Mean Absolute Magnitudes and Space Motions of the LPV Stars


Wilson, Merrill
1942 ApJ 95, 248 - 267




 アブストラクト 

 スペクトル型 Mw, Se の長周期変光星の視線速度と固有運動を用いて、その 平均絶対等級 ⟨M⟩ を求めた。全体としては ⟨M⟩ = -1 であったが、グループ間の系統変化がある。例えば、速度要素の内の3つ= 特異角速度 ⟨τ⟩ 、特異実速度 θ、実集団運動 Vo、は 周期と共に増加していく。 Me 型星の場合、それはスペクトル型の晩期への移 行を伴う。これらの相関を表す曲線、および第4の速度要素、視差運動、から 絶対等級はスペクトル型と周期とに相関することが判った。Me 星の絶対等級 ⟨M⟩ は、M1e での -2.7 から M8e での +0.3 へとほぼ線形に 変化する。
光度と周期の関係はよりタイトでおそらくはより基本的である。それは、周期 175 日で ⟨τ⟩ = -2.7 から、150 日では -2.2、450 日では +0.6 と落下する。表9には Me 型と Se 型星の周期光度関係が載っている。
 周期光度関係の助けを借りて求めた視差を使い、空間速度を定めた。予想さ れるように、空間速度はスペクトル型および周期と相関する。速度とスペクト ル型との関係はおそらく、良く規定されるスペクトル型と周期、および速度と 周期の間の相関からの付随関係であろう。平均速度は 74 km/s で、巨星とし ては非常に大きい。他の高速度星と同様に、運動向点は太陽運動の反対側の半 球面上に位置するケースが圧倒的である。太陽に相対的なグループ運動の方向 は非変光の K5 - M 型星と同じであり、その速度分散も同程度に大きい。 変光星のグループ運動は銀河系中心方向と直交し、太陽近傍の星が銀河系軌道 に沿って向かっている方向と反対向きである。より高速の星が多く向いている 方向は銀河中心方向と 10° 程度しか離れていない。従って、最大の速度 分散は銀河系動径方向にある。速度楕円体の二つの短軸の方向は決めにくいが、 銀河面と垂直な方向が、面方向より僅かに大きい。速度分散が大きいので、 長周期変光星の銀河回転で説明できる。高速度と周期の相関は恒星進化には 難しい問題を提供する。


 1.データ 


表1.173 長周期変光星の固有運動と他の特性。












表2.写真固有運動へ適用した補正




表3.重み



 2.平均視差と平均絶対等級 




表4.平均視差と平均絶対等級




表5.長周期変光星の三角視差



 3.光度系列 




表6.上:平均固有運動とスペクトル型の関係。下:平均固有運動と周期の関係。


図1.平均特異角運動 ⟨τ⟩ と視差運動 q のスペクトル型、 変光周期との関係。  

図2.グループ運動 Vo と特異角運動 θ の残差運動 V'との関係。  



表7.グループ運動 Vo と特異角運動 θ の残差運動 V'との関係。  

表8.平均特異角運動 ⟨τ⟩ と視差運動 q のスペクトル型、 変光周期との関係。  



表9.平均光度のスペクトル型と周期との関係。


図3.グループ運動 Vo と平均特異運動 θ のスペクトル型と 変光周期との関係。  

図4.平均絶対等級 ⟨M⟩ のスペクトル型と変光周期との関係。  


 4.空間運動 


図5.空間速度と変光周期の関係。白丸= Se. 黒丸= Me.




表10.平均速度のスペクトル型、周期との関係。




表11.平均速度と周期との相関。




図6.長周期変光星の運動向点の分布。




表12.グループ運動




表13.グループ運動




表14.グループ角運動