アブストラクトSpitzer IRAC により 47 Tuc の中間赤外測光を行った。約 100 の星で中間赤外の超過が 観測された。このマスロスは水平枝まで延びている。質量放出は一時的で、各光度のある割合 でのみ生じる。簡単なモデルでマスロス率を見積もった。また質量放出則を種族II の星に対して 導いた。我々のマスロス則はレイマース則に比べると著しく平坦である。ここで述べた結果は 17個の球状星団の Spitzer サーベイの最初のものである。1.イントロOriglia et al 2002 は ISOCAM を用いて赤色巨星からのマスロスを検出した。 その結果、(1)RGB 先端付近で最大の質量放出が起こる。それは一時的である。 (2)dM/dt = 10-7M/yr - 10-6M/yr (3)modulation タイムスケールは数10年から数百万年の間である。 (4)メタル量最低の星にさえダストシェルの証拠がある。 しかし、サンプル数が少なく、マスロスのメタル量依存性と水平枝形状依存性が不明であった。 また、先端だけでなく下の方までマスロスが延びているかどうかを探るには感度が足りなかった。 |
2.Spitzer IRAC サーベイ47 Tuc の 1.2 時間の 1 × 3 グリッド観測で、 K ≤ 14 星を S/N = 20 で観測した。測光カタログは、8′×5′ の K≤11 mag の浅いカタログと、 中心 2′×2′ を除いた K≤14 mag の深いカタログの2種が作られた。 全体の測光精度 ≤ 0.1 mag である。![]() 図1.47 Tuc の IRAC (3.6 μm, 6 μm, 8 μm) モザイク3色像。 |
(K-8) 超過 浅いカタログ中に 3σ レベルで (K-8) 超過があったのは 93 星であった。 深いサーベイでは水平枝レベルより暗い側に超過のある星は一つも無かった。ISOCAM サーベイ で超過のあった 7 星は今回の Spitzer サーベイでも超過を示した。今回の色超過星中 4つは長周期変光星で、他の 17 星はBeccari et al 2006 によると AGB 星である。従って 残りの 74 星を RGB 星として扱う。 ( 残りを RGB とする論理は?) 質量放出率 DUSTY で決めた。 dM/dt = C (4×10-10)(L/gR)o0.4 ここに、 C = (δ/200)0.5(vexp)(ρg/3) o は太陽単位を意味する。今回 C = 1 である。この種族 II 質量放出則は種族 I のに 較べると著しく平坦である。 一時的質量放出 RGB の上から 2 mag では 32 %, その下水平枝迄は 16 % が色超過を示した。これから、 質量放出は一時的で平均してある割合 fon の期間だけと思われる。 適当な進化トラックを用いると、RGB 期間中に失われる総質量は ΔMRGB = Σi[(dM/dt)i Δtifon] で与えられ、0.23±0.07 Mo である。 |
![]() 図3.上:質量放出率対(K-8)超過。黒四角=Mbol<-2, 白四角=Mbol≥-2. 中:質量放出率対輻射等級。大黒三角=既知長周期変光星。小黒三角=他の AGB 星。 数字=点線間の進化時間。 下:質量放出率対規格化光度。実線フィットからAGB星は外した。 ( AGB と RGB をどう区別したのだろう?) 短破線は、η = 0.3 レイマース則。長破線は Catelan (2000) 種族 I 巨星の経験則。 |