最近、星団が単純星種族かどうかに疑問が提示されている。特に、 LMC の 中間年齢 1 - 2 Gyr の大きな星団では、 CMD から年齢幅が 100 - 500 Myr に及ぶ証拠が見つかっている。これらの星団で複数回の星形成が起きたなら、 t < 1 Gyr の若い星団でも同程度の年齢の広がりが見えるはずである。この 仮説を調べるため、八つの若い LMC 星団 NGC 1831, NGC 1847, NGC 1850, NGC 2004, NGC 2100, NGC 2136, NGC 2157, NGC 2249 の HST データを調べた。 | これら星団の CMD を解析し、その星形成史をフィットして年齢幅の上限を 導いた。これらの星団のどれにも、中間年齢星団で提案されているような 広がった星形成史の証拠はなかった。人工星によるテストは最も若い星団での 年齢広がりは測光エラーで説明可能な範囲である。副産物として NGC 1850 の年齢がこれまでの 30 Myr よりずっと古い 100 Myr であることが判った。 |
![]() 図1.NGC 2136 のカラーエラー |
![]() 図2.NGC 1850 のカラーエラーモデル ![]() 図3.NGC 1847 星の WFPC2 チップ上の位置。赤丸=コア半径の2倍。 2重丸間の輪領域=フィールド星。アステリスク=星団中心。 |
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![]() 図8.NGC 2249 の星形成史。黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 1.11 Gyr, 標準偏差= 139 Myr. |
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![]() 図10.NGC 1831 の星形成史。黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 924 Myr, 標準偏差= 126 Myr. |
![]() 図13.NGC 2136 のCMD。t = 200 Myr ヘス図を重ねた. |
![]() 図12.NGC 2136 の星形成史。黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 123.3 Myr, 標準偏差= 22.6 Myr. |
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![]() 図15.NGC 2157 の星形成史。黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 98.3 Myr, 標準偏差= 13.2 Myr. |
![]() 図17.NGC 1850 の星形成史。黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 93.4 Myr, 標準偏差= 18.3 Myr. |
![]() 図17.NGC 1850 の星形成史。黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 93.4 Myr, 標準偏差= 18.3 Myr. |
![]() 図20.NGC 1847 の星形成史。黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 56.7 Myr, 標準偏差= 4.8 Myr. t = 14 - 30 Myr の不規則な星形成は 57 Myr 主系列より明るいところに ある星を説明するためである。 |
![]() 図21.NGC 1847 の星形成史を用いた人工 CMD。 年齢ごとに色分けした。 |
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![]() 図26.NGC 2004 の星形成史。 黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 19.5 Myr, 標準偏差= 1.4 Myr. |
![]() 図27.NGC 2100 のCMD. 三種類の赤化、青、緑、赤を重ねた。 ![]() 図29.NGC 2100 のCMDを回転し、減光線が水平になるようにした。 赤は中心、青は中心を除いた領域に分布。微分赤化を示唆する。 ![]() 図31.NGC 2100 の星形成史。黒点=年齢ごとの質量寄与分。実線= ガウシャンフィット。ピーク= 19.5 Myr, 標準偏差=2.0 Myr. |
![]() 図28.NGC 2100 の三種類の赤化を受けた星の空間分布。 赤は中心、青は中心を除いた領域に分布。微分赤化を示唆する。 ![]() 図30.NGC 2100 の 微分減光補正後のCMD。 ![]() 図33.t = 63 Myr での NGC 2100 の post-AGB 星の出現率。 星形成史に基づいた 1000 人工星団のモデルによる。 |
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![]() 表3.星形成史フィットのまとめ |