Relics of Structure Formation: Extra-Planar Gas and High-Velocity Clouds around the Andromeda Galaxy

  Westmeier, Bruns, Kerp  2009 MN 390, 1691 - 1709

 Effelsberg 100 m 電波望遠鏡を使い、アンドロメダ銀河の周り 100 kpc まで HI 21cm でマップし、高速雲を探した。3 σ 検出限界は 8 × 10 4 Mo に相当する。観測の結果、典型的には 105 Mo の高速雲 種族を円盤付近で見つけた。しかし、50 kpc より遠くには見つけられなかった。 これは高速雲が一般には数 20 kpc の近くにしかないことを示唆する。




図1.M31 周辺の幾何学。破線円で区切られた 5 つの領域ではそれぞれ空間完全度 が計算された。


図3.検出ラインの S/N 比分布。


図5a.黒丸=この観測で発見された 17 個の高速雲。白丸= Westmeier et al 2005 で検出されたが今回検出できなかった。破線丸=M31 の衛星銀河。


図6.図5bで示した線に沿った位置・速度図。幾つかの高速雲と円盤外の雲が 見える。Davies' Cloud が完全に孤立していることに注意。


図8.高速雲の視線速度(上)と線巾(下)の分布。


図10.(左)Davies' Cloud のコラム密度マップ。(右)ピークスペクトル。


図12.高速度雲の距離分布と質量分布。


図14.(左)位置分布がガウス分布という仮説に対するコルモゴロフ・スミルノフ検定。 49 kpc でピークを示す。(右)距離の累積分布(実線)をモデル(点線)と比較。

 CDM 宇宙論に基づいたシミュレーションの結果では原始ダークマター衛星に 伴う高速雲は数個しかなく、他は潮汐引きちぎれによるものである。M31 50 kpc 先で高速雲が見つからないのは CDM 構造形成シミュレーションの予言と矛盾する。 この問題への解決案として、M31 から遠ざかると周辺コロナガスの圧力が減り、 高速雲が電離するという解決策がある。このシナリオでは主に電離するか、 または完全にダークマターだけの衛星が大きな渦状銀河の周りにあるというものである。




図2.空間完全度。


図4.(上)積分 HI コラム密度。等高線は 4, 8, 16, 25 × 10 20 cm-2 である。弱い糸状の模様は銀河系ガス。
(下)VLSR = -620 から -139 km/s でのコラム密度。黒い等高線は 2 × 1018 cm-2 と 1 × 1019 cm-2


図5b.)VLSR = -608 から -135 km/s でのコラム密度。2 本の 矢印破線は図 6 で使うライン。


図7.高速雲のスペクトル。各枠の縦線が雲の位置。


図9.高速雲の HI 質量 - 線巾のダイアグラム。点線= Mvir/ MHI 一定のライン。


図11.円盤南東縁での面外ガス。成分Aは副構造を示唆。


図13.(左)距離の累積表示。(右)質量の累積表示。