W 50 周辺の IIIaF 乾板に SS 433 を中心とする二つの約 20 分角の星雲が 互いに 70 分角離れて見えた。AATによるスペクトルは 40- 60 km/s の低速 ショックによる励起を示した。 | これらのデータから、この可視フィラメントは SS 433 の相対論的ビームによって 励起されていると結論した。ビームの放出率は 3 × 10-6 Mo/yr, 系の年齢は 105 yr である。 |
非熱的電波 SNR に伴う可視糸状構造を探す試みが UK シュミットで続けられている。 古い SNR は Hα, [S II], [N II], 輝線が支配的なので、レッド乾板は 最適である。Clark, Caswell 1976 の SNR カタログから作ったオーバーレイを用いて 探索領域が決められる。 | 乾板上で糸状の構造がないかを調べた。構造が見つかると、アンシャープマスク (Malin 1978)を使って、大きな密度変化を落とし、コントラストを上げた写真 が作られた。 |
関係天体 W 50 は 11-cm では東西に弧を持つ球状シェルである。408 MHz マップには 東西に伸びる北側シェルが見える。南には SS 433 がある。UKSTU レッド乾板には 20 分角の長さで、互いに 70 分角離れた二つの弧が見える。この二つは SS 433 から ほぼ等距離にある。それらを表1に載せた。 弧 東の弧は西より明るく、POSS でも微かに見える。IIIaF/RG630 乾板上では はっきりと見える。二つの弧は銀河面にほぼ平行に走り、画面を南北に横たわる 暗黒帯によって切り離されているようだ。 ![]() 乾板1.(a). W 50 全体の UKSTU IIIaF/RG630 乾板による高コントラスト乾板。 (b). W 50E フィラメントの拡大。 (c). W 50W フィラメントの拡大。 |
電波マップ 図1に 2695 MHz マップを示す。可視糸状構造の位置も示した。 W 50 はシェル 型電波源で、シェル内側の放射が異常に高い。西と東にコブがある。SS 433 はその ほぼ正確に中心に位置する。可視糸状構造はコブ付近でシェルにつながっている。 可視スペクトル 可視スペクトルは AAT で撮られた。[N II] と [S II] が Hα に比べて 異常に強いのは驚くべき特徴である。速度巾は比較的小さく 40 -60 km/s である。 ![]() 図1.2695 MHz 電波シェルと可視弧の位置関係。 ![]() 図2.可視弧 W 50E のスペクトル。[O I] 6300A と [S II] 6717, 6731 A の間。 |