IRAF Standard Star
Last Update 2006/06/16
「IRAFでのspectral flux calibrationの際に、IRAFのデフォルトでは
組み込まれていない標準星(またはそのスペクトルファイル)を
自分で組み込むにはどうすればよいか?」について。
- HST/STISのファイルはCALSPECのページから持ってくることができる。
- fvなどを使ってfitsファイルをテキスト化する。
- デフォルトでは以下のコラムが記入されている。
- wavelength [A]
- f_lam [erg/cm^2/sec/cm]
- f_lam_err (statistical) [erg/cm^2/sec/cm]
- f_lam_err (systematic) [erg/cm^2/sec/cm]
- FWHM [A]
- data quality
- total exposure [sec]
- IRAFに組み込むには、onedstds$(?)に該当するディレクトリの下に新しくディレクトリ(ここでは"add"とする)を作る。
既存のディレクトリの中にファイルを足してもよいが、ややこしくなるのでやめておく。
- onedstds$addの下にstandards.menというファイルを作る。中身の例はこちら。
- onedstds$の下のnames.menに上で書いた標準星の名前を追加する。
- addの下に置くファイル名は、standards.menの中に書いた標準星名に".dat"をつけたものにする。
- 追加する標準星ファイルの中身は以下の通り。(以下、詳細はIRAFのnoao.onedspec.standardのhelpを参照)
- wavelength [A]
- magnitude (AB magnitude) = -2.5 * log(f_nu) - 48.60
- bandpass width [A] # standardタスクを実行したときに、スペクトル上に出てくる印の大きさはこれで決まる?
- つまり、IRAFに組み込むには、CALSPECのデータから以下のコラムのファイルを作ればよい。
- wavelength (=$1)
- magnitude (=-2.5*log10($1*$1*$2/c)-48.6)
- bandpass width (=$1の幅)
- standardタスクのデフォルトではfnuzeroというパラメータが3.68e-20という不思議な値になっている。
これはVegaの5556[A]でのflux3.52e-20[erg/cm^2/s/Hz]が0.048[mag]であることから出しているらしいが、
AB magnitudeの定義のゼロ点3.63e-20とは微妙に異なる。standardを実行する際に、パラメータを変更する
べきなのかもしれないが、helpには"This is the same value that was used by all previous versions of this task."
とあり、詳細は不明。
- HST/STISデータは、IRAFにもともと含まれているファイルよりもサンプリングが細かく、
sensfuncの際のorderを大きくしないとうまくフィットできない場合がある。
例えば、BD+28d4211を、Subaru/FOCASの300B/L600で取得したデータで、3800[A]-6200[A]の範囲で
試したときは、order=5くらいではダメで、order=20でやっとフィットがうまくいった。
データ点が多い(この場合は451points)ので、多少次数が大きくなっても問題なし。