アブストラクトVI Cygni No.12 の 10 μm 帯のスペクトルを狭帯測光した結果、シリケイト吸収が 検出された。 |
1.イントロVI Cygni No.12 は通常星であるが、深い減光を受けかつ 13 μm までの減光が 検出できるほどに明るい数個の星の内の一つである。 Johnson は 0.3 - 5 μm 減光が Av = 10.0 mag. の van de Hulst No.15 曲線でよく近似されることを示した。 そこでは、 2 μm 付近の減光曲線の勾配がモデル曲線より僅かに急であった。 Stein, Gillett 1971 は観測を 11 μm まで伸ばしたが、 10 μm 吸収帯に 関しては 11 μm で 0.1 mag の上限を得たのみであった。 |
![]() 表1.VI Cyg No.12 の狭帯測光結果 観測結果 4回の観測の平均値を表1に示す。測定値は、明るく減光を 受けていないと見られる近傍星のネットワークに相対的に定めた。 標準星に弱いシリケイト吸収があるといけないので、7つの標準星の スペクトルを調べたが、全てレーリー・ジーンズ型の同一スペクトルであった。 減光曲線 図1に VI Cyg No.15 の減光を示す。減光は波長 12.6 μm で van de Hulst No.15 Av=10mag. の外挿値と一致するようにした。 |
![]() 図1.VI Cyg No.12 の星間減光曲線。縦線は rms エラー、横線はフィルター巾。 一点鎖線は van de Hulst No.15 曲線. 実線は中心深さ 0.42 mag. の「シリケイト」 吸収帯を足した効果を示す。シリケイト帯の形は Merrill,Soifer 1974 から採った。 シリケイト吸収 付加的なシリケイト吸収帯の深さは最大 τ = 0.42 である。11 μm での光学的深さは 0.23 であり、Stein,Gillett 1971 の得た上限値 0.1 の 2 倍であった。 CIT 11 もう一つの赤化の大きな天体 CIT 11 も観測したが、10 μm 放射バンド が観測された。 |
連続吸収 8.4 および 12.6 μm の VI Cyg No.12 フラックスはより短い波長 での観測から予想される値に非常に近かった。したがって、それらは 滑らかな連続吸収を受けていると考えられる。 9.7 μm における付加 吸収 τ = 0.42 ±0.05 は星とわれわれとの間にある シリケイト吸収を示していると考えられる。 吸収比 S S = Av/τ = 24 ±4 である。 |
S の比較 銀河中心方向に対して Av = 30 (Becklin,Neugebauer 1968), τ = 2 (Aitkin,Jones 1973) が得られており、S = 15 となる。Grasdalen 1974 は NGC2024 の中心に小さな天体を発見した。彼はこの天体が明るい早期型星であるとし、 S = 40 を導いた。しかし、これらには多くの不定要素が含まれている。 最後の言葉 不確定性を減らす努力、特にS、が必要。 |