Masers in Space


Turner
1970 PASP 82, 996 - 1021




 アブストラクト 

 星間空間から電波で検出された 7 種の分子の内、 OH と H2O は メーザーアクションによる強い放射を示す。OH 放射は3クラスに分類される。 それらは別々の励起メカニズムが原因である。ダスト雲の異常 OH 線に関して 遠赤外励起が適用された。  水の衝突解離による OH 励起が最近の OH 観測に適用された。これはタイプ I OH 線がなぜ H2O 異常放射に伴うかを説明する。 H2O の励起 メカニズムに関しても説明する


 1.イントロダクション 

 メーザーと非メーザー 

 星間空間で見つかった7種の分子、OH, H2O, NH3, H2CO, CO, CN, HCN のうち、OH と H2O はメーザーに よる強い放射を示す。CO, CN, HCN はエネルギーレベルの構造が単純すぎて メーザーは期待できない。
 メーザーの励起 

 最近、OH 星間メーザーの励起に関し大きな進展があった。OH には検出可能な 9 つの遷移があり、うち4つは基底状態を含んでいる。いくつかの励起メカニズム が可能で、それらは単独で、または協調して働く。

 OH励起 

 OH 励起には3種あり、内二つは水の放射と関連する。残りの遠赤外励起は 最近のダスト雲観測と比較する。


 2.OH メーザーの分類 





 3.星間メーザーの概念 

 4.OHメーザーの遠赤外ポンピング 



 タイプ II(a) = 1720 MHz、II(b)  

 1720 MHz 遷移は F = 2 - 1、1612 MHz は F = 1 - 2 である。これらは Λ ダブレット状態で F = 1 準位の分子が F = 2 準位に持ち上げられると起きる。これは 84 cm-1 にある Π3/2 状態と 126 cm-1 にある Π1/2 状態をつなぐ遠赤外遷移 で達成される。



図1.OH の 2Π3/2, J=3/2 基底状態と励起 2Π3/2, J=5/2 回転状態。この二つが遠赤外光を 捕まえ、基底超微細分裂状態間に占有数の転換を起こす。矢印は可能な転移の 一つを示す。