IRAS LRS of Cool Carbon Stars II. Stars with Thin Circumstellar Shells


Willems
1988 AA 203, 51 - 64




 アブストラクト 

 Tcolor(NIR) > 2000 K + LRS の 72 炭素星の SED を調べた。7 星は LRS にバンドが見えない。 4 星は R-タイプで RGB 星であろう。残り 3 星は AGB で 長期マスロスがあった痕跡がある。星の大部分は 11.5 μm SiC と 8.6 μm 不明の放射帯を示す。近赤外では 3 μm に強い吸収帯を持つ。多くの星では C2H2 の吸収を 7.5, 14 μm に、さらに HCN の吸収 も見られる。3 星では LRS SED に寄与する非晶質炭素の放射が観測された。 F60 の超過の度合いは星毎に異なる。スペクトル型としては C4, C5, C6 が多く、 変光タイプは Lb と SRb が主である。  J-タイプ炭素星は全て不規則変光星で、少量の炭素系ダストに囲まれている。 高温の J-型星はスペクトルが S-型星と似る。残り 9 個の J-型星中 3 星は R-型である。炭素リッチ大気で最初に凝結するのは SiC である。今回のデータ では 8.6 μm バンド物質と多原子炭素系分子の HCN や C2H2 からのダスト形成への寄与を分解できなかった。N-型星は s-元素に富んでいる。 一方 J-型星からは s-元素が検出されない。これらから、 J-型星が "若い" 炭素星であるか、s-元素を作らない別種の炭素星であるかのどちらかであろう。 二つのシリケート炭素星が J-型星であり、また J-型星の幾つかが少量のダスト から成るシェルに囲まれていることから、おそらく J-型星は炭素星進化の初期で その後 "正常な" s-元素に富んだ炭素星に進化するのであろう。


 1.イントロダクション 

 2.サンプル 

 現時点で対物プリズムなどによる炭素星サーベイの結果 3750 個が登録され ている。それらを 120" サークル内の位置誤差で LRS カタログと照合し、 307 炭素星を検出した。3星は位置差が大き過ぎるので外した。Noguchi et al 1981 による近赤外測光 = NKKOSO が残り 304 星中の 90 星で得られていた。 72/90 では Yamashita 1972, 1975 がスペクトルを与えている。

 3.結果 

 炭素星の IRAS データの予備解析は論文 I で行った。(i)シリケート炭素星、 を除いた炭素星は二つのグループに分けられる。

(ii) NIR 星周減光が殆どなく、T(NIR) > 2000 K

(iii) NIR 星周減光を受け、 T(NIR) < 2000 K.

星間減光は van Herk 1965 の次の式に従った。

     Av = 0.14 cosec(b)[1-exp(-10rsin b)]

ここに距離 r は Glass 1979 の MK = -8 を使用した。これらから サンプルに対しては Av = 0.1 - 2, 平均 ⟨Av⟩ = 0.8 を得た。 T(NIR) に対する補正量は小さい。この論文では T(NIR) > 2000 K のサンプルを扱う。表1にはシリケート炭素星 BM Gem を除いた、それら 72 星の T(NIR) を示す。それらの LRS は様々である。







表1.T(NIR) > 2000 K で LRS を持つ NKKOSO 炭素星の測光データ。



 4.LRS 

 4.1.8.6 と 11.5 μm 放射帯を示す星 

 図1に 8.6 と 11.5 μm 放射帯を示す星の4つの LRS を示す。図2には 同じ星の NIR, IRAS PSC データを加えた SED を示す。観測時期の違いによる 変光の影響はあるが、LRS 波長帯まで光球輻射が支配的であることは確かである。 ⟨T(NIR)⟩ = 2600 K である。この値は Bergeat, Sibille 1976 や Rowan-Robinson, Harris 1983 の使用した T* = 2500 K に近い。今後は T* = 2500 K を使用する。図3には BB(2500K) で規格化した Y CVn と T Lyr のスペクトルを示す。どちらにも強い吸収帯のウィングに 8.6 と 11.5 μm 放射帯が見える。

 4.1.1.12.5 - 15 μ 吸収帯 

 C11, C1344, C2353, C2608, C2695 には中心波長 13.7 - 14 μm の吸収 帯がある。表1を見るとそれら全てに 3 μm 吸収帯があり、HCN と C2H2 が原因であろう。どちらの分子も 14 μm に吸収を持つが、同定にはより高分散のスペクトルが必要である。

 4.1.2.11.5 μm 放射帯 

 4.1.3.8.6 μm 放射帯 

 

図1.8.6 と 11.5 μm 放射帯を示す星の LRS. 3つには 14 μm 付近と 8.6 μm より短波長側に吸収帯が見える。名前は Stephenson 1973 から。 縦軸のマークは間隔1を示す。



図2.図1の4星の SED. 破線=観測点を結んだ曲線。実線= NKKOSO データ。


図3.a: Y CVn と T Lyr の LRS. 点線= BB(2500 K). b: BB(2500 K) で規格 化した Y CVn と T Lyr のスペクトル N = (Sobs - S2500K)/S2500K

図4.キーナンモルガン温度指数が 4, 5 の 19 星の 3 μm 指数と 9 μm 指数の相関  

図5.キーナンモルガン温度指数が 4, 5 の 19 星の 3 μm 指数と SiC 指数の相関。  



図6.DY Dra の BB フィット。  

図7.8.6 μm 放射帯のプロファイル。点線=Y CVn. 破線= RY Dra. 実線= V Aql.  

 4.2.11.5 μm 放射帯しかない星 


図8.11.5 μm 放射帯しかない3星の SED.  

 4.3.スペクトル構造のない、または弱い星 


図9(左).へこんだ SED の例 図10(右). 出っ張った SED の例  

 5.スペクトル型と変光タイプ 

 5.1.Jタイプ炭素星 


表3.NKKOSO 測光の 72 炭素星のスペクトル型と変光タイプの分布。  

表4.表3と同じだが、サンプルが J-タイプ星  


 6.遠赤外超過 


図11.log(12/25) - log(25/60) 図。F60 の超過が大きい。  

 7.マスロスと星周シェルの形成 

 8.炭素星の進化段階について。 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.


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