Stellar Populations in the LMC from 2MASS


Nikolaev, S., Weinberg, M.D.
2000, ApJ 542, 804 - 818




 アブストラクト

2MASS の LMC 色等級図 

我々は特徴の豊富な2MASS LMC色-等級図の形態的な分析を提示する。そして、 銀河系とLMC種族を同定してLMC種族だけの密度を推定する。いろいろな星の 種族の投影された空間的な分布を示す。2MASSの 10σ 感度限界は J < 16.3、 H < 15.3、Ks < 14.7であった。

LMC 種族の同定 

既知の種族の色-等級図上の予想される位置、等時線フィット、空間的な 分布の分析に基づいて、主な種族が同定された。2MASSは、 漸近巨星分岐(AGB)星(104天体)とダストにおおい隠された AGB星(2 × 103天体)の種族を検出した。第一上昇 赤色巨星分岐(RGB)とAGBに沿ったLMC種族は、定量化される。

光度関数の特徴 

バーとLMCの外側の領域での巨星光度関数の比較は、両方の光度 関数は互いに矛盾しないように見えることを示す。中心(バー)フィールドの 光度関数は RGB 先端の位置に相当する Ks = 12.3 等付近で、はっきりした 落ち込みを示す; 同じ特徴は、全 LMC フィールドの光度関数で見られる。

等時線との比較 

巨星分岐に対する等時線フィットからは、LMCの中心と外側の領域との間の金属量と 年齢に有意な相違が見られなかった。これは、最近数十億年の強い力学的 進化の証拠であるかもしれない。特に、観測されたLMC巨星分岐は、DM = 18.5 ±0.1、E(B-V) = 0.15-0.20、Z = 0.004 と 年齢 3-13 Gyr の公表されている CIT/CTIOシステムのモデル軌跡とよく一致する。 標準露出 × 6 倍の深い 2MASS エンジニアリング・データの分析も類似した評価 を生み出す。

 1.イントロ 

DENIS と 2MASS 

(2MASS(Skrutskieほか1997)とDENIS(Epchteinほか1997)のような LMC 全体の 大規模な赤外測光の大規模で均一なデータ・セットは、やっと最近天文コミュニ ティが利用できるようになった。Cioni ほか (2000)は、マゼラン雲の DENIS Point Source Catalog を作成した。 我々はここで、 2MASS の LMC データを示す。

2MASS の限界等級 

経験的に 2MASS の測光は名目サーベイ限界と比べてわずかによく, J、H, Ks の S/N 10 等級は 16.3、15.3、14.7 である。これらの限界で、我々は熱パルス 漸近巨星分岐(AGB)種族全員を観測することができ、赤色巨星分岐(RGB)の 途中まで下ることができる。ヘリウム燃焼巨星を表すレッドクランプはこれらの データの感度限界の2等級下である。

2MASS が LMC 研究に向いていること 

近赤外(NIR)の減光は、LMCを通して小さくてと弧の内部の程度以外の平均して 至る所で無視してよい。2MASS測光(平均 &siga; ∼ 0.03等級)の高品質と 共に、全体的なゼロ点安定性(0.01等)および、LMC種族の信頼できる同定の結果、 このサーベイは LMC 進化と空間的な構造(ワインバーグとニコラーエフ2000)の 研究に理想的である。

論文の構成 

我々は、第2節でデータ選択、広く知られた種族とのcross-correlationと 2MASS色システムの比較を記述する。我々は、第3節で色-等級図の形態的な分析 を提示する。特に、我々は色-等級図の全ての特徴に相当している銀河系 とLMC種族の同定をする。これらを空間的な分布に関連させて LMC 種族だけの 密度を推定する。LMC巨星分岐は、十分に決定され、AGB、第一上昇赤色 巨星分岐先端(TRGB)と炭素星系列を別々に確認する。RGBとAGB種族の光度関数が導き 出され(第4節)銀河系の巨星分岐光度関数と比較される。巨星分岐形態学を利用 して金属量の空間的な依存性を決定することの実現可能性を調査する。最後に、 第5節は我々の結果をまとめてと関連性と将来の研究の機会を議論する。



 2.データ 

不適当な検出の除去 

我々のLMCフィールドは=250 deg2であって,赤経で4h00mから6h56m まで、赤緯=-77° から -61° をカバーする。最初のサンプルはWorking Survey Data Baseから得られ、その 7,092,894 天体の中には、近くの明るい星、 光源混乱と検出上限からのフィルタ輝きと回折スパイクのような、起こりうる 人為現象を含む。処理(2MASS Explanatory Supplement1を見よ)の間に、既知の 混入物とフラックス統計はうまく 特徴を記述された。高い信号対雑音比では測光誤差は 0.03 であるが、 明るい星の周りでの人為現象と混雑さはより高い誤差の尾を引き起こす。 人為現象を除去し、全てのバンドで σ < 0.11 等級を要求すると、 1,246,304の星を残す。このカットは、ほぼ 4 σ と S/N > 10 の 除去に相当する。

多重検出の同定と除去 

公開されたカタログとは異なり、走査重複のため、これらのデータは複数の幻影 天体を含む。我々は、(1)空間的な近さ (|Δr| < 2")と Ks 測光の 近さ(|ΔKs| < 5 σ)に基づいて多重エントリを確認した。この 手順が2MASSカタログ公開(2MASS Explanatory Supplementを見る)のそれと異な る点に注意しなさい。

最終天体の分布 

 我々の最終的なサンプルは、823,037の天体を含む。これらの星の空間的な分布は、 図1で示される。図は LMC の主要構造要素、バーとディスクを示す。それらは、 銀河系の前景フィールド星に浸されている。前景天体(銀河中心への方向は、矢で 示される)の勾配は、外側の LMC ディスクの等値線をゆがめる。バーの可視域中央 (α = 5h24m, δ = -69°.44')の近くで光源密度は 3.6 × lO4deg-2 を越す。

混雑さの問題 

我々のサンプルで混雑さの問題に対処するために、密集 した中心フィールドと LMC 外側のまばらなフィールドの光源カウント を調べた。高密度域とまばらな領域とで、光源カウントの分布、すなわち (dln N/dln m)は、類似した形と飽和値を持つ。 もちろん、この測定は、濃い星形成の塊りと星団に渡る平均でである。しかし、 我々は滑らかに分布する RGB と AGB の分析を強調したい。 天体の平均間隔は、2MASS の分解能と比べて大きいので、混雑さは重要でないという 我々の主張と合致する。
ミラ、ウォルフライエ星の同定 

ヒューズとウッドのLPVデータと照合した結果、彼等の376長周期ミラ型星の 内370(98.4%)と224SRのうち全て224星が2MASS対応するとわかる。大振幅変 光星で「見のがされた」3星は生の2MASSデータで存在したが、人為現象として落と されていた(2本の回折スパイクと1つはブレンドとして)。残り3つのうち、 2つは1"内に適当な等級の星が、残る1つは、20"の範囲内でにマッチを持つ。LMC で全ての134 Wolf-Raye星(Breysacher、Azzopardi,Testor 1999)は、2MASSによって 観測された(van Dyk、Cutri,Strutskie 1999)


図1.LMCフィールドの2MASS天体の分布。 等高線の値は、103deg-2単位である。矢は銀河中心方向を指す。


 2.1.Ks 対 K  

KバンドでなくKsバンド(2.00-2.32ミクロン)を使うこと以外は、2MASS 光度測定のシステムは CIT/CTIO システム(エリアスほか1982)と類似している。 Ks(「K-short」)帯域透過率は、ペーションほか(1998)に記述されている。 太陽型星と赤い標準星(それぞれ彼らの表2と3を見る)を使い、KCITを Ks測光と比較した。彼らのデータで基づく KCIT-Ks は、色幅 0 < J-K < 3 において有意な系統的差を示さない。最も大きな差は CO-band の 吸収から起きる。それは Ks フィルタと比べて K フィルタに影響を及ぼす。 相違 |K-Ks| の 絶対値は、0.05等より小さい。 そこで、我々は Ks = KCIT を仮定する。

 2.2.星間赤化  

文献に見る星間赤化 

 2ミクロンの減光がVに比べおよそ10倍小さい。文献での星間赤化E(B-V)の値は、 0.08(マテオとホッジ1987)と 0.2(ハリス、ザリツキー、とトンプソン1997) との間に落ちる。 ハリスほか(1997)の赤化分布は高い値まで non-Gaussian のしっぽを持つ。 グリーブ、バンGenderenとラヴァル(1990)はE(B-V) = 1.1 という高い値を 報告した。彼らの調査によると、それはちりに覆われた LMC の放射星雲である とわかった。 ベッセル(1991)は、LMC で前景及び LMC 固有の平均赤化を導き出すために、 測光、星の偏光そして、HI コラム密度からの赤化
決定をまとめた。それによると、 LMC 内部の赤化は 0.06(相当な変動を伴う)そして、前景赤化は範囲 0.04-0.09 である。銀河系の前景赤化は、LMCの外側の領域で、驚くほど大でありえる。

様々な場所での赤化データ 

 ウォーカー(1990)は、LMC 中心から 15° 離れた MGC 1841 において、 EB-V = 0.18 ±0.02 を報告した。他方、LMC 中心から 11° 離れた星団 GLC 0435-59(Leticulum) での赤化(ウォーカー1992)は EB-V = 0.03 である。 Zaritsky(1999)は、LMC の F - G 型星の赤化がOB星のそれより非常に少なくて、 ディスクの晩期型星に対して平均 EB-V = 0.03 を導き出した。

この論文で使う星間赤化 

この論文では、データは赤化補正されない。その代わりに、各々の図は指定された EB-V 値に対する赤化ベクトルを示す。. 赤化ベクトルは Koornneef(1982)関係に基づく:R = Av/EB_v =3.1.に対して,

     AK = 0.189 EB-V、EJ-K = 0.65 EB-V

赤化に関する情報は、二色図の分析から、直接2MASSデータから得られるかもしれない。


図2.左:LMCフィールドの色-色図。
2から6.5まで、間隔 0.5 の輪郭レベルは対数関数的である。斜めのラインは J-Ks 一定のラインである。W92からの矮星(実線)そして、巨星(点線)の色 系列が示されている。E(B-V) = 1.0の赤化ベクトルは Koomneef(1982) 関係に 基づく。R = 3.1と仮定する。
右:いくつかのおよその位置にLMC種族を示している色-色図。 陰をつけられた領域は、Wolf-Rayet星(Breysacherほか1999)に相当する; 点線で囲まれた領域は、既知の LMC B[e]星(Gummersbach、Zickgraf, Wolf 1995) を含む。四角は、4つの LMC 原始星(ウエスターランド1997から)の個々の 観測を示す。W92 の矮星(濃い実線)と巨星(濃い点線)のカラー色も示される。 コスタとFrogel(1996)のサンプルで、炭素星によって占められる領域は、 実線で示される。点線は、J-Ks = 1.6 に相当する。赤化ベクトルは、E(B-V) = 1.0に対して描かれる。

 3.色-等級図の分析 

二色図の特徴 

 図2は第2節で 2MASS から選ばれた LMC 823,037天体の [J-H, H-Ks]図である。図は、 幾つかの明瞭な特徴を表す。それらの中でも上部右側の隅の熱パルスAGB星(TP-AGB) の伸びた「腕」は目立つ。LMC M巨星の代表的な色は、範囲 0.2 < H-K < 0.3, J-H > O.8(フロゲルとブランコ1990)である。伸びた腕の J-Ks = 1.6 より赤い 色の星の大部分は炭素型星(ヒューズとウッド1990)である。とても赤い色(J-Ks > 2.0)星の多くは多分埃で覆われた星周外層を所有するだろう。サンプルはそのよう な天体を約 2000 含む。彼らの位置は、H-Ks > 1.0 の等級の赤化ベクトルに伴う 進路と矛盾がない。図2は、Wainscoatほか 1992(今後はW92)から巨星そして矮星 に対しての基準の色進路を示す。2つの系列は、H-Ks = 0.15, J-H = 0.5 近くで重なる。 なぜなら、晩期G - 初期M 型矮星の近赤外色が晩期F - 初期K 型巨星の色と同じで あるからである。

二色図のによる分類 

二色図は特徴が少く、一般的な緊密さのため、特に重複領域(0.5 < J-Ks < 0.8) で、主な種族を識別する有用性は制限される。しかし、図の中で明瞭な領域を占める 一部の LMC 種族は、色-色図表(図2を見る)の中で、彼らの場所に基づいて、まだ身 元を確認されることができる。特に、色-色図は、大赤外エクセス(例えば若い原始星、 繭星またはダスト AGB 炭素星)で、候補天体を同定する際に全く有用である。

二色図と赤化 

 二色図は、赤化分布を決定するのに用いられるかもしれない。巨星種族は近赤外色 でタイトな分岐を形づくる。赤化方向はほとんど J-Ks と一致する、
この意味は判らない
したがって、巨星 分岐に沿った J-H の狭い色間隔からのサンプルの J-K の分布はちりによって赤化 に対して鋭敏な診断を提供する。ここも判らない
我々は、範囲0.78 < J-H < 0.85 で天体のサンプルを 考えた。 結果として起こるピークのシフトは、中心領域外部で Δ(J-Ks)<0.03 [内部で Δ(J-Ks) < 0.06 ]である。0.1度より大きいスケールでは、平均して小さな 赤化だけを示唆している。

色-等級図の特徴 

 図3で発表される色-等級図(CMD)は、多種多様な詳細を現す。我々のゴールは、 図の中で彼らの位置に基づくLMC星の種族に対して信頼できる同定基準である。色 等級図は、銀河系のそして、Magellanicな天体に対して異なっている距離指数に 起因する垂直に伸ばされた「指」(例えば、J-K = 0.4, 0.6、1.1)で手の形 をしている。我々は、色等級図の明瞭な特徴を強調する図 3 で示される 12 の領域を 同定した。A から L までマークされた領域はフィールド内の 823,037 天体(99.7%)を 囲む。各々の領域で星の種族を同定するために、我々はいくつかの技術の組合せを 使う。銀河系の前景貢献は、W92 の表にされた近赤外モデルに基づく合成色等級図 によってモデル化される。

色-等級図の特徴 

 LMC 種族は、文献であると中でわかる既知の種族の赤外測光に基づいて同定される。 それに加えて、我々は予備的な等時線分析をする、そこで、我々はジラルディほか (2000)の色等級図の特徴に種族の年齢を導き出す等時線に合うものを見つけ てそして、色等級図領域の中に進化的なコネクションを描く。我々の種族-マッチ ング手順の詳細は、第3.1節で与えられる。それに加えて、我々はよりよくローカル そして、LMC 種族を識別するために各々の領域で天体の空間的な密度分布を使う。


図3.左:LMCフィールドの色-等級図。    右:テキストで議論される強調された12の領域付きの同じ図。

クラス毎の空間分布図のレベル 

 各々の領域に対して空間的な分布は、図4で示される。数字の各々のコマで、 我々は 15, 30、60、120、240、350、480、960、1920、3840、 7680そして、15,000 deg-2 の光源密度輪郭レベルを描く。輪郭 レベルの値は、最大の詳細で下にある密度プロフィールを示し、かつ、異なる種族 密度の中で比較を容易にするように選ばれた。しかし、色等級図の相対的な密度 の強い変動のために、この系列の全ての輪郭レベルが、表示されるというわけ ではない:コマ E そして、I で最も低い密度輪郭は、60 個 deg-2 に相当する。 コマ B そして、C では輪郭は、240 deg-2 から始まる。そして、非常 に濃い領域 D において、最も低い輪郭レベルは、960 deg-2 である。

 3.1.星の種族を同定する 

クラス分類の方法 

色等級図領域の最初の分析は、2つの部分から成る:

(1):場所(銀河またはLMC)を推定する空間的な密度分布の使用
(2):種族(例えば年齢、およそのスペクトル・クラスそして、距離指数)の性質を 導き出す理論上の色/等時線の使用。

ここでは、我々は詳細に色等級図の各々の領域を調べる前に種族を同定する手順を 解説する。
銀河星の寄与 

LMCフィールド(図3)の色等級図は、銀河系と LMC 種族を含む。銀河系の前景を定量 化するために、8-25ミクロン点光源カウントに基づく W92 の近赤外モデルを使う。W92 の銀河系のモデルは、構造上の 5 成分を備えている:

     指数関数的ディスク、バルジ、星のハロー、渦状腕、分子リング。 LMC(l=280.5 deg; b =-32.9deg)に向けての銀河系の光源密度への主な貢献は指数 関数的ディスクにある。銀河系の他の構造上の成分に起因する光源密度は、色等級図の いかなる領域でも 0.0005 % を上回らない。W92 モデルの光度関数は星のクラスの合計に よって表される。そして、色等級図に各々のクラスの貢献の独立した評価を許す。光源 の各々のクラスは、ガウス分布を持つと仮定される、

N(M) ∝ exp [ - (M - Mλ)2 ]
2


銀河系をモデル化するために、我々は W92 の表 2 から、最初の 33 のクラス(銀 河系の矮星、巨星そして、超巨星)を使用する。残り(AGBs、惑星星雲、その他) は、源密度に小さな貢献だけを与えることになっていて、色等級図に 影響を及ぼさない。銀河系のモデルで、我々は RiekeとLebofsky(1985)から赤化 パラメータを使う。ちりは、ディスクの動径スケール長そして、高度スケール 100 pc で、二重の指数関数的分布に従うと仮定される。


図4.色等級図領域の天体の空間的な密度分布。文字は、図3で導入される領域に 相当する。分布は、ガウスのカーネルでなめらかにされるカーネルである。輪郭レ ベルの同じ系列が、各々のコマ(テキストを見る)で使われる。120のdeg~2の輪郭 レベルは、強調される。


前景星の合成色等級図 

我々は、正確に色等級図を表すために各々の星のクラスの等級分散 σ を 10 分の1 に減らした。σ を減らすと、とがった微分光度関数になる、 しかし、これは我々のアプリケーションに影響を及ぼさない。そして、累積 光度関数はうまく近似されて残る。モデル の粒状性を考えると、もともとの W92 光度関数と我々のものとの一致は、 許容できる。銀河系のフィールドの観測された色等級図と、我々の合成 「前景」色等級図は、図 5 で示される

合成色等級図のチェック 

 簡単に説明可能なほんの少しの矛盾以外で、モデルそして、観測された色等級図との 一致は、よい。たとえば、J-Ks > 1(Ks = 13 - 14)での色等級図の拡張は、 フィールド銀河(2MASS銀河科学と分析 Jarrett 1998)の種族に起因する。

等時線の利用 

 色等級図の LMC 種族についての結論は、等時線フィッティングまたは色等級図の 特徴への経験的なマッチングに基づいて行われた。 我々は、ジラルディほか(2000)の理論的等時線を使う。これらの等時線はベル テッリのセット(ベルテッリほか1994)に取って代わる。そして、新規の吸収係数そ して、状態方程式を使用している。



図5.(a):銀河系フィールドの観測した色等級図
(b):W92モデルからの合成銀河系の色等級図
テキストで説明されるように。両方の図の中の密度は、1に規準化される。-0.5から -3.5まで、輪郭レベルは対数関数的で、間隔は 0.5 である。
各々の星のクラスに対してそして、天の川の各々の構造上の成分に対して類似した 図面は、観測された色等級図特徴に対して原因となる種族の明白な決定を許す。
等時線と経験的な同定 

 等時線は、低-、中間質量星(0.15Mo < M < 7Mo)に対し、主系列から RGB 先端、 あるいは、熱的脈動 AGB 開始までの進化を追っている。明瞭な LMC 種族は、文献から 既知の種族の色で色等級図の形態的な特徴にマッチすることによって同定される。特に、 ヒューズとウッド(1990)からMadoreとフリードマン(1991)からのケフェイド変光星 色、エリアス、Frogelとハンフリース(1985)からの早期 M 型超巨星色系列そして、長 周期変光星に関するデータを使う。

低メタル LMC と 高メタル銀河系基準星との差 

 この合致は純粋に定性的で、補足として使われるだけである。LMC が天の川と比較して より低い金属量を持つので、W92 モデルからの銀河系の巨星そして、超巨星の基準の色 は LMC に対して不適当である。LMC 距離(DM= 18.5)へ動かした W92 モデル巨星分岐と、 観測された RGB(図6を見よ)との、フィットは悪い。










図6.中間年齢及び老齢LMC種族を示す色等級図の-一部。
理論等時線は基本的な種族を表す。
実線:t = 11Gyr、Z = 0.004、μ = 18.5、E(B-V) = 0.2;LMCの古い種族
点線:t=4 Gyr、Z = 0.004、μ = 18.5、E(B-V) == 0.2; LMCの中間年齢種族
長い点線:t=9 Gyr、Z = 0.019、μ = 10.0、E(B-V) = 0.0; 銀河系のRGB星
μ= 18.5、赤化補正されたRGB色系列(W92)を正方形で、上横軸に対応するスペク トル型を示す。赤化ベクトルは、E(B-V) = 0.2に相当する。



図7.銀河系と、若いLMC種族を示している色等級図の一部
(a):2MASS色等級図の銀河系の矮星種族。
 実線:T=7Gyr、Z=0.019、μ= 9.0、 E(B-V) = 0.1に対する理論等時線。
    銀河系の中間的/老齢円盤種族を表す。
 点線:T= 14 Gyr、Z = 0.0004、μ =9.0、E(B-V) = 0.1に対する等時線。上軸
    に W92(μ = 9.0)スペクトル型が記されている、
    黒四角=赤化補正された矮星の基準カラー。
    赤化ベクトルは、E(B-V) = 0.2に相当する。
(b)若いLMC種族。
 実線:T =60Myr、Z=0.008、μ=18.5、E(B-V)=0.2に対する理論等時線。
    ケフェイド変光星(Madoreと自由民1991)に対して経験的なカラーは三
    角形で示され、不安定帯の位置が図の中に記されている。星印は W92
    からの超巨星(I-II)の基準カラー系列。
 点線:μ = 18.5で ZAMS 先端を示す。最も高温のO3-O6矮星に相当。
    ケフェイド変光星、超巨星そして、O型星の色は、赤化補正されている。
    赤化ベククトルは、E(B-V) = 0.2に相当する。


 3.2.領域A:LMCの青色超巨星とO型矮星 



青色天体の質量 

これらの青色天体は、LMC で早期型種族Iの星として直ちに同定される。この グループは、最近の(< 30 Myr)星形成の証拠である。色等級図(図7)で理論上 の進化的な進路を描くと、領域が青い超巨星と最も明るい矮星(ZAMS)によ って占められることが確認される。03-06型の最も高温の、最も重い矮星だけが、μ = 18.5 の LMC で見られることができる。主系列の他の全てのMS種族は、あまりに暗 く、S/N =10の限界以下に落ちる。この領域の超巨星種族は質量 4Mo <: M < 9Mo で中心核ヘリウム燃焼星から成る。

post-MS 星が A - H を旅する。 

これらの星は、青いか赤い超巨星(メーダーとMeynet 1989)として、色等級図 (参照図7b)の領域AとHとの間を巡って大部分の post-MS 寿命を過ごす。領域 A は 彼らの青いループの青い先端にある星を含む。領域 B と C を横切るとき、これらの星 は不安定性帯に入ってそして、ケフェイド変光星(SectionSection 3.3そして、3.4 を見る)になる。



領域 A 星の空間分布 

 これらの天体の空間的な分布は、また明らかに LMC 種族を示す。分布は、渦状 腕の位置の輪郭を描いているいくつかの最も豊かな OB アソシエーション、そして、 最も明るいそして、最も大きな HII 領域(例えば 30Dor)などから成り、かなり でこぼこしている。図 4a の密度集中は、広く知られたスーパーアソシエーション そして、シャプリーのコンステレーション(マーティンほか1976;van der Bergh 1981)と矛盾がない。
デ・ヴォークールとフリーマン(1972)と一致して、これらの最も若い種族は、LMC のバーをトレースしない。分布(ワインバーグとニコラーエフ2000)の定量分析は、 この種族の重心を可視域バー中心のおよそ1度北、α = 5h23m、δ = -68° 48' に置く。 早期型矮星の銀河系の種族は、領域 A のすぐ上、領域 B の青い方で、色等級図で直 ちに見られる。これらの星の見かけの等級は、距離指数= 5 - 10(r= 0.1 - 1 kpc) を示唆する。それに加えて、色等級図のこの領域は、フィールドのブルーストラグラー、 青い水平分岐星からの貢献を含むかもしれない。



3.3.領域B:MW円盤 F - K 矮星, LMC 超巨星

銀河系星による汚染 

領域 B は、J-Ks = 0.2 - 0.5 で色等級図上で垂直に引っ張られた区分である。 このカラー範囲は、ハロー(J-Ks = 0.3)と円盤(J-Ks = 0.4)の 主系列ターンオフを選りだしている。 空間的な密度分布は銀河中心の方、フィールド(図4b)の北東の隅 の方へ増加していて、銀河系の種族であることを示す。 色等級図の垂直方向の大きさは、これらの星が広範囲にわたる距離を持つことを示す。 我々の合成銀河系の色等級図で相対的な種族存在量に基づいて、これらの 光源が晩期 F から早期型 K への範囲のスペクトル・クラスの円盤矮星であると 結論する。 これらの星は、領域で前景光源密度の 90 % を説明する。色等級図(図 ID を見る)の 彼らの地位は、矮星が距離指数 = 3 - 10(r = 0.04 - 1.0 kpc)を持つことを示唆する。 領域の銀河系の巨星は F - G 型である、しかし、5 % 未満なので、前景光源密度に対する 彼らの貢献は取るに足らない。



B 領域内の LMC 星 = 黄色超巨星 

図 4b 中心付近で空間密度等値線がゆがんでいるのは、B 領域に LMC 種族の存在を示唆 する。等高線は、図 4a.中心付近に類似した構造の輪郭を描く。スー パーアソシエーション IV (α = 5h40m、δ = -69°)そして、V (α=5h35m,δ = -67°30')の密度過剰位置にそれぞれ印をつけてある。 (マーティンほか1976)。 カラーからLMC 成分はスペクトル型A−Gに相当する若い青いそして、黄色 の超巨星から成る。この種族は、明るい青い変光星そして、短周期ケフェイド変光星 (P ∼ 50日)を含む。図 7b は、LMC ケフェイド変光星(Madore, Freeman 1991) に対して、周期-光度関係に基づくケフェイド変光星系列を示す。図 7b は、W92 (彼らの表2を見よ)からの超巨星のカラーを示す。加えて、領域 B は、既知の LMC Wolf-Rayet星の大多数(∼ 80 %)を含む。0 < J-K < 0.5 の大部分の LMC ウオルフ・ライエ星に赤外超過がある。彼らの数は、しかし色等級図密度で観測できる 効果を生み出すほどはない。



3.4.領域C:MW 円盤 K矮星とK巨星、
        LMCバーの若い超巨星 

レッドクランプ 

Bと類似して、領域Cは色等級図特徴が距離の連なる天体で形づくられることを示 して、等級軸に沿って引き伸ばされている。この種族のカラーは狭い範囲 (Δ(J-Ks)〜0.3)に限定される。銀河系の合成色等級図はこの領域の観測星のほ とんど(〜70%)がμ<9(r < 600パーセク)の円盤K矮星によって生み出される ことを示唆する。円盤K巨星もこの領域に存在する。彼らのほとんどは、μ= 6-13(r ~ 0.2-4 kpc)であり、前景密度の〜20%に寄与する。図1aの等時線の点検 は、この領域の銀河系の巨星がレッドクランプ/水平枝星の進化段階にあることを 示唆する。これらの星の固有の明るさと色(Mk =-1.4+/-0.1, J-Ks= 0.6+/-0.1) かは彼らをこの領域の候補にするのは自然なことである。クランプの等級範囲が狭 いので、等級軸に沿った領域Cの光源分布は銀河系円盤の構造を限定する助けにな り得る。





領域 C の年齢 

領域C(図 4c 参照)の LMC 種族は、領域 A そして、B.での最も若い超巨星と比 べてわずかに年をとっている。図の中心等値線は LMC のバーの輪郭を描くが、スーパ ーアソシエーションの位置で密度過剰を示さない。領域 C の大部分の LMC 光源は、Ks > 10.5を持つ。図 4c と 4i との間の中心等値線の形の類似性は、それらが年齢300-500 Myrで、やや低質量の若い超巨星で、領域I(図7a)に進化する過程にあることを 示唆する。これらの星は、マゼラン雲(グレーベルとブランドナー1998)のバーを トレースする。より長周期のケフェイド変光星(P < 100日)を含むより重い超 巨星からの貢献も存在するかもしれない。



 3.5.領域D:MW 円盤 G - M 矮星、
         LMC RGB、E-AGB 星 


空間分布の双峰性 

領域 D は、色等級図の最も混雑した領域で、サンプルの半分以上の天体を含む。 色等級図の位置と、その大きな色範囲(0.25 < J-Ks < 1.2)のため、 この領域はまた最も不均質である。空間的な分布(図4dで示される)は、前景星と LMC 種族を示す(外側の LMC 等値線を銀河系の種族がゆがめている効果を、注意せよ)。 観測された色等級図は、この領域で明確に双ピークである。赤い側は LMC の RGB と E-AGB 星で占められる。青い半分は大部分、銀河系の G−M 矮星によって 占められる。領域の赤い半分(J-Ks > 0.7)にあるAGB星は「早期型 AGB」 (E-AGB)段階にあり、エネルギーは、厚いヘリウム・シェルから生み出され、、 外側の水素シェルは消えている。

 AGB バンプ  

これらの星は、最近 AGB の底(Ks = 16 のいわゆる AGB「こぶ」)を通過したばかり である。この「こぶ」はヘリウムの中心核燃焼からシェル燃焼への推移を



表わしている(Castellani, Chieffi, Pulone 1991)

AGB コブ は、ハーディほか(1984)によって、LMCバーの色等級図上に最初に観測 された。水平枝と比べて1等明るいだけなので、この特徴は、 図 3 の色等級図では見えない。しかし、より深いデータ(図11)には存在する。 経験的に、E-AGBの大部分の星は、M型である。

領域 D の前景星 

前景星だけが、領域D(参照図5)の赤い半分への軽度の貢献者である。この領域の 銀河系の矮星は、μ =8-11(r = 0.4-1.6 kpc)を持つ。この領域でわずかに光源 密度に寄与している種族は、若い超巨星、ケフェイド変光星、垂直に伸ばされた レッドクランプの中間質量赤色星(VERC;第3.10節を見よ)が含まる。

記述のようなら、なぜ 領域Dを青半分と赤半分に分けないのだろう?




 3.6.領域E:上部RGB、RGBの先端 



ヘリウムフラッシュによる赤色巨星先端の形成 

領域 E は、上部 RGB から RGB(第4節を見る)の先端を含む。これらの星の 大部分は、第一赤色巨星分岐の上にある;縮退したヘリウム中心核と水素-燃焼 シェルを持つ。これらの星の大多数は、1 - 15 Gyr のどこかの年齢である。RGB の先端は、古い(低い質量)星では、へリウム・フラッシュ(RenziniとFusi-Pecci 1988)として知られている縮退ヘリウム中心核の発火で定められる。TRGBの星は、 彼らの中心核のヘリウムに火をつけてそして、水平枝に速く進化する。

E-AGB から TP-AGB への転移 

この領域はまた、E-AGB から TP-AGB(外側の水素シェルが再点火される(Iben, Renzini 1983)ステージ)への推移期にある AGB 星を有意な割合で含む。熱パルスの 間、星は水素シェル燃焼とヘリウムシェル燃焼との間を交互に行き来する。E-AGB から TP-AGB への推移は、TRGB の近くで起こると理論的に予測されている。また、TP-AGB の上で、これらの星はやがてはミラ型変光へとなるより短い周期の大気の脈動を 経験するかもしれない。マッチョデータ(アルベスほか1998; P. R.ウッド1999 (個人的なコミュニケーション))の分析は、



TRGB より明るく、赤い星が全て 変光星であることを示唆する。この領域の E-AGB 星のほとんどは、M 型星である。 より明るい等級へと延びると、酸素型 AGB 星の系列は、領域 F と G (Section 3.7そして、3.8)につながる。

領域 E 星の空間分布 

色等級図のこの領域の星は、RGB + AGB 光度関数(第4節を見る)の分析に おいて最も多くの重要性をもつ。彼らの空間的な分布は比較的なめらかである。 そして、強い円盤そして、バー成分を示す。図 4e の外側の輪郭が形で楕円で、前景 種族が有意には見られない点に注意せよ。この領域の前景天体の小さな割合は、 円盤 M 矮星に起因する。彼らの密度は、より暗い等級(参照図5)の方で、着実に 増加 している。



 3.7.領域F:酸素型 AGB 星

炭素星への変化 

領域 F は、領域 E(図4e と 4fとの類似点に注意せよ)の星の直系である中間 年齢(∼ 1 Gyr)の主に酸素型 AGB 星を含む。 これらは E-AGB、TP-AGB 星である。この領域の色等級図外側等値線(図3)は、 ゆがめられて領域Jに伸び、この領域での炭素星の存在を示す。熱 パルスの間、外側の対流外層は、ヘリウムが炭素に変わった領域に達するかもしれな くて、表面に炭素が増加した物質を持ってくるかもしれない。このドレッジ アップ過程は C/0 比率の増加に導く。領域 F そして、領域 G の M 型星は炭素星 になるかもしれない。色等級図で、炭素星はより赤い色、J-Ks > 1.4(第3.11節を 見よ)、の「分岐」を形づくる。




前景星の混入 

領域 F 星の若干の割合は、LPVs(図8を見よ)そして、赤くなった超巨星である。 図 4f そして、4g は、銀河系の種族に起因する等値線を示さない。領域 F 成分は、 銀河系円盤 M 矮星としては、明る過ぎ、赤すぎ、銀河系の AGB 星としては暗すぎるので、前景星の混入は無視してよい。


 3.8.領域G:AGB星 



炭素星になるには短命すぎる AGB 星たち 

領域 G には縮退した C/0 中心核を持つ最も重い星が含まれる。これは、若い AGB (およそ 5 - 8 Mo の初期質量をもつポスト-中心核ヘリウム燃焼星)の種族である。 これらは、炭素星になるにはあまりに短命(0.1 - 1 Gyr)であるが、赤い超巨星 になるのに十分重くない。領域 F と類似して、この領域も LPVs(図 8 を見よ)を 含む。フィーストら 1989 が導いた酸素ミラ型星の周期-色関係はかなり忠実に、 領域 F と G(ワインバーグとニコラーエフ 2000)で描かれる色等級図の若い AGB 分岐をトレースする。領域 G は、十分に明るいので比較的低密度の LMC 明るい 酸素型 AGB と較べても、前景の MW M 型矮星の密度は低い。・









図8.色等級図の進化した星を示す部分。
   クロス:エリアスほか(1985)からの M1-M4 型超巨星。
   四角:M 型 LPVs 
   三角:K 型 LPV。 
   黒四角:ヒューズとウッド(1990)の C-type LPVs。
   左の矢印は、RGB 星の理論上の先端、熱パルス AGBs.に対する    光度の下限を示す。
   赤化ベクトルは、E(B-V) =0.5 。
















 3.9.領域H:LMC K-M超巨星、
        銀河系のM矮星、K-M巨星 



A領域星の後継者 

図 4h は、LMC種族を現す。空間的な分布は若い OB 星(領域A)の分布と類似 していて、これらが比較的若いことを示唆する。μ = 18.5で、これらの星は、 通常の M 型巨星としてはあまりに明るい。彼らの近赤外色に基づいて、我々は M 型の超巨星として領域 H 天体を同定する。それらは、LMC の渦状構造をトレース して、マゼラン雲のバーで有意な密度過剰を示さない。これは若い種族と矛盾が ない。星の質量は、2 - 9 Mo (Bertelli、Bressan, Chiosi 1985) と思われる。 進化的な系列で、これらの星は領域A(図4との類似点に注意)の星の直系である。 これらの星は、また VERC の高質量側への拡張でもある。






前景星は僅かである。 

図8に、我々はエリアスほか(1985)のサンプルからの M1 - M4 超巨星の観測された カラーを描いた。彼らのサンプルのカラーは領域 H の一部を占める。そして、我々 の同定を支持する。銀河系の前景は円盤 K - M 巨星、そして、M 矮星がだいたい 等しく貢献する。しかし、領域の光源密度に対する彼らの全体的な貢献は 数パーセントだけである。 これは、図 4h で銀河系の等値線が欠如していることで確かめられる。


 3.10.領域I:LMC 中間質量の赤色超巨星、
        MW K-M 矮星 

VERC = Vertically Extended Red Clump 

領域 I は色等級図の中央 0.7 < J-Ks < 1.0 に位置する。色等級図に 観測される密度過剰は、VERC = Vertically Extended Red Clump(垂直に伸びた レッドクランプ;アルコックほか2000)に伴っている。注意しておくが VERC は RC より 3.5 等以上明るく、Zarutsky, Lin 1997 の RC より 1 等以下しか明るく ない VRC = Vertical Red Clump とは異なる。 これらは中間質量星から成って、そして、赤い超巨星(領域 H )からの低質量星 側への拡張である。VERC は、Ks = 17 のレッドクランプから上へ伸びて、そして、 Ks = 13.5 の近くで色等級図に現れてくる。この点で、RGB の赤側への傾きは、 VERC から区別するのに十分なほど大きい。

空間分布の特徴と種族 

空間的な分布は、バーが支配的で、それに渦状構造の跡を示す。我々は この LMC 種族が年齢 ∼ 500 Myr の若さであると結論する。この領域の LMC 天体は主に K、M 型超巨星である。これは、図 4i と 4h の 等値線の全体的な類似性によって、そしてまた、領域 I が領域 H からのより暗い 等級、より低い質量への拡張であるという事実によって支持される。





この星の素性が気になる。I と H の間で尾根が少し 鈍くなるのは星形成史のギャップに対応するか? H,IのCMDフィンガーは進化経路なのか、それとも様々なマスの 停留系列なのか? 

変光星 

図 8 は、ヒューズとウッド(1990)のサンプルで、K-, M- ミラ型星、そして、半 規則型変光星を示す。彼らの変光星のかなりの割合はこの色等級図領域で納まる。 そして、これらの 2MASS 星のいくつかもまた変光星であることを示唆する。

前景星 

図4i の分布は、また前景種族を現す。銀河系の前景は、M-、晩期K- 矮星から 構成されている。銀河系の巨星は、前景密度の 5% 未満を寄与する。距離指数 μ = 5 - 8 (r ∼ 0.1 - 0.4 kpc; 図 7)で、矮星は円盤に位置する。 天の川ハローからの貢献はこの領域に限らずどこでも 0.0005 % 未満である。


 3.11.領域J:炭素星 

炭素型変光星 

領域 J は J-Ks > 1.4 で、主に炭素型 TP-AGB 星である。これらの星は、領域 F、 G の酸素型 TP-AGB 星の直系である。 第 3.6 節で言及されたように、これらの星は大部分長周期変光星である。変光性は 一回の 2MASS データに基づいて決定することができない、しかし、明確に定義さ れた系列は追加観測に動機を与える。図 8 は、ヒューズとウッド(1990)からの

ループ状分布 

C-rich LPVs 星が 2MASS 色等級図の上で重なっていることを示す。 M 型 LPV の汚染は小さい。フィールドの炭素星の空間的な分布は、彼らの前駆星 (図 4f )の分布と類似している。分布はかなりなめらかで、そして、ウエスタ ーランド(1964)が記述したようにループ状のパターンを示す。この ループは北の主要な渦状腕の拡張である。そして、システムの主本体部を丸く囲んで ほとんど完全なターンの後、バーの方へ戻っている。







マゼラン雲の三次元構造 

 色等級図のこの領域の光源は、2つの理由でLMCの三次元構造を研究する最高の機会 を提供する。

第一に、2MASSが達成した空間的な範囲は全天であって、マゼラン雲全ての調査を許す。

第二に、周期または色に基づいて固有の光度決まるので、J 領域星は長周期変光星 として潜在的に良い標準光源である。選択しやすさと、周期-光度色リレーションから 簡単に得られる固有光度(Feast et al 1989)によって、これらの星は、 視線に沿っての LMC 構造の優れた調査プローブである。予備的な結果 (ワインバーグとニコラーエフ2000)は、色範囲(Δ(J-Ks) ∼ 0.1)内 では光度分布の幅が σ = 0.2 等以下であることを示した。この精度で、これ らの標準光源は、Δr ∼ 4.5 kpc で LMC の空間的特徴を解像できる。 2MASS はおよそ 104 の潜在的カーボン LPV を検出した。これらは 空間的な構造を相当な信頼レベルでの推論に到達するのに十分である。 ワインバーグとニコラーエフ(2000)で、我々はLMCの三次元 構造の我々の研究を提示する。


 3.12.領域K:チリに覆われた AGB 星 



チリに覆われた AGB 星 

 領域 K は領域 J の拡張で極端に赤い天体を含む。それらはチリに隠された AGB 炭素型星と同定される。彼らの大きな J-Ks カラーは、星周外層シェル ( E(B-V) ≥ 1)に起因する。その空間的、および色等級図分布の特徴は以下の通 りである。

(1)空間分布 

 図 4k は、これらの天体(参照4g図、そして、4h)によって輪郭を描かれる 渦状構造の跡を示す




(2)色等級図分布 

 領域Jの終わりから赤化ベクトルの方向へ色等級図広がりの分布。

非常に赤い種族 

LMC 内のダストでおおい隠されたAGB星の既存の近赤外 測光(Zijistraほか1996;van Loon ほか1998)と同定することにより、これらの 光源の大部分が実際に色等級図のこの地域にあることが判る。他のとても 赤い種族、例えば「繭」星( Reid 1991)または OH/IR 星(ウッドほか1992 ; van Loon ほか1998)もここで見つかる可能性がある。それに加えて、既知の LMC 原始星のうちの2つ、N159-P1、そして、N159-P2(ジョーンズ ほか1986)も、この領域に落ちる。



 3.13.領域L: LMC 赤い M- 巨星、銀河系 M 矮星、2MASS銀河

2MASS 銀河 

領域Lの星は、LMCの赤化した M 巨星、少数の赤化した銀河系 M 矮星である。 しかし、この領域のかなりの数の光源は背景銀河である。 フラックス限界の近くでの測光精度の低下を考慮しても、銀河系の星に起因する 領域 L の予測された色等級図密度はあまりに低い 減少している信号対雑音比は、輪郭レベル(図5を見る)の見かけ上の拡大を引き 起こす。「2MASS 銀河科学分析」によれば、2MASS 銀河の 90% 以上は J-Ks = 1 より赤い。







LMC L-領域天体 

天体の空間的な分布( 図 4I )は、LMC の中央で密度過剰を示す。図の最 も濃い部分は、30 Dor 複合体の位置に相当する。LMCの渦状構造の跡も目 に見える。 彼らのカラーに基づくと、これらは LMC のかなり強くおおい隠された RGB 星である。 それらは RGB から赤化ベクトルの方向にある。これらの天体(E(B-V) = 0.5)に対し て推論された星間赤化は、LMC 赤化分布(ハリスほか1997)の延長されたしっぽと 矛盾がない。領域 L はまた、重い( > 10 Mo )原始星、そして、ウルトラコンパクト な HII 領域からの貢献を含む。 矮星の種族は、銀河中心の方向に増加を示す図 4I の外側の等値線によって暗示される。 これらは、μ = 5 - 8(r = 100 - 400 pc)で、天の川の円盤の局部的な M 矮星である。



 4.LMC RGB、AGB 種族の光度関数 

銀河系種族の削除 

我々は、銀河系の前景を減じた後に色-等級図から、LMC 巨星分岐光度関数(LF)を 導き出す。銀河系のデータにアクセス出来なかったので、前景貢献は 我々の LMC フィールドの端にある小さな 3 フィールドから推定された。
本当は可能なはず。
次に銀河系合成モデルからの天体の数に対して、その評価を使うこと によって全 LMC フィールドの前景色等級図を測定した。
銀緯依存性を合成モデルで入れる際の規格化?
図 9a は、銀河系の前景を減じた後の LMC 種族だけのフィールド色等級図である。 予想された銀河系の光源は 4 × 105、つまり約 50 % である。 観測された色等級図、及び銀河系のモデルの不確実性により図 9 で負の密度 領域(点線部分)を産み出した。負密度平均値は、-103.2 mag-2 である。

LMC 巨星の光度関数 

LMC 巨星の光度関数は、巨星分岐の隆起線ラインと直角をなす方向から色-等級図を 投影することによって得られる。関数は、1 に規準化されている。RGB 光度関数は 表 1 で与えられて、そして、図 9 にはめ込みで示される。LF の強い特徴は、 TRGB に起因する Ks = 12.5 のかなりの過剰である。見かけ光度関数の導関数の 分析から、我々は TRGB の位置を Ks = 12.3 ±0.1 と導き出した。

この銀河系前景星のさっ引きは失敗なのではないか?
残差のLMC成分がこんなに汚くては RGB 以外は使いようが無い。
やはり、LMC から十分に離れたところで前景星のみの CMD を作って その解析から経験的な削除用CMD を作るべきだ。





図9 LMC 種族の色等級図と LMC 巨星枝の光度関数。銀河系星は削除。
   (a) 全フィールド。レベルは対数的で 2.5 - 5.5 0.5 間隔。
   (b) バー。レベルは対数的で 2.0 - 4.0 0.5 間隔。
   (c) 外側のループ。レベルは対数的で 1.0 - 3.5 0.5 間隔。
   点線は負密度領域を示す。




TRGB より明るい側の LF  

TRGBの明るい側では、RGB星の数はだんだん少なくなる。暗い末端(Ks=14)の数 密度の増加は、銀河系のM矮星(参照図5)の貢献に起因する。等級 範囲 11 < Ks < 12 の明るい末端で、光度関数はほとんど一定である。LFに 寄与している大部分の星は AGB の上にある。 第3.7節で示したように、これらの星は酸素型である傾向がある。しかし、 炭素型 AGB も存在する。

比較フィールドのLF  

 我々は、2つの2度 × 1度フィールドを選んだ。一つはバーの光学中心近く、 そして、もう一つは外側のループ近く、α = 93°, δ=-67°.5 (J2000.0)である。 明瞭に区別される LMC 環境で観測された M 巨星光度関数を比較するのが目的である。 外側のフィールドは、進化した星(第3.11節を見よ)によって浮き出された LMC の外側のループを調査している。フィールドの各々に対して、我々はフィールド で推定された銀河系の前景密度を減ずる。図9aと類似してい、観測、そして、 モデルの不正確は、負の密度領域を生み出す。しかし、これらの領域の平均負の密 度は、巨星分岐と比較して小さなだけである:バー領域で -100.4 mag-2, ループ・フィールドで -100.5 mag-2。 定性的に2つの色等級図を比較して、我々は J-Ks ≤ 0.2 で、若いOB星と 超巨星の貢献が LMC の中心領域でより強く見える点に注意する。
円盤の動径変化を見ているのではないか?
たとえそれぞれのフィールドの光度関数が異なるように見えるとしても、慎重な分析 は相違が表面的である、χ2/dof = 0.2、 ことを示す:母集団 に有意な差がない。 バーLFは、全フィールド(図9a)の光度関数と類似している、これは、 LMC フィールドの光源密度が LMC バーによって支配されるから意外ではない。 バー光度関数は、またKs= 12.3 のはっきりした TRGB、そして、AGBsに起因する 11 < Ks < 12 での数密度超過を持つ。Ks > 14 で、図 9 に見られる銀 河系の M 星による急激な増加はバー・フィールドでは消える。 これは、我々がフィールドを最も大きなLMC密度の領域にしぼることによって LMC / 銀河系の計数の比率を押し上げたからである。
バーから離れたLFは、TRGB の位置で光源計数の穏やかな増加だけを示す。 しかし、Ks < 12 では AGB 種族に起因するだいたい一定プロフィールを持つ。 両方のLFを定量化するために、我々は表 1 で彼らの数値を示す。光度関数は 相対的な単位で与えられる。そして、1 に規準化される。表は、LMC 巨星分岐に 対してまた光源カウントを与える。全LMCフィールドに対して、我々は等級ビンに つき全体計数を提示する、そして、二つの小さなフィールドに対して、我々は星の 密度(計数/等級/deg^2)を与える。


比較フィールドのメタル量に差がない  

我々はLMC.の中心と外側の間で金属量に相違があるかを試験するために、図 9 で 各々の巨星分岐に理論上の等時線(ジラルディほか2000)を合わせた。我々 は、Ks = 14.3 - 12.3 での 20 の等しい間隔の格子点を選んで、


そして、これら Ks 点で J-K 分布のピークを計算する。等時線モデルと RGB データとの間の相違はコスト関数、

 f = Σ[(J-Ks)j,RGB - (J-Ks)j,isochr]2 + w[KsTRGB - 12.3]2

で評価される。ここに、重み w は調整パラメターである。コスト関数を最小にする パラメター = 年齢 τ, メタル量 Z, 距離指標 μ, 平均赤化 E(B-V) を探した。

赤外等時線フィットの利点 

 可視域データを分析する場合、低い [Fe/H] で RGB 星は強い年齢-金属量縮退 を受けるので、通常は等時線フィットから除外される(Gallart et al 1999)。 しかし、星の物理、低い減光、そして、極端でない低金属量の組合せは、近赤外で、 特に LMC に対しては、確固とした等時線フィットを許す。

第一に、年齢-金属量縮退は、実際は年齢-金属量-赤化縮退である。より小さな 近赤外赤化は縮退を減らす。

第二に、赤色巨星の半径と温度は外層オパシティに支配される。そしてそのオパ シティは星の質量よりも、電子を放出する重元素の数に鋭敏である。例えば、 [Fe/H] の 0.5 dex 変化は、年齢での 10 Gyr 変動に対応する(Da Costa 1998)。 RGB が金属量によって多きく支配され、そして、我々の主要な ゴールが空間的な変動の測定であるので、金属量の相対的な変化の検出は 等時線に伴う系統的困難さに対し耐性がある。

最後に、理論上の赤色巨星分岐は、可視域の特に [Fe/H] < -1.4 に対して 信頼性が低い。しかし、LMC の主要なメタル量範囲である [Fe/H] > -1 では、 理論のモデル同士一致が良く、そして、データ(Lejeune, Buser 1999)とも良く 合う。

ベストフィットモデル 

 ベストフィットモデル (τ, Z, μ, E(B-V)) は
中心領域で、 (9.8 ± 0.3, 0.0040.002-0.001, 18.45 ±0.11, 0.21 ±0.07)、
外側領域で、 (9.8 ± 0.4, 0.0040.002-0.001, 18.50 ±0.13, 0.13 ±0.09)
であった。
星形成史は無視しているが、意味ある結果だろうか?
これらの結果は、でRGB種族に対して年齢範囲を平均 6 Gyr で 3 から 13 Gyr に広が っていることを暗示する。RGB 等時線の傾きの縮退は、特定の星形成史をテストすること を難しくする。特に、我々の予備的な RGB 等時線分析は 4 Gyr より以前に、 星形成歴史が連続的であったか、それとも一回または数回のバースト的星形成があった かを識別することができない。


メタル量勾配がない 

全体として、我々の結果は金属量の動径勾配を示さない。中心フィールドで 赤化が大きいというすれすれの証拠を提供しただけである。LMC の高い金属量勾配 の欠如は Olszewski et al(1991)の結果と一致している。かれらは星団システム に対してメタル量勾配の証拠を見出さなかった。LMC(ウエス ターランド1997)を横断する一定 C/M 星比率、そして、ケフェイド変光星存在 量(ハリス1983)も、この結果を支える。

メタル量の範囲 

 我々の結果はフィールド種族のメタル量の範囲として、-0.8 < [Fe/H] < -0.5 を示唆する。それは内側 LMC 円盤(コール1999)の平均存在量 [Fe/H] = -0.58 ±0.05(系統的) ±0.30(統計的)と良い一致にある。我々の結果は 円盤メタル量 [Fe/H] =-0.7(Cowley, Hartwick 1982)、 の結果で一致する。LMC の外側円盤フィールドで、平均 ⟨[Fe/H]⟩ = -0.61 ±0.11で, 範囲 -1.1 < [Fe/H] < -0.4を導き出した Bica et al.1998)とも合う。



深い測光探査 

 採用された検出しきい値(S/N = 10;第2節)は、我々のデータ(参照図3)では、 測光完全性限界 Ks < 14.3 に導く。このフラックス・レベルでは、上部 RGB だけが見える。したがって、Ks = 16 のAGB隆起、Ks = 17 のレッドクランプは 対象外である。Ks = 16 - 17 まで巨星分岐を解像するために、我々は 2MASS エンジニ アリング・データ(それは 6 LMC 走査 を含む)を使う。その領域は、図10 で示 される。

 「深い」走査の各々は、6 × 標準星露出を行った。この深い測光データの 色-等級図は、図11 で示される。図の中の天体の総数は 87,093 である。その内 、69,878( ∼ 80%)は 3 つのバー走査においてある。深いデータのバー優位 のため、全サンプル (図lla) とバー走査(図llb)の色等級図は類似している。 感度向上の結果 J-Ks = 0.7(Ks = 15.8)でAGB 隆起に着く。しかし、 レッドクランプは見えなかった。主要なデータセットと同様に、我々は等時線 にフィットして深い RGB 種族を定量化した。

深い RGB 種族 

 ベストフィットのパラメータは、Z = 0.004 +0.002/-0.001、 τ = 9.7 ±0.3、μ = 18.50 ±0.12、E(B-V) = 0.19 ± 0.08 である。 ここの不確実性は統計
エラーで、χ2 極小近くでの面の形から導き 出された。深いデータから推論された RGB 種族年齢の範囲は、主要データ セットに対して導き出されるそれと類似していて:3 - 10 Gyr の範囲で、 平均 5 Gyr である。他のパラメータも標準 2MASS データから導き出される値と 矛盾がない。これらの評価は、最近の文献値、例えば平均赤化 E(B-V) = 0.20 (ハリスほか1997)、LMC距離 μ = 18.5 (Key Project Mould et al 2000), 18.59; ±0.09 Sakai et al 2000 とよく合う。


図10.6つの「深い」走査の位置。


図11.LMC.の「深い」色-等級
図コマは、(a)結合される全ての6つの深い走査、(b)3つのバー走査、そして、 (c) 3つの外側のフィールド走査の色等級図を示す。(d)は、コマ(a)と同じであるが 、RGBに対して最良-フィットされた等時線を示す。
銀河系の前景は減じられない。輪郭レベルは、0.5倍で対数的に間隔を 置いて配置される((b)d)-0.2 から -0.1、(c)-3.7 から -3.6。
下部 RGB は、図9 より強化されている。コマ (c) の RGB の弱さは、銀河系の 前景からの強いな汚染を示す。Ks = 17(J-Ks = 0.65)で、赤色巨星クランプは、 この図の完全性限界のちょうど下にある






 5.まとめ 

本論文では、我々は大きなマゼラン雲の近赤外色等級図を分析して、そして、 主要な星の種族を同定した。種族は、観測された色等級図光源密度にフィットして いて、そして、既知の種族の理論上の色等級図色にマッチしている等時線に基づい て同定される。

2MASSデータのこの予備的な分析の要点は、以下である:

1. 2MASS の有用性 

1. 2MASSデータの量と品質は、LMC 全体の先例のない観察を許す。 2MASSは 3 - 4 % という光度測定の正確さによる LMC 天体(数百万星)の豊かな サンプルを生み出した。JHK 2MASS 測光は、マゼラン雲の星形成歴史を研究する ことに対して潜在的に有用である。既存のカタログと 2MASS との相互同定から 赤外超巨星(Sanduleakカタログ)、ウオルフライエ星(Breysacherカタログ)、 ケフェイド変光星(OGLE、EROS データセット)、LBVs、そして、LPVs.の均一で正確な赤外測光が得られる。

2. 色-色図 

 色-色図は、特に色範囲 0.5 < J-Ks < 0.8 では、巨星(III)、矮星(V) 種族との間の区別に向いていない。それにもかかわらず、図は赤外 過剰(例えばおおい隠されたAGB星、B[e]星またはLMC原始星)で、若干の候補 LMC 天体を同定する際に有用かもしれない。それに加えて、J - H の狭い範囲での J - Ks の分布は鋭敏な赤化テストである。

3. 主要な種族の同定 

 主要な種族は、既知の種族の理論上の位置で観測された色等級図特徴の比較に基 づいて同定することができる。等時線の重ね書きは、予備的な年齢、金属量評価を 提供する。我々は、相当数の LMC 種族、AGBs(≥104天体)、 そして、おおい隠されたAGBs(∼ 2000天体)を同定した。
4.巨星光度関数 

 LMC巨星の光度関数が決定され、表にされた。我々は、RGB 先端を Ks = 12.3 ±0.1であることを見出した。2つのテスト・フィールドの 光度関数の予備的な分析は、光度関数がマゼラン雲のバーと外側の領域で 同じことであることを示唆する。

5. 巨星分岐の等時線フィット 

 巨星分岐(TRGBを含むこと)に等時線にフィットすることは、フィールドと の間の矛盾がない金属存在量を与える。特に、我々は我々のフィールドに対して平均 金属量Z = 0.004 を導き出す。深いデータの分析は、同じ平均金属量を与える。我々の 結果は、LMCのフィールド種族で、高い動径金属量勾配の欠如を確かめる。

6.距離指数 

 RGBへの我々の等時線フィットから得られる距離指数は、文献値および 最近の結果と矛盾がない。平均赤化はバー、そして、外側のフィールドとの間で わずかに異なり、バー・フィールドに対して E(B-V) がより大きい。深いデータの分析 からの距離指数、そして、赤化評価は、類似した値を生み出す。

7.年齢 

7. 主要な RGB 種族の年齢は、平均 ∼ 6 Gyr で 3 から 13 Gyr の範囲に納まる。 深いデータへの等時線フィットは、平均年齢 5 Gyr, 範囲 3 - 10 Gyr という類似した 年齢間隔を生み出す。3-4 Gyr よりさらに以前の星形成の歴史について結論を出すには 詳細な等時線分析が要求される。

8.炭素型長周期変光星 

 炭素型長周期変光星は、潜在的標準光源として注意される。 彼らのかなりの数、そして、狭い光度範囲(それは、周期-光度か光度-色関係を通し てparameterizedされるかもしれない)に起因し、これらの星は、視線に沿ってLMCの 構造を研究することに対して理想的に適している。