Gaia Data Release 2: All-Sky Classification of High-Amplitude Pulsating Stars


Rimoldini + 25
2018 arXiv181103919




 アブストラクト 

 Gaia DR2 の 16.9 億星の内、50 万以上の星が 22ヵ月の観測期間中に測光 時間系列に変光を示した。G-バンドで 0.1 等以上の変光があった星に対し、 セファイド、超周期変光星、δ Scuti/SX Phoenicis, RR Lyrae のよう な全天球上の分類が与えられた。採用した半教師付き分類法は、第1に 文献中の変光タイプ既知の星を用いて多段階ランダムフォレスト クラスィファイア―を訓練し、第2に Gaia データを予備分類し、第3に あるタイプの表現を改善するために最初の分類から選択した結果を含んだ 第2訓練を行って、最終的な Gaia データの分類を完成させる。  専用の検証分類法を用いて公表された結果に存在する混入レベルを下げた。 星のかなりの割合はフーリエ級数の表現が十分なほどのサンプル数がないので、 分類法は G, GBP, GRP バンドの測光時系列の統計的 な特徴と幾つかの位置天学パラメタ―とに基づいて行った。その結果、 195,789 RR Lyrae, 150,757 LPVs, 8550 Cepheids, 8882 δ Scuti/SX Phoenicis を分類した。これらは全て候補であり、その完全性と混入度は変光 タイプ別に調べられた。結果は分類クラスと分類評価とで表現された。 それらは Gaia archive の vari_classifier_result から得られる。


 3.方法 


図1.分類法の流れ図。ラベル (a)-(c) は 3.1.2 節で述べる作業である。 LPVs のような例外は検証分類で仕分けされないので、本文参照。ボックス の色分けは以下の通り:黄色=訓練天体/分類クラスの選択、緑=分類付与、 赤=分類と結果の選別。

図2.RRAB 星の 橙色=クロスマッチ星、青=訓練星。上:銀河座標分布。 下:等級分布。





図3.ランダムフォレスト分類法の多段階分類ツリー。各分類段階は同じ色 で分けられている。四角いボックス=上位分類。丸箱=最終分類。

図4.分類段階1と2での混入マトリクス。



図5.分類段階3での混入マトリクス。

図6.分類段階4,5での混入マトリクス。



図7.分類候補から選んだ星の GBPメディアン絶対等級- (GBP-GRP) 色等級図。青点= RRAB(基本振動), 橙バツ = RRC(第1倍音)、十字= RRD(二重モード)。緑菱=古典セファイド。 赤四角=タイプIIセファイド、黒三角= δ Scuti/SX Phoenicis, 紅丸=ミラ/SR。集団からはずれた暗い星は混入星であり、ミラの場合は 大部分が YSO である。ここの星は視差精度が 20 % より良い。星間、星周 赤化の補正は行っていない。灰色の背景は太陽から 1 kpc 以内の星。  

 4.結果 

 4.1.RR Lyrae 星 


図8.RR Lyrae 候補星の G メディアン見かけ等級- (GBP-GRP) 色等級図。 (a) 基本振動(RRAB)。(b) 第1倍音(RRC)+RRAB. (c) 二重モード(RRD)+RRC+RRAB.  

 RRAB 星 

 RR Lyrae は 195,780 = 162,469 RRAB + 32,370 RRC + 834 RRD 候補がある。 図8にその G - (GBP-GRP) 色等級図を示す。 RRAB の固有カラーはハロー星(図で縦の筋)から推定されるよ うに GBP-GRP = 0.6 - 0.7 である。僅かに赤化を受 けた集団が (GBP-GRP, G) = (0.8, 18.2) にある。 これはサジタリウス矮小銀河の 3000 星で、図9ではバルジのすぐ下に見える。 G = 18.8 - 20 の最も暗い集団はマゼラン雲の 2 万個の RAB 星と バルジの上にあるサジタリウス流による。より暗い星の一部はマゼラン雲に、 その他は矮小楕円銀河に属する(Clementini et al 2018)。図8a の右斜めに 落ちる枝はダストで減光と赤化を受けた円盤とバルジの星である。赤く暗い 星ほど銀河赤道に近い。ハローの垂直分枝と円盤の斜め分枝の間の星、それに 暗い GBP-GRP> 1 の水平な密度超過は分類ミス による星で占められている。



図9.RRAB+RRC+RRD 全ての分布。点のカラーは距離に対応。  

 RRC と RRD 

 RRC は図8(b) 上で 図8(a) の RRAB と似た特徴を示す。 RRC は RRAB に比べ、暗い側で 0.2 mag 青い。これは赤化が小さいためで あろう。マゼラン雲に 5千、サジタリウス矮小銀河に 500 個含まれる。 RRD の 20 % はマゼラン雲に、残りはハローに分布する。

 Gaia データの問題点 

 Arena et al. 2018 にあるように、公表された平均等級と視差は不正確である。 これは時間系列の統計が食連星に類似するからであった。

図10.何だかよく分からない説明。  



図11.赤四角= Specific Objecy Studies (SOS) でセファイドと再分類 された RR Lyrae 分類。緑= SOS で RR Lyraeに分類。  

図12.RR Lyrae 分類の分布。色分けは分類スコア。  



図13.  


図14.  

図15.RR Lyrae 分類の完全度と分類スコア(混入率)の関係。  


 4.2.セファイド 

 8500 セファイド分類星= 6493 古典セファイド + 1743 タイプ II セファイド + 314 特異セファイド。G > 13 mag. の古典セファイド(全体の 90 %) は 殆どマゼラン雲に属する。一方明るい残り 10 % は円盤上にある。

図16.セファイド分類星の見かけ色等級図。緑丸=古典セファイド。 赤丸=タイプ II セファイド。黒三角=特異セファイド。  



図17.セファイドの銀河座標分布。青丸=古典セファイド。十字=タイプII セファイド。バツ=特異セファイド。  


図18.セファイドの分布。G 等級で色分け。  

図19.セファイドの分布。分類スコアで色分け。  



図20.図10と同じだがセファイドに対するもの。

図21.図11と同じだがセファイドに対するもの。



図22.図13と同じだがセファイドに対するもの。


図23.図14と同じだがセファイドに対するもの。

図24.図15と同じだがセファイドに対するもの。


 4.3.δ Scuti と SX Phoenicis 星 

 

図25.δ Scuti と SX Phoenicis 星、ミラ型星の色等級図。


 

図26.δ Scuti と SX Phoenicis 星分布。点のカラーは距離に対応。

図27.δ Scuti と SX Phoenicis 星分布。色分けは分類スコア。


 

図28.良く分からない。


図29.良く分からない。



図30.


図31.


 ミラとセミレギュラー星 


図32.ミラとセミレギュラー星の分布。色分けは等級。

図33.ミラとセミレギュラー星の分布。色分けは分類スコア。