The Optical Remnant of W 50 (SS 433)


van den Bergh
1980 ApJ 236, L23

 アブストラクト

 パロマ― 120 cm シュミットで撮った Hα, [S II] 干渉フィルター乾板 に糸状の星雲が見つかった。それは W 50 の東端と西端に位置する。赤外乾板 には、その中心付近に何の星集団もなかった。 SS 433 までの距離は過大に評価 されており、この天体は W 50 に随伴しているのではないか。

 1.イントロダクション  

 SS 433 W 50 = G39.7-2.0 の中心付近に位置する。W 50 に随伴する可視の 構造は見つかっていない。

 2.観測 

 POSSを調べると、W 50 の中心付近は巾 0°.5 の暗黒帯に覆われている。 暗黒雲にも、その外側の濃い星野にも、輝線星雲は見えない。星の光を抑えるため、 パロマ― 1.2 m シュミットに巾 165 A Hα(図1) と巾 166 A [S II](図2) 干渉フィルターによる写真を撮った。
SS 433 の東西、W 50 の電波シェルがダス ト帯を超して広がる位置に微かな輝線構造が見えた。東側円弧の最も明るい部分は POSSのレッドプリントにも現れている。  Velusamy, Kundu 1974 の 11 cm 電波サーベイの結果と比べると、可視の 糸状構造は電波シェルの外側端付近に位置することが分かる。これは SNR で あろう。IV N + Wratten 89B 赤外乾板を撮ったが、星の集団は SS 433 位 置に見つからなかった。

 3.議論 

 W 50 のフィラメントは非常に弱く、少し拡散している。形態学的には これは RCW 89 と RCW 103 の中間にある。電波、可視観測から W 50 の広がり は 56 × 88 である。 Ryle et al の Σ - D 関係によると、距離 3.3 kpc が導かれる。すると実サイズは 54 × 84 pc となる。これはこれまで知られた中で最大の大きさで、 W 50 距離は少し過大に見積もられているのかも知れない。



図1.Hα 乾板。上が N, 右が W. バー= 5


図2.Hα 乾板の拡大。フィラメントは SS 433 の 30  E に位置する。