボは、ロジャー・エンジェル博士を創始者として、アリゾナ大学内のフットボールスタジアムのスタンドの下に工場が建てられました。ボロシリケイトガラスでハニカム構造を作る実験を重ね、1992年に鋳造した最初の6.5m鏡がMMT望遠鏡に設置されたのをはじめ、Magellan望遠鏡、LBT望遠鏡など多数の大型望遠鏡の鏡を製作してきました。
主鏡製作の契約予算措置以後、ミラーラボへの2回の訪問を含め、6.5m主鏡の仕様の詳細に関する協議をミラーラボと続けてきました。2013年9月に、アリゾナ大学スチュワート天文台ミラーラボと主鏡製作の契約を交わしました(写真2)。 契約締結後も、月2回のペースでskype会議を行うとともに、2014年4月にはTAOメンバーがミラーラボに、2014年7月にはミラーラボメンバーが東京大学を訪問し、より良いものを製作するため議論を深めています。
主鏡製作の経過製作は順調に進み、2014年2月には裏面の研磨を終え、主鏡を背面から支えるとともに、主鏡の表面形状を微調整するための支持器具も取り付けられました(写真3)。現在、表面の研磨を開始したところで(写真4)、2015年春に製作が完了する予定となっています。 TAO望遠鏡を構成する副鏡、第三鏡、鏡面支持機構についてもスチュワート天文台と2014年1月に製作契約を結び、主鏡完成後、続々と完成する予定です。
Copyright(c) 2014 東京大学大学院理学系研究科 TAO計画推進グループ
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