Molecular Gas in the Inner 0.7 kpc Radius Ring of M31

  Melchior, Combes     2011 AA 536, 52 -

 M31 の中心 1.5 kpc × 1.5 kpc 領域のガス運動は幾つかの点で驚くべき 物がある。初めは IRAM 30m 望遠鏡で分子ガスが検出され、そのビーム ∼ 40 pc 内でラインが 260 km/s の分裂を示したことであった。この領域はガス密度が低く、 中心 75 pc 中心核領域からは電離ガスの流出が X 線で観測されている。

 これらの観測に基づき、我々は数億年前に M31 が M32 と正面衝突し、その結果 中心で星形成活動が活発化したというシナリオを描いた。この衝突は半径 0.7 kpc と 10 kpc のリングをも説明する。

 HI と [NII] で回転が検出されている内側円盤、傾斜角 43°, 方位角 70°、は主円盤、傾斜角 77°, 方位角 35°、に対して傾いている。 CO 速度成分の一つはこの内側円盤とよく合う。一方、もう一つの成分は 傾斜角 40°, 方位角 -35° のリング的な物質から来る。

 残存の星形成は以前の研究で 1 億年以上昔に起きたとされているが、これは 電離ガスで検出された放出現象と関連するかもしれない。最後に、我々は CO で見つかった、系統運動の両側へのラインの分裂、は短軸方向に向いた 弱いバーでは説明できないことを示す。M31 のバルジは 3 軸不等であるが、 ガスにはバー成分の証拠はない。





図1.(左)Nieten et al 2006 による CO 速度場。中央の四角がこの論文の 観測領域。大規模円盤は傾斜角 77°, 方位角 35° を示す。
(右)Melchior et al 2000 の減光マップ。赤丸= 3 mm, 青丸= 1 mm による 10 箇所の観測点を示す。青十字=銀河中心。(Crane et al 1992)


図2.A,D,G点のCO観測。バックは AB 減光マップ。 (左)CO(2-1)。緑丸=FWHM。 (右)CO(1-0)。赤丸=FWHM。各点での スペクトルを重ねた。




図3.M31A, M31D, M31G, (resp. M31E, M31F, M31I, M31J) のスペクトル。




図6.6.'7 角の電離ガス速度マップ。




図4.G,I,J 点スペクトルを重ねた。(上)CO(1-0), (下)CO(2-1)


図5.(上左)Hα + [NII] (Ciardullo et al 1988) (上右)[NII](Boulesteix et al 1987)
(下左)CO 速度を[OII], [NeIII],Hα, [NII] と重ねた(?) (下右)[NII]λ6584 速度マップ。(Boulesteix et al 1987)


図8.単純な円盤回転モデル上にガス速度を重ねた。




図9.M31 中心速度 -310 km/s の周り ±100 km/s を省いた HI 強度マップ。 このカットで大規模速度成分を除いた。等高線は Spitzer/IRAC のダスト放射 = 8 μm 画像 - 規格化した 3.6 μm画像(星)。




図10.図9に対応する HI 放射の速度場。




図11.(左)等高線=図5の Hα+[NII] 強度をチャンドラ分解能になまらせた。 色マップ=X線マップ。
(右)青線:AB=0.05, 白線: :AB=0.15 に 図9の Spizter/IRAC ダスト放射を重ねた。




図12.一様円盤+傾いたリングモデルからの CO 放射強度。画角は半径にして 200 arcsec = 0.76 kpc。 二重丸=我々の観測点。


図14.図12モデルの速度分散マップ。


図16.立体模型図。内側円盤とリングが示されている。N, E とある左上の棒 は 150 pc.




図13.図12モデルの平均速度場。


図15.図12モデルでの枠内(RA,DEC)オフセットでのスペクトル。左は M31G, 右は M31I に対応。