IRAS PSC を用いて G-型星の赤外超過を調べた。こうして得た 3803 IRAS 天体中で 28 天体に λ ≥ 25 μm の超過を見出した。赤外超過の ある星の大部分は超巨星であった。 | その一つ、IRAS 11059-7721 は G-型の主系列星でその光学的深さはベガの 星周層の 20,000 倍である。 |
Stothers 1975 は、黄色超巨星の幾つかが赤色巨星期の "fossile" ダスト シェルではないかと述べた。IRAS により早期型星の赤外超過は珍しくない ことが分かった。Odenwald 1985a, b は G-型星の赤外超過を調べた。 | ここではその結果を合わせ、超過の起源を調べる。 |
候補 (1)ESO, UGC, Zwicky カタログと参照して、G 型星と位置が近い IRAS 天体を選んだ。3803 天体あった。 1985 年の調査では IRC カタログ や AFGL カタログと重なった天体は低温度星として省いたが、今回は 省かなかった。 (2)少なくとも IRAS の2バンドで受かっている。この結果、 グループ I = 140 星は3つまたは4つのバンドで受かっている。 一方、グループ II = 1093 星は 二つのみである。 |
超過 観測シグナルを 5000 K BB で較正してフラックスを出した。 グループ I では 79 天体に有意な超過が認められた。 グループI からは 223 天体に超過があった。シラス等も 調べた。最終的に残った 28 天体を表1に示す。 |
図1に超過分のスペクトルを示す。誤差の最大の源は星連続光の差し引き である。その際、星間減光の評価が影響大である。 |
10星は以前から調べらていて、地上データがある。図2にそれらの
SED を示す。 IRAS 07284-0940 (U Mon) U Mon は RV Tau 型変光星である。シリケイト放射帯が強い。ほぼ 300 K のダストシェルでフィットできる。 IRAS 09079-1942 (TU Pyx) Bidelman の再分類では M5 となった。 IRAS 10358+3214 (HR 4166) NIR までは BB(53K) で合うが、 IRAS 領域で超過がある。 IRAS 11385=5517(HD 101584) この F2e Iap 星の赤外超過は最初に Humphreys, Ney 1974 a, b により注目された。 彼らはそれを F2 超巨星とM5超巨星の連星と考えた。 Stothers 1975 とFeast et al 1977 はダストシェルとした。IRAS データも含めると単一ダスト温度で全体をフィット することは難しい。 |
IRAS 12067-4508 (RU Cen) Gehrz, Ney 1972 は黄色超巨星 RV Tau 型変光星サーベイの一つとしてこの 星の 2.2 - 18 μm 測光を行った。その結果 7 - 13 μm の幅広な放射帯と 18 μm に鋭い放射が見つかった。それは C-リッチ RV Tau 星の AC Her と 似ている。 IRAS 13436-6220 (O1 Cen) この星 HR 5171A は 銀河系内で最も明るい星の一つとされる。Mv = -8.8. 星間減光は Av = 3.18 である。D = 3.6 kpc. 最も強いシリケイト帯を示す。 (LRS に載ってない ) IRAS 17109-3942 (HD 155603) IRAS 19114+0002 (RAFGL 2343) G5 より少し晩期らしい。M 型という説もあり分光が必要。 IRAS 19132-3336 (RY Sgr) P = 38.4 d の変光星である。振幅最大の変光星 IRAS 20117+1634 (R Sge) RV Tau 星。 |
![]() 図3.赤外光学的深さと星からの距離。 |
超検出の割り合い IRAS PSC にある 3803 G 型星で赤外超過を調べた。28 星に超過が見つかっ た。その大部分は超巨星である。IRAS で検出された 150 の G 型超巨星の内、 赤外超過が見つかったのは 4 % 以下である。それらが pre-RSG か post-RSG 期か決められないが、その期間は 50 - 100 年程度の短期間である。 主系列星 IRAS 11059-7721 と IRAS 21450-4732 は主系列 G-型星と知られている。 IRAS 21450-4732 は既にベガ型星の一つとして有名である。IRAS 11059-7721 の光学的深さはベガの 20,000 倍に及ぶ。 長波長で下がる 19 サンプルでは 60 μm の先でフラックスは低下し、 50 K より低温の ダストは要らない。 |
ダストサイズ IRAS 05179+0535, 10282-5231, 11294-5909, 11563+7719, 12067-4508 では FIR は単一温度 BB でフィットできる。 ダストサイズが大きいのではないか ? 長波長で下がらない 8天体では 60 μm の先でもフラックスがさがらない |