FLAMES/VLT ファイバー多体分光器により、 LMC 連星団 NGC 2136の 7 星と NGC 2137 の 4 星の高分解能スペクトルを撮った。この二つは連系を成している のではと疑われている。両者の中心間隔は 1.4 arcmin である。視線速度を測った 結果、平均して NGC 2136 は Vr = 271.5±0.4 km/s, NGC 2137 は Vr = 270.6±0.5 km/s と分かった。 | [Fe/H](NGC2136) = -0.40±0.01, [Fe/H](NGC2137) = -0.39±0.01 であった。[α/H] は両者ともにほぼソーラーであった。これらの結果から、 両星団は重力的に拘束されていて、同じ分子雲から生まれたと看做せる。 LMC ペア星団が連系を成すことが初めて確認された。軌道時間程度の将来、 両者は合体して一つの星団となるであろう。 |
![]() 図2.上:視線速度分布。NGC 2136 から半径 3 arcmin 以内。 下:Vr > 230 km/s 星の Vr - [Fe/H] 関係。黒丸=連系の星。 白丸=フィールド星。灰色丸=第3体に属する星。 |
![]() 表2.NGC 2136 と NGC 2137 星の平均元素組成。 |
![]() 図3a.NGC 2136, NGC 2137 の周辺領域の SigI 色等級図。灰色円=分光星。 |
![]() 図3b.4星の UVES スペクトル。 |