アブストラクトρ Oph 中心の mm, NIR 観測の報告。 C18O 観測から 1×2 pc の尾根が見えた。中心コアでは N18 LTE = 1.4 - 2.9 × 1016 cm-2, Av = 50 - 106 mag という大きなコラム密度を示す。マップされた領域の 雲質量は 550 Mo であった。高密度領域で K = 12 に達する 2 μm サーベイを 105 arcmin2 に渡って実施し、雲に埋もれていた 20 個の天体を発見した。恒星質量の合計は 135 - 240 Mo である。 |
1.イントロ2.観測2.a. C18O 観測NRAO 11 m 望遠鏡 1.1' ビームで C18O (J=1-0)2.b. 近赤外観測10' × 10.5' 領域を 1.54m + InSb 2 μm サーベイを行い、 検出天体に JHK 測光を実施した。 |
III.a. C18O コラム密度![]() 図3. C18O コラム密度マップ。単位= 1016 cm-2. 等高線は 1.0, 1.5, 2.0. 2.5。 ![]() 表2.C18O から導いた分子雲質量 |
![]() 図4. C18O コラム密度から導いた Av マップ。間隔は ΔAv = 25 mag. 2 μm サーベイの 20 天体以外にこれまで観測 された近赤外天体もマークした。白三角=今回の観測または Elias 1978 が探した埋もれた星。黒三角=背景星か埋もれた星団メンバーか不明。 白四角=VS-13 = 同定された唯一のフィールド星。点線= Fazio et al 1976 の 78 μm ソース。菱形=電波のコンパクト HIIR 候補。 X = SO, H2CO, から高密度と想定される箇所。 |
背景星 理想的には 2.3 μm CO バンドの有無で背景の G, K, M 巨星 を暗黒雲に埋もれた星と区別したい。Elias 1978 によれば背景星 のうち 5 % が G, 90 % が K, M 型巨星であろう。YSO の大部分は CO 吸収を示さないだろう。 Elias 1978 の予想を援用すると、今回のサーベイ 10' × 10.5' の中に背景星の期待値は 0.4 個である。従って殆どは暗黒雲に埋もれた 星と考えてよい。 Lバンドエクセス 暗黒雲内の星は L バンドでダストシェルの熱放射または f-f 放射を 示すので背景星から区別できる。背景星がダスト放射を持つ ミラ 星である 可能性は低いから。暗黒雲縁の背景星の観測から雲による赤化は、 E(K-L)/E(H-K) = 0.56±0.04 で与えられる。観測星の E(K-L)/E(H-K) は極単純に表1のカラーそのものから 計算し、表3に載せてある。星の固有カラーは小さいのでこの近似は十分に 許容される。表3の値が 0.6 を 1σ を越えていたら L バンドに超過 放射があると考える。天体 5 以外はすべて超過を示した。 減光 星の固有カラー (H-K) = 0 と仮定し、観測 (H-K) は赤化のためと考える。 それから求めた減光 Av = 12×(H-K) が表3に載せてある。 表3ではこの値を C18O から求めた Av と比べてある。 |
![]() 表3.観測星の E(K-L)/E(H-K) と星周減光 |
遠赤外 Fazio et al 1976 は 78 μm 天体を 3 つ見つけた。これらは B8-9V 星が周りのダストを加熱して光っていると思われる。一つは HD 147889 (B2V) の周りで、残りの二つは図4の点線部である。 南の天体は 50 K という高温 CO 放射に伴い、SR-3 星に跨っている。 この星は B6V ではないかと言われている。北側の天体は VSSG の 天体1により加熱されている。天体1にはコンパクト HIIR が存在し、 この星を B3V に分類している。これら3つは ρ Oph コア領域で 最も明るい星である。 |
HIIR 電波連続波で見つかった 27 天体中 10 は コンパクト HIIR 候補 である。しかし、早期 B 型星によるものなら FIR で検出されるはずで それを伴わないのは、背景の銀河か原始星ジェットの衝突のよるもの であろう。 |