Comparative Analysis of Molecular Clouds in M31, M33, and the Milky Way

  Sheth, Vogel, Wilson, Dame     2009, ApJ 675, 330 - 339

 M31 北東腕 2' フィールドの BIMA 観測を報告する。ここには 6 個の巨大 分子雲が存在する。その平均直径は 57&plumn;13 pc, 平均速度巾は 5.5&plumn;1.2 km/s, 平均質量 (3.0&plumn;1.6) × 105 Mo である。ピーク 輝度温度は 1.6 - 4.2 K である。これらの結果を Wilson/Scoville の M33 の結果、 Dame らによる天の川銀河の結果と比較した。
 単一鏡と干渉計との結果の差を調べるため、銀河系の分子雲複合を M31, M33 の 距離に置いたと想定して模擬観測を行った。その結果を M31, M33 の場合と同じ 分子雲検出と解析のコードを通して比較を行った。




図1.等高線=ビーム補正した M31 フィールド 2'30" × 2'30" の CO(J=1-0) 強度マップ。グレイスケール= DSS_J 画像。A - F = 銀河系分子雲複合と 比較するサンプル。


図3.サイズー線巾関係。星印= M31、四角、丸、丸十字=銀河系巨大分子雲 を M31 の距離に置いた場合のシミュレーションの結果。黒三角= Dame et al 1986 による 銀河系 GMC 複合体。全データが Mame et al 1986 が定めた帯の中に 入る。従って、単一鏡であろうと干渉計であろうと、同じ空間スケールで サンプルされていれば同等の結果を与える。

 これらの銀河間で分子雲の性質に差は認められなかった。以前の研究で差が あるとされていた原因は、分子雲検出方法に違いがあったためであろう。今後 の CARMA 望遠鏡では個々の分子雲を様々な銀河で解析できるようになるであろう。 様々な銀河円盤の分子雲の比較、一つの円盤内で場所による分子雲の違いが 研究される。我々の研究はそのような時に、適切な解析法が Virgo 銀河団にまで至る銀河の分子雲を調べるのに重要であることを示す。




図2.分子雲複合 A - F のチャンネルマップ。


図4.M31, M33, 銀河系複合体のシミュレーションの性質の比較。3つの間に 大きな違いはない。



     図5.(上)Gem OB1 複合体のシミュレーション。(下)Carina 複合体のシミュレーション。
        (左)銀河系複合を M31 の距離に置いた場合。 (左中)それを BIMA で観測した時のシミュレーション。左の入力に比べカリーナ が著しく弱くなっている。(右中)入力ーシミュレーション。 (右)シミュレーション/入力。
Gem OB1 では全エネルギーがほぼ保全される。カリーナでは 30 -50 % に弱まる。