The Recurrent Impact of the Sarittarius Dwarf on the Star Formation History of the Milky Way
Ruiz-Lara, Gallart, Bernard, Cassisi
2020 Nature Astronomy 4, 965 - 973
アブストラクト
Gaia DR2 CMD を用いて、太陽近傍 2 kpc バブルの星形成史をモデル化する。
過去 5.7, 1.9, 1.0 Gyr に3つの鋭く強い星形成ピークが現れた。
| |
これらのピークは
(1) 軌道シミュレイション、(2) 銀河系円盤位相空間の特徴、(3)
サジタリウス銀河の星構成 から予想される
サジタリウス矮小銀河の銀河系への最接近時期と一致する。Sgr は銀河円盤形成の
主要駆動者ではないか?
|
図1.a: 太陽周辺 2 kpc バブルの Gaia DR2 MG-(GBP-
GRP) CMD. 赤化補正済み。4 本の実線は星形成ピーク群の等時線。
b: ベストフィットモデルCMD. c: 各ピークの星の CMD 上の位置を異なる紫の色合い
で表した。
d: 観測とモデルの残差。e: MG 分布。f: (GBP-
GRP) 分布。
これまでの研究
ヒッパルコスデータ
これまでヒッパルコス」データを」使用したり、その他の方法で銀河系円盤
の星形成史が研究されてきた。しかし、それらは太陽近傍に限定されたり、
時間分解能が低かったりした。 Gaia DR2 によりそれらの限界を超えることが
可能となった。
| |
新しいピーク
過去の研究は比較的安定した SFR の上にピークが乘る結果を生み出してきた。
今回の研究を以前と同じ領域のサンプルに限ると、我々の結果はよく一致する。
しかし、過去の研究は 5 - 6 Gyr 昔のピークを検出していない。これはデータと
解析法の両方が良くなった結果である。
|
図2.a. 規格化された星形成率 (SFR) と look-back time (t = 0 現在)の関係。
b. 最近 100 Myr の星形成ピーク。実線と破線は異なる減光曲線の結果。太い
橙実線=全てのテスト結果の平均。橙の影部=SFR エラー。緑帯=回復された
星形成ピークを強調。
c. 文献からの Sgr 銀河の軌道。アステリスク=近銀点。矢印=相互作用が
追いかけられる果て。濃さの変わる灰色線= SFR 変化を示す。黒=最も強い。
図3.模造星種族を使った SFR 回復の堅牢度テスト。
(a) 狭いピーク一個。(b) 幅広ピーク一個。(c)- (f)指数関数型減衰+
バースト。(c) 0, (d) 1σ, (e) 2σ, (f) 3σ.
図4.接線方向速度で分けた薄い円盤(青)と厚い円盤成分(紫)に対する
SFR(t). 緑帯=星形成バーストを強調。小枠= x-z 面に投影した各種族星の
分布。