Luminous Blue Variables


Weis, Dominik, Bomans
2020 Galaxy 5,




 アブストラクト 

 「真の」LBVs サンプルが少ないため、これらの天体に関する知識は限られ ている。これは LBVs を一意に定義する枠組みがまだないためである。さらに、 LBV 期が短いことは問題をさらに難しくする。  ここでは、これまでに分かったことをまとめる。LBVs は一種類ではない。





図1.M33 中のハッブル・サンデージ変光星 B の 100 年以上にわたるモニ ター。上部は B 変光曲線。下部はスペクトル型変化。

 1.背景 

 2.特徴 

 スペクトルから LBVs と判定はムリ 

 LBV スペクトルを OB 超巨星やより低温の A, F 型超巨星から区別するのは たやすいことではない。 LBVs のかなりが、少なくとも一時的には、Of/WN 型 スペクトル、つまり輝線の存在と光球における大量の N の存在、を示す。また、 他の LBVs は Be, B[e] スペクトルを検出される。 スペクトルまたはカラーから LBVs と判定することは不可能である。 LBVs を他の「正常」星から 区別するのは、その独特の変光、または爆発、である。

 爆発的増光 

 LBVs を他の「正常」星から 区別するのは、その独特の変光、または爆発、である。LBVs の変光は光度と カラーの双方が変化する。増光の際にはカラーが赤くなるのが特徴である。 この明るく赤くなって、また元の暗く青い状態に戻る1周期をS Dor サイクル と呼ぶ。1サイクルは数年から数十年である。

 明るい星ほど変光巾が大きい 

 Wolf 1989 はスペクトル型、つまり Teff, の変化は明るい LBVs ほど大きい ことを指摘した。図2上に彼のプロットを示す。van Genderen 2001 は S Dor サイクルの長さによる LBVs の分類を提案した。

 giant eruption 

 比較的安定した S Dor 型変光とは別に giant eruption がある。有名なの は 1843 年頃起きた η Car のもので、-1 mag にまで明るくなった。その他 には P Cyg の 1600 年頃のもの、 SN 1954J in NGC2403, SN 1961V in NGC 1058 などがある。giant eruption は 5 mag の増光で S Dor 型増光とは異なる原因と 思われる。

 マスロス 

 Leitherer 1997 は LBVs マスロスのリストを公表した。それは 7 10-7 - 6.6 10-4 Mo/yr にわたり、典型的な値は 10-5 Mo/yr である。Stahl et al. 2001 は Hα 観測から 可視極大時にマスロスは低く、極小時に約5倍高いことを見出した。 Lamers et al 1995 は星風の二重安定性を研究し、高温では星風速度が大きく マスロスは小さく、低温では低速でマスロスが大きいと述べた。その切り替え が 21000 K で起きる可能性がある。

図2.振幅光度関係。 上:Wolf 1989 の古典的プロット。 下:新版のプロット。  





図3.丸=輝線星雲を伴う。四角=伴わない。白=S Dor サイクル低温期。 黒=S Dor サイクル高温期。灰色=その他。赤線= Geneva コード、Z=0.02, vrot = 300 km/s. 他の色線は進化シナリオの違い。

 3.LBVs の進化段階 

 HR 図 

 LBVs 期の長さは 25000 年程度と非常に短い。 古典的な Conti シナリオ 1994 では M > 50 Mo の星が LBVs になると されていた。しかし、観測的に決められた LVBVs 質量はずっと低い。 図3の HR 図では、明るい LBVs と暗い LBVs の二種類があるように見える。
 ジュネーブモデル 

 Meynet, Maeder 2005 は Geneva Code による計算から以下の進化シナリオを 提案した。

M < MWR: O - BSG/RSG (図3の赤線)

MWR < M < MOWR : O - LBV  (図3青線)
 または、  O - RSG - eWNL - eWNE - WC/WO

MOWR < M : O - eWNL - eWNE - WC/WO  (図3の緑線)

MWR=MS 期に WR になる最小質量。
MOWR=進化のどこかで WR になる最小質量。
Z=Zo, vrot = 300 km/s では MWR=22 Mo, MOWR=45 Mo である。どちらも低メタルほど高くなる。





図.LBV 星雲の HST 画像。




表1.銀河系、LMC の星雲付き LBVs と LBV 候補星。ダスト星雲付きは 省いた。多重シェルはスラッシュで各シェルの大きさを示した。

 4. LBVs 周りの星雲 

 4.1. 輝線星雲 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 


 4.2.ダスト星雲 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図5.P Cyg の LBT LUCI AO [FeII] 内側シェル画像。

 4.3.P Cyg  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図6.η Carinae 周辺星雲の 左=可視(F658 HST)、右=X-線写真。 等高線は Homunculus nebula を示す。右図の緑:0.2-0.6 kev. 青: 1.2-12 kev.

 4.4.η Carinae ー 最も得意な LBV ? 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

 5.不安定性と変光の原因 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

 6.LBV - Wolf-Rayet 関係 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

 7. SN 詐欺と LBVs の関係 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

 8.LBV 連星 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

 9.LBV とその周辺 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





表2.LBVs と LBVs 候補(アルファベット順)太文字は星雲付き。

 10. LBV 種族 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図7.銀河系からの距離とメタル量の関係。

 11.低メタル量での LBVs 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

 12.まとめ 

 変光 

 LBV 期は短い。21 Mo という低質量の星でもこの時期を通過するかも知れない。 LBVs は S Dor 型変光を示すが、 giant eruption も起こし得る。

  

 多くの星がその静謐期にあるため S Dor 型変光を示していない可能性がある。
 モニタ観測の重要性 

 だからもっと多くの長期モニターが必要。とくに低メタル銀河。