The Edge of the Milky Way Stellar Disk Revealed Using Clump Giant Stars as Distance Indicators


Minniti, Saito, Alonso-Garcia, Lucas, Hempel
2011 ApJ 733, L43 - L46




 アブストラクト

 ヒッパルコスで較正したクランプ巨星の絶対光度を用いて、UKIDSS-GPS と VISTA Variables in the Via Lactea (VVV) の二つのサーヴェイにより、これら の星のマップを作った。クランプ星の選択範囲をいくつか試して結果を比べた。  銀河面の上下でも分布を調べて、ワープの効果も考慮した。その結果、 銀河系の恒星円盤には R = 13.9±0.5 kpc に縁が存在することを見出した。 恒星円盤の縁をマップできるので、いくつかの銀河系モデルをテストすることが 可能となった。


 2.観測データ 


図1.レッドクランプ星の選択。左: VVV d003 フィールドの CMD. 破線= クランプ星領域境界。中央と右上の図は距離分布を出すのに用いた.中央図の 破線=等距離線(kpc)。右下図:距離分布曲線(上)とその微分係数(下)。右下図の 縦線=微分の最外側極小点(=縁)を示す。

 距離の決定 

μ = Ks - AKs [(J - Ks) - (J - Ks)o] - MK
AJ - AKs


ここに、AKs(AJ - AKs) = 0.73, (J - Ks)o = 0.70±0.05, MKs = -1.65±0.03 を Alves et al 2002 から採用した。数値を入れると

  μ = -5 + 5 log d(pc) = Ks - 0.73(J-Ks) + 2.16

この式を観測されるクランプ星全てに適用する。UKIDSS-GPS データに関しては 係数が少し変わり、 AKs(AJ - AKs) = 0.68, (J - Ks)o = 0.66±0.04, MKs = -1.61±0.03 となる。
円盤の縁の決め方 

 距離分布から円盤の縁を見つけるには 局所尤度密度推定法 (local likelihood density estimation) Loader 1996 を用いる。 その微分法は簡単で結果が安定している。
(しかし、図1に示す、部分の最外側 極小=縦線はなぜその右の極小ではいけないか分からない。 )



図2.様々な方向でのクランプ星の距離分布。各方向での円盤の縁までの距離 が図に示してある。薄い実線=近似曲線。これらの恒星分布曲線は円盤構造の 情報を含んでいる。例えば、我々は遠方での星の集合は縁の構造を隠すものと して棄てた。しかし、いくつかの密度超過は渦状腕に起因するのかも知れない。


図4.データとモデルの比較。 黒実線= UKIDSS-GPS フィールド u098+ での距離分布。赤破線=ブザンソン モデル(スケール長 2.6 kpc、縁半径 14 kpc)を使った u098+ フィールドでの 距離分布。モデルはデータの全ての特徴を再現し、円盤の縁もきたされる位置に 見られる。

図3.上:Churchwell et al 2009 による銀河面図の上に恒星円盤の縁の位置を プロッタした。左側は UKIDSS-GPS, 右側は VVV による。反中心方向の R - 14 kpc は Robin et al 2003 と Reyle et al 2009 による。Ro = 8 kpc を採用。
下:四角=ワープした円盤方向 Mommany et al 2006。三角、丸=我々の観測フィールド。