Effelsberg 100 m 電波望遠鏡を使い、アンドロメダ銀河の周り 100 kpc まで HI 21cm でマップし、高速雲を探した。3 σ 検出限界は 8 × 10 4 Mo に相当する。観測の結果、典型的には 105 Mo の高速雲 種族を円盤付近で見つけた。しかし、50 kpc より遠くには見つけられなかった。 これは高速雲が一般には数 20 kpc の近くにしかないことを示唆する。![]() 図1.M31 周辺の幾何学。破線円で区切られた 5 つの領域ではそれぞれ空間完全度 が計算された。 ![]() 図3.検出ラインの S/N 比分布。 ![]() 図5a.黒丸=この観測で発見された 17 個の高速雲。白丸= Westmeier et al 2005 で検出されたが今回検出できなかった。破線丸=M31 の衛星銀河。 ![]() 図6.図5bで示した線に沿った位置・速度図。幾つかの高速雲と円盤外の雲が 見える。Davies' Cloud が完全に孤立していることに注意。 ![]() 図8.高速雲の視線速度(上)と線巾(下)の分布。 ![]() 図10.(左)Davies' Cloud のコラム密度マップ。(右)ピークスペクトル。 ![]() 図12.高速度雲の距離分布と質量分布。 ![]() 図14.(左)位置分布がガウス分布という仮説に対するコルモゴロフ・スミルノフ検定。 49 kpc でピークを示す。(右)距離の累積分布(実線)をモデル(点線)と比較。 | CDM 宇宙論に基づいたシミュレーションの結果では原始ダークマター衛星に 伴う高速雲は数個しかなく、他は潮汐引きちぎれによるものである。M31 50 kpc 先で高速雲が見つからないのは CDM 構造形成シミュレーションの予言と矛盾する。 この問題への解決案として、M31 から遠ざかると周辺コロナガスの圧力が減り、 高速雲が電離するという解決策がある。このシナリオでは主に電離するか、 または完全にダークマターだけの衛星が大きな渦状銀河の周りにあるというものである。![]() 図2.空間完全度。 ![]() 図4.(上)積分 HI コラム密度。等高線は 4, 8, 16, 25 × 10 20 cm-2 である。弱い糸状の模様は銀河系ガス。 (下)VLSR = -620 から -139 km/s でのコラム密度。黒い等高線は 2 × 1018 cm-2 と 1 × 1019 cm-2。 ![]() 図5b.)VLSR = -608 から -135 km/s でのコラム密度。2 本の 矢印破線は図 6 で使うライン。 ![]() 図7.高速雲のスペクトル。各枠の縦線が雲の位置。 ![]() 図9.高速雲の HI 質量 - 線巾のダイアグラム。点線= Mvir/ MHI 一定のライン。 ![]() 図11.円盤南東縁での面外ガス。成分Aは副構造を示唆。 ![]() 図13.(左)距離の累積表示。(右)質量の累積表示。 |