Spiral Model of the Galaxy from Observations of Interstellar Extinction


Urasin, L.A.
1987 Sov.A.L. 13, 356 - 358




 アブストラクト 

 銀河系の二本腕モデルを星間ダストの分布から作った。  モデルはピッチ角 6.5° の対数螺旋である。


 観測 

 選択領域 

 エンジェルガルド天文台 (Engelgardt Astronomical Obs.) における観測で、 l = [7, 222], D < 10 kpc の星間減光の観測は完全である。 計画は 11 視線方向から成る。各領域は UBV 測光基準となる星団が中央にある ように選ばれた。各領域の広さは 1 - 2 deg2 である。 それらの領域には +15 等までの星が数千個含まれる。

 測光 

 観測は EAO 38-cm シュミット望遠鏡を用いて行われた。カタログには 19,000 星が載っている。その内 30 % は O - B6 星である。

 固有カラー  

 固有カラーは (B-V)-(U-B) 図から決めた。星を O - B6 星に限定したことで、 スペクトル型にまつわる不定性を除去し、かつ減光測定を遠方 10 - 12 kpc まで伸ばすことができた。

表1.選択された領域。最後の列が測光標準の領域中央星団。


 減光 

 減光と距離の決定 

 早期型星の絶対等級は (B-V)o = X として次の式で与えた:

Mv = 0.89+10.2X+20.5X2+200.5X3+131.9X4

減光は、 Av = 3.0E(B-V) で与えた。さらに、Av-(V-Mv) 図から 吸収複合体までの距離も決まる。

 腕の決定 

 得られた結果を図1に示す。
ここの飛躍がついて行けない。上に 書いてある「吸収複合体」というのが腕上の星集団なのだろうか?つまり 減光の急増=吸収帯の存在が検出されたということか? 図1の黒丸が吸収複合とすると、
l = 7 : サジタリウス付近とスキュータム手前(?)の吸収帯
l =29 : サジタリウス(?)とスキュータム接点
l =55 : サジタリウス接点
l =79 : しぐなす腕とペルセウス腕
l =91 : ペルセウス手前に二本とペルセウス腕
を U 測光まで使って捕らえている。 色々驚きだ。2MASS で先に行けるか?


図1.星間減光の観測から得た銀河系渦構造。  


 局所腕とペルセウス腕の分裂 

 腕II から腕III+腕IVへ 

 重要なことは二本腕モデルでスキュータムから対数螺旋で伸ばすと(腕II)、 銀河中心座標で経度 60° 付近でどうしても合わせられなくなる。 そこで、ここで腕 III と 腕 IV に分裂すると考える。

図2.他のトレーサーとの比較。 実線=HI. 三角= HIIRs. 白丸=CO 分子雲。黒丸=ダスト。