The Nature and Origin of Substructure in the Outskirts of M31 I. Surveying the Stellar Content with the HST/ACS

   Richardson, + 10  2008 AJ 135, 1998 - 2008

 HST/ACS を M31 11.5 kpc ≤ Rproj ≤ 45 kpc 14 箇所で サーベイした。点の多くは INT/WFC 画像サーベイで見つかった連なる副構造を サンプルしている。他の点は円盤上より広がった箇所を撮像した。星種族を 比較した結果幾つかの明瞭な傾向が明らかになった。

 色等級図はレッドクランプの3等下まで達しているが、それらは二つのグループ に分けられる。一つはジャイアントストリームに似ていて、レッドクランプが 青い側に slant していて、水平枝が発達している。若い種族の徴候はない。 このグループは「ストリーム的」フィールドと名付けられた。

 もう一つはレッドクランプが真ん丸で光度巾も大きく、明瞭な水平枝を持たない。 最近 (∼ 0.25 - 2 Gyr) の星形成の証拠がある。このグループは「円盤的」領域と 名付けた。




図1.INT/WFC サーベイ(Irwin et al 2005) による RGB 星分布図(95kpc×125kpc) 上に、HST/ACS 観測点(赤 0.8kpc×0.8kpc)をプロットした。

「ストリーム的」フィールドの空間及び視線速度分布を最近のジャイアントストリーム 母天体軌道モデルと比較した。両者はきれいに一致した。「ストリーム的」フィールド は内側ハローの色々な場所を横切っており、この事件が原因で高い汚染が起きている ことを実証した。

円盤的物質は M31 の円盤状構造の中にあり、 Rproj ∼ 44 kpc まで確認された。それらのフィールド間で種族が一様であること、 そこに若い種族が含まれていること、別のところで報告されたように強い回転を 示す事などは、この構造が現在ある薄い円盤が加熱され、引きはがされたものである というシナリオに良く合う。この現象はおそらくジャイアントストリーム母天体の 衝撃によるものであろう。




図2.混み具合による測光完全度の変化。




図5a.(左)レッドクランプの光度関数とピーク等級。(右)レッドクランプの カラー分布


図6.完全性を補正した、「ストリーム的」と「円盤的」な光度関数の比較。 両者は レッドクランプ と AGB バンプ の中間で合わせてある。


図9.図4と同じだが、「ストリーム的」領域。



図5b.(左)レッドクランプの光度関数とピーク等級。(右)レッドクランプの カラー分布


図8.Fardal et al 2007 のシミュレーションが示すジャイアントストリーム 潮汐デブリと観測領域の配置関係。緑=ジャイアントストリームが最初の近銀点 通過軌跡に降りかかっている。赤=第1回の近接遭遇の後北東シェルに吹き広がる 様子と第2回近銀点への接近。マゼンタ=第2接近後に吹き広がった物質が西側シェル へ集まる様子と第3回接近。青点=第4接近。
「ストリーム的」領域(白丸)とシミュレーションの潮汐デブリとの一致は 素晴らしい。「円盤的」領域は黒三角で示され、「混合」領域は黒い星。


図10.「混合」領域でストリームと円盤の相対比を調べる。
(左)規格化した色等級図。(中)スパー領域とジャイアントストリーム領域の 色等級図を異なる割合で混ぜ合わせたもの。(右)観測とモデルの差。 前と同様、赤は過剰、青は不足を表わす。




図3.ヘスダイアグラムとして描いた色等級図。RGB bump や AGB bump のような薄い 特徴を強化するため平方根表示を採用した。名前の下の数字は枠内の星数。47 Tuc ( [Fe/H]=-0.7, t=12.5 Gyr Brown et al 2005) を M31 距離で表示。DL = 円盤的、 SL = ストリーム的、C = 混合型の意味。


図4.各領域とジャイアントストリームとの比較。各領域での規格化したヘス図から ジャイアントストリームの規格化したヘス図を引いた。赤=引いて残った。青= 引いたらマイナス。


図7.blue plume 種族を含む領域の色等級図。Girardi et al (2000) ライブラリー からの [Fe/H] = -0.4 dex 等時線、緑 = 230 Myr,黄色 = 630 Myr, 橙 = 1.0 Gyr, 赤 = 1.6 Gyr, マゼンタ = 2.0 Gyr。等時線の間の星の数が星形成率の強さを与える。