「真の」LBVs サンプルが少ないため、これらの天体に関する知識は限られ ている。これは LBVs を一意に定義する枠組みがまだないためである。さらに、 LBV 期が短いことは問題をさらに難しくする。 | ここでは、これまでに分かったことをまとめる。LBVs は一種類ではない。 |
スペクトルから LBVs と判定はムリ LBV スペクトルを OB 超巨星やより低温の A, F 型超巨星から区別するのは たやすいことではない。 LBVs のかなりが、少なくとも一時的には、Of/WN 型 スペクトル、つまり輝線の存在と光球における大量の N の存在、を示す。また、 他の LBVs は Be, B[e] スペクトルを検出される。 スペクトルまたはカラーから LBVs と判定することは不可能である。 LBVs を他の「正常」星から 区別するのは、その独特の変光、または爆発、である。 爆発的増光 LBVs を他の「正常」星から 区別するのは、その独特の変光、または爆発、である。LBVs の変光は光度と カラーの双方が変化する。増光の際にはカラーが赤くなるのが特徴である。 この明るく赤くなって、また元の暗く青い状態に戻る1周期をS Dor サイクル と呼ぶ。1サイクルは数年から数十年である。 明るい星ほど変光巾が大きい Wolf 1989 はスペクトル型、つまり Teff, の変化は明るい LBVs ほど大きい ことを指摘した。図2上に彼のプロットを示す。van Genderen 2001 は S Dor サイクルの長さによる LBVs の分類を提案した。 giant eruption 比較的安定した S Dor 型変光とは別に giant eruption がある。有名なの は 1843 年頃起きた η Car のもので、-1 mag にまで明るくなった。その他 には P Cyg の 1600 年頃のもの、 SN 1954J in NGC2403, SN 1961V in NGC 1058 などがある。giant eruption は 5 mag の増光で S Dor 型増光とは異なる原因と 思われる。 マスロス Leitherer 1997 は LBVs マスロスのリストを公表した。それは 7 10-7 - 6.6 10-4 Mo/yr にわたり、典型的な値は 10-5 Mo/yr である。Stahl et al. 2001 は Hα 観測から 可視極大時にマスロスは低く、極小時に約5倍高いことを見出した。 Lamers et al 1995 は星風の二重安定性を研究し、高温では星風速度が大きく マスロスは小さく、低温では低速でマスロスが大きいと述べた。その切り替え が 21000 K で起きる可能性がある。 |
![]() 図2.振幅光度関係。 上:Wolf 1989 の古典的プロット。 下:新版のプロット。 |
HR 図 LBVs 期の長さは 25000 年程度と非常に短い。 古典的な Conti シナリオ 1994 では M > 50 Mo の星が LBVs になると されていた。しかし、観測的に決められた LVBVs 質量はずっと低い。 図3の HR 図では、明るい LBVs と暗い LBVs の二種類があるように見える。 |
ジュネーブモデル Meynet, Maeder 2005 は Geneva Code による計算から以下の進化シナリオを 提案した。 M < MWR: O - BSG/RSG (図3の赤線) MWR < M < MOWR : O - LBV (図3青線) または、 O - RSG - eWNL - eWNE - WC/WO MOWR < M : O - eWNL - eWNE - WC/WO (図3の緑線) MWR=MS 期に WR になる最小質量。 MOWR=進化のどこかで WR になる最小質量。 Z=Zo, vrot = 300 km/s では MWR=22 Mo, MOWR=45 Mo である。どちらも低メタルほど高くなる。 |
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変光 LBV 期は短い。21 Mo という低質量の星でもこの時期を通過するかも知れない。 LBVs は S Dor 型変光を示すが、 giant eruption も起こし得る。 多くの星がその静謐期にあるため S Dor 型変光を示していない可能性がある。 |
モニタ観測の重要性 だからもっと多くの長期モニターが必要。とくに低メタル銀河。 |