A Planetary Nebula in a Red Globular Cluster in the LMC


Webster
1976 PASP 88, 669 - 671




 アブストラクト 

 LMC の赤い球状星団 NGC 1852 の中心近くにある天体が低励起惑星状星雲で あり、おそらく星団メンバーであることを示す。  シェルの窒素存在比は太陽に比べ、 10 - 20 倍低い。この星雲の中心星温度 は M 15 惑星状星雲中心星の温度に近い。



図1.ESO シュミット乾板 IIIa-J の NGC 1852 画像。惑星状星雲 N 25 はマークされている。

 1.観測 

 観測 

 Henize 1956 による、LMC の未分解 Hα 天体探査の中で、 N 25 は NGC 1852 中心から 45" しか離れていない。図1の ESO シュミット乾板上で 同定された位置をマークした。この天体のスペクトルは AAT 3.9 m 望遠鏡の イメージディセクターを用いて観測された。それは低励起惑星状星雲の特徴を 持っていた。

 ライン強度 

 スペクトルは2つに分けて、3700 - 5200 A と 5500 - 7000 A でスキャン された。ライン強度はそれぞれのスキャンで Hβ = 100, Hα = 285 として測られた。

 メンバ−シップ 

 図1を見ると、LMC N25 は星団に含まれているようだが、偶然同じ方向に見 える可能性は常にある。スキャナーによる視線速度は +250±100 km/s で、大体 LMC の速度に合っているが、星団星と星雲のもっと精密な速度がない と速度による判定は無理である。

表1.LMC N25 の線強度。Hβ 強度を 100、Hα = 285 とした。





表2.星団内に見える4つの惑星状星雲