The Galactic O-Star Spectroscopic Catalog (GOSC) and Survey (GOSSS): First Whole-Sky Results and Further Updates


Maiz-Apellaniz, Sota, Morrell, Barba, Walborn, Alfaro, Gamen, Arias, Gallego
2013 in Massive Stars from α to Ω




 アブストラクト

 Galactic O-Star Spectroscopic Survey (GOSSS) は B < 12 でかつて O-型と報告のあった星全て、および B = 12 - 14 の同様な星のかなりに対し、 R = 2500 の 青―紫領域スペクトルを撮る計画である。2013 6月時点で、 1593 星の 2653 スペクトルを得た。これで、 B < 8 mag の星は全て、 B = 8 - 10 の星の大部分がカバーされた。これだけで GOSSS はこれまでの 高精度スペクトルの3倍の大きさになった。  O-型星とされていたが違うと分かった星の割合、数 kpc 内の O-型星の 分布、等級分布について調べた。また、サンプル内に見つかった興味深い 天体、 GOSSS データの星間空間研究への応用について論じる。最後に GOSC の新しい版を示す。これは GOSSS-DR1 データをまとめたものである。





図1.GOSSS で発見された明るい O-型星スペクトル

 1.プロジェクトの歴史  

2004 Galactic O Star Catalog

 Walborn 1970 - 80s に基づき、他データを追加した文献資料。
 Maiz Apellaniz et al 2004

2006 GOSC v2.0  

 数を増やした。Sota et al 2008

 2007 GOSSS starts 

 GOSC に基づいて GOSSS 開始。
 R = 2500. 一様な品質の青ー紫スペクトル。スペクトル型の再決定。
2011 北天の明るい星についての論文。

 分類基準。標準星。 Sota et al 2011
サーベイの記述。 Maiz Apellaniz et al 2011


 2012 GOSSS 論文 

 NGC 1624-2  Wade et al 2012
 HD 120678  Gamen et al 2012



図2.GOSSS-DR1 で、近くに同伴星のない3つの O-型星スペクトル

 2.新しい成果 

 Sota et al 2013b 

 明るい南天 O-型星の第2論文を間もなく投稿。

 DOSSS-DR1 

 最初の2論文で扱った O-型星全てのスペクトル型とスペクトルを データリリース1として公表。GOSSS-DR1. (Sota et al 2013a)

 GOSC

 GOSC は改定 (v3.0) された。
Maiz Apellaniz et al 2013 

 GOSSSを用いた希薄星間空間物質の研究。

 MGB  

 スペクトル自動分類ソフトウェアを GOSSS-DR2 と共に公表予定。



図3.GODSSS-DR1 中の可視多重星の例

 3.GOSC v3.0  

 現在:GOSSS-DR1 に基づいて 

 GOSSS 論文1、2からの 449 星スペクトル型。
 以前のスペクトル型も示す。
 J (2MASS)を付けた。B は Tycho-2.
または Johnson B であり、やや不均一。 O-型星の (B-J)o = -1 ∼ -0.7 なので、E(B-J) を求める。E(B-V) より波長間隔 が長く、E(B-K) より赤外超過の影響を受けにくい利点がある。
将来 

 2016 までに O-, WR- その他を含む新しい GOSSS データリリース
 LMC;SMC への拡大
 CHORIZOS で導く SED
 http://gosc.iaa.es



図4.以前 O-型とされていたが B-型だった星のスペクトル。




図5.以前 O-型とされていたが実は違った星のスペクトル。

 4.GOSSS 全天サーベイの最初の結果 

 4.1.新しいスペクトル分類 

 全天 

 B < 8 のO-型星は全て含まれる。それより暗い星も。

 新しい O-型星 

 以前 B-型星とされていた星の幾つかが、図1に示すように、 O-型と分かった。

 HD 93632 

 HD 93632 は O5 III(f) とされていたが図2を見ると明らかにクラス I である。 He II 4686 が輝線になっているからである。
 CPD -47 2962 

 GOSSS が見つけた新しい O Vz クラス星(図2)である。

ALS 15 204

 他の O 型星を観測していた時に偶然発見された。

HD 124314 A, BaBb 

 二つは 2".5 離れていて、双方共に O-型スペクトルを示す。図3を見よ。

 HD 93161 A, B 

 2" 離れている。双方共に O-型スペクトルを示す。図3.HD 93161 A 自体 が O + O 連星である。


 4.2.偽 

 観測した 1593 星の文献分類は 

 O: 1011
 B or OB: 382
 その他: 93
 分類なし: 104


 以前 O-型が他だった 252 星の内訳は 

 A: 4
 B: 213
 F: 14
 G: 5
 K: 7
 LBV: 1
 PN: 4
 sd: 4


以前 non-O 型だったのが O-型になった 37 星は 

 B: 28
 OB: 2
 WR: 1
 分類なし: 6


 以前 O-型でやはり O-型は 

  799 星。

図6.青=真の O-型 799 星。赤=以前間違えて O-型星とされていた 252 星。 B < 10 mg の明るい星では 真/偽= 460/96 = 4.79. B > 10 mg の暗い星では 真/偽= 339/156 = 2.17. 当然だが、暗くなると分類は 不確かであった。


 4.3.太陽近傍に O-型星は幾つあるのか? 


図7a.O-型星 B 等級ヒストグラム。黄色=確認された結果。緑=ベスト予想。 青=強気予想。表面数密度と星間減光強度の組み合わせによる単純モデル予想も示す。

 観測と比較する トイモデル(toy model) 

 O-型星面密度は一様
 半径 12 kpc 円盤
 太陽は中心から 8 kpc
 Av/kpc 一定。R5495=3.1 仮定
 Kroupa IMF 仮定。Geneva 非回転進化経路。星形成率一定。


 データ 

 GOSSS 星のうち既観測分。
 分離された O-型星は別個に勘定するが、SB2 O+O は一つに勘定
 未観測分に関してはこれまでの分類移行の結果を適用して推定。

図7b.左に同じだが J 等級分布。

 結果

 B 等級分布は、高密度高減光モデルでも、低密度低減光モデルでもフィットする。
 J 等級分布は、高密度高減光モデルにフィットする。
 Local Bubble と太陽が腕間空間にあることから、 J < 5 の明るい星分布の 払底が説明される。
  30 - 40 kpc-2 O-型星密度はトイモデルを銀河面全体に適用すると  14,000 - 18,000 O-型星を予想する。
  Av/kpc = 0.6 - 0.8 mag/kpc が適当なようだ。

(小さすぎないか? )
 密度勾配を考えると、銀河系全体の O-型星は 30,000 - 50,000 であろう。