The Discovery of New Embedded Sources in the Centrally Condensed Core of the RHO Ophiuchi Dark Cloud


Wilking, Lada
1983 ApJ 274, 698 - 716




 アブストラクト

 ρ Oph 中心の mm, NIR 観測の報告。 C18O 観測から 1×2 pc の尾根が見えた。中心コアでは N18 LTE = 1.4 - 2.9 × 1016 cm-2, Av = 50 - 106 mag という大きなコラム密度を示す。マップされた領域の 雲質量は 550 Mo であった。高密度領域で K = 12 に達する 2 μm サーベイを 105 arcmin2 に渡って実施し、雲に埋もれていた 20 個の天体を発見した。恒星質量の合計は 135 - 240 Mo である。

 1.イントロ 

 2.観測 

 2.a. C18O 観測 

 NRAO 11 m 望遠鏡 1.1' ビームで C18O (J=1-0)

 2.b. 近赤外観測 

 10' × 10.5' 領域を 1.54m + InSb 2 μm サーベイを行い、 検出天体に JHK 測光を実施した。

図1 ρ Oph. 暗黒雲のパロマー写真(赤)上の C18O 等高線。K < 12 mag で検出された 20 天体をプラス印でマークした。 右端の反射星雲は HD 147889 による。


表1.2 μm で検出された天体位置と J, H, K 等級。

 III. 解析と結果  

 III.a. C18O コラム密度 


図3. C18O コラム密度マップ。単位= 1016 cm-2. 等高線は 1.0, 1.5, 2.0. 2.5。


 表2.C18O から導いた分子雲質量

図4. C18O コラム密度から導いた Av マップ。間隔は ΔAv = 25 mag. 2 μm サーベイの 20 天体以外にこれまで観測 された近赤外天体もマークした。白三角=今回の観測または Elias 1978 が探した埋もれた星。黒三角=背景星か埋もれた星団メンバーか不明。 白四角=VS-13 = 同定された唯一のフィールド星。点線= Fazio et al 1976 の 78 μm ソース。菱形=電波のコンパクト HIIR 候補。 X = SO, H2CO, から高密度と想定される箇所。



 IIIb. 近赤外観測 

 背景星 
 理想的には 2.3 μm CO バンドの有無で背景の G, K, M 巨星 を暗黒雲に埋もれた星と区別したい。Elias 1978 によれば背景星 のうち 5 % が G, 90 % が K, M 型巨星であろう。YSO の大部分は CO 吸収を示さないだろう。
 Elias 1978 の予想を援用すると、今回のサーベイ 10' × 10.5' の中に背景星の期待値は 0.4 個である。従って殆どは暗黒雲に埋もれた 星と考えてよい。

 Lバンドエクセス 
 暗黒雲内の星は L バンドでダストシェルの熱放射または f-f 放射を 示すので背景星から区別できる。背景星がダスト放射を持つ ミラ 星である 可能性は低いから。暗黒雲縁の背景星の観測から雲による赤化は、

  E(K-L)/E(H-K) = 0.56±0.04

で与えられる。観測星の  E(K-L)/E(H-K) は極単純に表1のカラーそのものから 計算し、表3に載せてある。星の固有カラーは小さいのでこの近似は十分に 許容される。表3の値が 0.6 を 1σ を越えていたら L バンドに超過 放射があると考える。天体 5 以外はすべて超過を示した。

 減光 
 星の固有カラー (H-K) = 0 と仮定し、観測 (H-K) は赤化のためと考える。 それから求めた減光 Av = 12×(H-K) が表3に載せてある。 表3ではこの値を C18O から求めた Av と比べてある。

表3.観測星の E(K-L)/E(H-K) と星周減光



表4.中心コアの星団メンバー

 IV. 埋もれた星種族の性質 

 遠赤外 
 Fazio et al 1976 は 78 μm 天体を 3 つ見つけた。これらは B8-9V 星が周りのダストを加熱して光っていると思われる。一つは HD 147889 (B2V) の周りで、残りの二つは図4の点線部である。 南の天体は 50 K という高温 CO 放射に伴い、SR-3 星に跨っている。 この星は B6V ではないかと言われている。北側の天体は VSSG の 天体1により加熱されている。天体1にはコンパクト HIIR が存在し、 この星を B3V に分類している。これら3つは ρ Oph コア領域で 最も明るい星である。
 HIIR 
 電波連続波で見つかった 27 天体中 10 は コンパクト HIIR 候補 である。しかし、早期 B 型星によるものなら FIR で検出されるはずで それを伴わないのは、背景の銀河か原始星ジェットの衝突のよるもの であろう。