天文学研究室(祖父江研究室)
明星大学理工学部物理学系,理工学研究科物理学専攻
◆天文学は、人類が環境とルーツを探る中で確立した基礎的で先端的な学問です。
地球と文明の未来を考え、文化として私たちの宇宙観を語るには必須の学問です。
人類の宇宙観は天文学によってダイナミックに変革をとげました。現在では、
宇宙の果て―それはとりもなおさず宇宙の始まりですが―を身近に観察するに
至っています。
宇宙に無数にある銀河を観測することによって時間を遡り、137億年の歴史を
生きたまま目の当たりにすることもできます。天文学はいま、人類を知的な
宇宙大航海時代へ導き、先端的な観測によって日夜発見が続いています。
◆私たちの研究室では、天文学・天体物理学・宇宙科学について学びます。
そして、宇宙の基本的な構成員である銀河や私たちが住む銀河系の構造・
動力学・中心核活動、ダークマターの詳細分布、星間物質と星形成などに
ついて先端的な研究を行っています。
◆大学院研究テーマ
銀河天文学、星間物理学、天体物理学、宇宙物理学について、大型観測装置
による最先端の観測およびデータに基づいて専門的に研究します。
研究テーマは、銀河、銀河系の構造と動力学、銀河中心の活動、
星間物理学と星形成、銀河環境と宇宙、ダークマターなど、広範囲に
及びます。研究は、各院生の独自性と興味に応じて選択し、教官との
共同研究の形で進めます。
◆学部卒論テーマ(物理学ゼミナール、卒業研究)
天文学および宇宙科学について、個々の学生の興味と学習背景に応じた
テーマを設定して考究と研究を行います。配布の本をゼミで読みながら、
研究テーマを決め、各グループでデータ解析と観測、天文学考究を行います。
<1.銀河・銀河系の研究>
銀河および天の川銀河の回転や質量構造、銀河中心の活動と物理などを、
観測データの解析や実際の観測、理論計算などによって研究します。
<2.星間物質の研究>
星間ガスや雲の構造と性質、星の形成、星の爆発と星間ガスなどについて、
観測やデータの解析、あるいは理論的考察によって研究します。
<3.太陽・恒星の研究>
典型的な恒星としての太陽の性質や物理について考究し、黒点や爆発象など
太陽表面の活動性について観測とデータ解析を行います。
<4.渦巻き銀河の流体実験(銀河水槽)>
渦型の凹凸底面をもつ室内円形水槽を作り、水流表面波による流体実験に
よって再現することで、渦状腕の形成メカニズムや性質を研究します。
<5.40cm望遠鏡天体観測>
明星大学天文台ドーム40cm望遠鏡による観測、データ解析、天文学考究。
観測例:
(a)月面クレーターのサイズ分布と衝突小惑星の質量分布
(b)変光星の観測
(c)星団のHR図と星の進化
<6.その他> 独自に興味をもつ研究テーマがあればそれを取り上げます。
学期初めの数回はゼミナール形式で進め、議論のなかで学生が自発的に
テーマを選ぶようにします。他大学、研究所と共同で研究を行っている
テーマでは、学生は共同研究に参加しながら卒業研究とします。
Meisei University, Dept. Physics
Meisei University